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      <title>3.著書・監訳書紹介用管理画面</title>
      <link>http://www.y-okabe.org/books/</link>
      <description>岡部陽二のホームページ - Official Website by Yoji Okabe</description>
      <language>ja</language>
      <copyright>Copyright 2009</copyright>
      <lastBuildDate>Mon, 15 Dec 2008 12:08:50 +0900</lastBuildDate>
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            <item>
         <title>「米国医療崩壊の構図」に関する書評・紹介</title>
         <description><![CDATA[<div style="margin-bottom: 1em">
<img src="/images/upload/090212WhoKilled_HealthCare_Hyoushi.jpg" alt="" width="200" height="297" />
</div>
<h4>一般紙誌の書評</h4>
<ul>
	<li><a href="#26"><span style="color: #993300">「ザ・クインテッセンス」誌Book ReviewITDN・Tokyo代表・加藤英治氏書評</span></a></li>
	<li><a href="#25"><span style="color: #993300">「日本医事新報」誌&ldquo;Book　Review&rdquo;野中博野中医院院長書評</span></a></li>
	<li><a href="#24"><span style="color: #993300">「医学のあゆみ」誌&ldquo;書評・Book　Review&rdquo;上塚芳郎東京女子医科大学教授書評</span></a></li>
	<li><a href="#23"><span style="color: #993300">MedicalJournarist誌・大野善三会長書評</span></a></li>
	<li><a href="#22"><span style="color: #993300">COML（コムル）誌「COMLにプレゼントされたBOOK紹介コーナー」書評</span></a></li>
	<li><a href="#21"><span style="color: #993300">医学書院「病院」誌・国際医療福祉大学武藤正樹教授書評</span></a></li>
	<li><a href="#20"><span style="color: #993300">「週間・ダイヤモンド」誌&ldquo;Book　Reviews&rdquo;松井宏夫氏書評</span></a></li>
	<li><a href="#19"><span style="color: #993300">ファイザー㈱発行「まねきねこ」2009年第18号「情報ひろば」書評</span></a></li>
	<li><a href="#18"><span style="color: #993300">「メディカル朝日」誌2009年4月号｛Books｝欄書評</span></a></li>
	<li><a href="#17"><span style="color: #993300">「医薬経済」2009年3月15日号＜読書子＞書評</span></a></li>
	<li><a href="#16"><span style="color: #993300">日経メディカル書評</span></a></li>
	<li><a href="#15"><span style="color: #993300">連合総研レポートDIO 草野忠義連合総研理事長書評</span></a></li>
	<li><a href="#10"><span style="color: #993300">月刊グローバル経営書評</span></a></li>
	<li><a href="#09"><span style="color: #993300">トップポイント誌書評</span></a></li>
	<li><a href="#12"><span style="color: #993300">「ジャパン・メディカル・ソサエティー」誌　日本医療経営学会 会長・医学博士　広瀬輝夫先生書評</span></a></li>
	<li><a href="#14"><span style="color: #993300">㈱ビジョンヘルスケアズ「会員情報」同社社長石田章一氏書評</span></a></li>
	<li><a href="#08"><span style="color: #993300">週刊・社会保障誌・日本福祉大学・二木立教授書評</span></a></li>
	<li><a href="#07"><span style="color: #993300">日本医療法人協会「新刊紹介」</span></a></li>
	<li><a href="#06"><span style="color: #993300">社会医療医療研究所「社会医療ニュース」</span><span style="color: #993300">　岡田玲一郎所長書評</span></a></li>
	<li><a href="#11"><span style="color: #993300">医療経済研究機構「Monthly　IHEP」誌　慶應義塾大学総合政策学 部　印南一路教授書評</span></a></li>
	<li><a href="#05"><span style="color: #993300">医療タイムズ社発行「医療タイムズ」2月号　林兼道社長書評</span></a></li>
	<li><a href="#13"><span style="color: #993300">日本医業経営コンサルタント協会「月刊・ジャーマック」誌　国立保健医療科学院　岡本悦司先生書評</span></a></li>
	<li><a href="#04"><span style="color: #993300">日本対がん協会、垣添忠生先生書評</span></a></li>
	<li><a href="#03"><span style="color: #993300">「医療タイムズ」1月号　林兼道社長書評</span></a></li>
	<li><a href="#02"><span style="color: #993300">「日経ビジネス・オンライン」2009年1月9日号</span><span style="color: #993300">神谷秀樹氏書評</span></a></li>
	<li><a href="#01"><span style="color: #993300">国際金融誌1月号　石田護氏書評</span></a></li>
</ul>
<h4>監訳者の論説・エッセー</h4>
<ul>
	<li><a href="#54"><span style="color: #800000">「今月のキーパーソン・岡部陽二氏」月刊メディカルクオール大根健一氏インタビュー</span></a></li>
	<li><a href="#53"><span style="color: #800000">「季刊・社外取締役」誌　書籍紹介「私はこんな本を書きました」</span></a></li>
	<li><a href="#52"><span style="color: #800000">「米国医療崩壊の構図」　証券経済倶楽部「しょうけんくらぶ」</span></a></li>
	<li><a href="#51"><span style="color: #800000">「米国医療崩壊の構図~ジャック・モーガンを殺したのは誰か」　銀泉誌137号</span></a></li>
	<li><a href="#50"><span style="color: #800000">「米国金融崩壊の構図」　日本個人投資家協会月刊紙「きらめき」</span></a></li>
</ul>
<h4>一般紙誌の書評</h4>
<a id="26" name="26" title="26"></a>
<h5>「ザ・クインテッセンス」誌&ldquo;Book Review&rdquo;ITDN・Tokyo代表・加藤英治氏書評</h5>
<h4>ジャック・モーガンは，富と繁栄の超大国の医療システムによって消された！！<br />
日本の医療制度はどの道へ，迷い込むのか？</h4>
<p>
　「Yea～h！」ある日の午後，デンタルレントゲンを見た診療台上の患者がHiタッチしてきた。小生はおずおずとゴム手を外して右手を出した。先日抜髄した歯の根充がピッタリ入ったのだ。シアトルの歯科大学を卒業したのち歯科医師にはならず，医療経済のコンサルタントなどを経て今は日本で仕事をしている彼は「ボクはコレが苦手でネ～」とリーミングの仕草をした。近年彼は迷走する日本の医療システムも俯瞰した提言をしている。<br />
　一―閑話休題，米国史上初の黒人大統領オバマ氏は昨年党大会で、彼を支持する106年前に生まれたアン・Ｎ・クパーさんが見てきた米国の歩みになぞらえ、かつて信じられない困難を克服してきたこの国の歩むべき道は&rdquo;Yes We Can！&rdquo;、未曾有の経済危機を&rdquo;Yes We Can！&rdquo;、崩壊の続く医療や年金制度を&rdquo;Yes We Can！&rdquo;、国民自身で立て直そうと、記憶に残る演説をした。が、いまだ地滑りは止まらず、クライスラー・ＧＭと米国の繁栄を支えてきた巨像も崩れ落ちた。
</p>
<p>
　本書の著者が憂いている現在の米国の医療システムは、その巨大なコストとは裏腹に、国民に満足を与えていないようだ。腎臓疾患を患った個人事業主のジャックは、腎臓移植の順番を待っているうちに亡くなった。彼は保険に入ってないわけでも、税金を滞納したわけでも、医者嫌いだったわけでも、手遅れになるまで診察を受けなかったわけでもないのに、どうも彼がスイスかどこかの同レベル・同環境の患者であったら筋書きは変わっていたらしい。彼を殺した犯人はだれなのか？　容疑者は5人，医療保険会社・（非営利を謳う）大病院・雇用企業・政府・医療専門家たち、である。<br />
　彼ら5人にはそれぞれの言い分があることは著者も認めている。歴史的経緯や経済・人口・ニーズにより、米国の医療システムがうまくいっていた時期もあったことは事実だ。しかし現在の破綻のタネはその頃から蒔かれていたのだ！　気がついたときには，ジャックは彼らの共同謀議により命を失った。ミステリーの紐を解くには、米国の医療システムと日本との違いを把握することが鍵だ。小生は本書をひっくりかえし，監訳者の記した最終項をめくり始めた。
</p>
<p>
　発端は、2005年に実際に起こったカイザー保険に加入していた腎移植候補者112名が亡くなり，そのうちの25名は適応の臓器が用意されていたにもかかわらず移植は行われなかった事件だ。この事件を元に著者は架空の被害者ジャックを登場させた。カイザー保険は元々高度な医療を行うために志のある人たちによって創設された。この医療システムがまちがった方向に進んだのは，マネジドケァ保険が商業化し、利潤のために医師に医療費の<br />
節約を強要するようになったからだ。そこで，患者が無理なく質の高いサービスを得られるにはどうしたらいいのか？　著者の案は，先に挙げた5人の容疑者の介入を廃し，直接患者（消費者）と医師との交渉を重視することを出発点に改革を進めることが必要だとしている。<br />
　その方策は，医療保険料を雇用主や政府の手から直接患者（消費者）の手に移し（低所得の無保険者には政府が直接補助をし〉、医師と患者との間に介在する存在を排除し、市場を機能させるカを与えることである。しかし、改革により利権を失う現体制は当然障害となる。現体制下では、①保険会社は、患者の満足度よりも、医師の選択・入院の承認・医療費に関心が高く、すべてにNoを突き付ける対応が常套手段になっている。②非営利を謳う大病院は、規模の拡大に奔走して非効率化し、患者にとってもリスクが高くなっている．③雇用企業は、本来従業員に分配されるべき保険料を税制優遇や運用のために利用しているにもかかわらず画一的な医療保険を選び、患者の医療給付の選択の自由を奪っている。④政府や役人は、市場を無視した、お仕着せの医療プランで患者の選択肢を狭めている。⑤医療専門家（政府にアドバイスする立場にある）は、システムがうまく回らないのは、儲け主義の医者や医療知識のない患者に情報を与えてもうまく使えず、賢い選択はできないせいだとしている。<br />
　1961年日本は国民皆保険を開始した。当時は比較的低い医療費で国民のニーズがほぼ満たされていると考えていた。しかし、これは過去のこととなりつつある。患者負担率のアップや老人保健の廃止などをみれば明らかである。医療費の対GDP比は、米国の半分程度、主要先進国からも2～3%ともっとも低い。金額のみならず、安全確保・患者権利擁護・医療情報公開など高い質への要求に拍車がかかり、すでに医師不足や病院閉鎖、訴訟の多い科目が敬遠されるなど医療崩壊が叫ばれている。同じ皆保険導入国のカナダや英国でも、高齢者への医療制限や長い待ち時間などサービスの低下が指摘されている。米国は65歳以上の高齢者と低所得者のみに「メディケア」「メディケード」といった皆保険が導入されて<br />
いるが、民間保険に比べサービスが劣悪とされている。
</p>
<p>
　近年，歯科大学でも医療経済の講座をおくところがでてきており、小生の地区でも昨年、ある教授に講演をしていただいた。後席でズバリ聞いてみた。スカンジナビア諸国やシンガポールのような人口の少ない先進国の医療制度でなく、改革を成功に導けるお手本となる制度の国はあるのかと？　「どの国も一長一短の問題がある、う～ん、やはりジャパン・オリジナルでいくしかないでしょう！？」との回答、――-小生の頭のなかでは、『Abbey Road』の1節&rdquo;Boy, you&rsquo;re gonna carry that weight, a long time&rdquo;（ねぇ君はその重荷を背負っているのだよ、これから長い間ずっと）が流れ始めた。誰もがなし得ていない道を、重荷を背負って改革を遂げるのは、オバマ政権か？それとも我が国の政治家か？<br />
冒頭の小生の米国人患者は帰り際に「人生はイロイロで、それもまた楽しいデショ～、今度ビールでもどう？」と島倉千代子張りの足取りで帰って行った。保険で根充をしている私と、別の道を選んだ彼とどちらが幸せで、どちらがこれから重荷を背負うのだろうか――！？
</p>
<p>
『米国医療崩壊の構図　～　ジャック・モーガンを殺したのは誰か？』<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー・著<br />
岡部陽二・監訳<br />
一灯社、問合先：03-5981-2071<br />
2009年1月7日・刊、定価2,310円（税込）
</p>
<p>
◆著者略歴<br />
レジナ．Ｅ．ヘルツリンガー（Regina　E.　Herzlinger）<br />
マサチューセッツ工科大学経済学部卒業、ハーバード大学大学院にて博士号取得後、1965年～1972年政府機関、コンサルタント会社勤務後、1972年ハーバード大学経営大学院助教授、1980年からハーバード大学経営大学院教授（専門：医療経営論）
</p>
<p>
◆監訳者紹介<br />
岡部陽二（おかべ　ようじ）<br />
1934年生まれ、京都大学法学部卒業、1988年住友銀行専務取締役、1993年明光証券取締役会長、1998年広島国際大学医療福祉学部医療経済学科教授、2001年から医療経済研究機構専務理事
</p>
<p>
評者／加藤英治<br />
東京都開業・ITDN－Tokyo代表<br />
連絡先：〒153-0051　東京都目黒区上目黒1-24-13　3F
</p>
<p>
（2009年9月10日、㈱モリタ発行「ザ・クインテッセンス&rdquo;Quintessence&ldquo;」Vol. 28 No.9 P168～169所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="25" name="25" title="25"></a>
<h5>「日本医事新報」誌&ldquo;Book　Review&rdquo;野中博野中医院院長書評</h5>
<p>
米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著，岡部陽二監訳,　B5判，408頁、定価2,200円　一灯舎
</p>
<h4>我が国の医療再構築に有益な示唆を与える１冊</h4>
<p>
　マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」は、最先端の医療を誇る米国でも、医療保険制度が充実していなければ必要な医療を受ける事が出来ない実態を明らかにして大きな話題を呼んだ。国民皆保険制度の我が国でも救急医療・産科・小児科などの多くの現場での医師不足が浮かび上がり、医療崩壊が叫ばれている。この医療崩壊の様々な要因には、確かに政治のかじ取りに大きな責任があるが、それだけではない。様々な要因を一つ一つ明らかにして、丁寧に解決していくことが、人命を預かる我が国の医療制度の再構築には必要不可欠である。<br />
本書「米国医療崩壊の構図」が岡部陽二さんの監訳にて発売された。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」との推理小説風の副題がついている。ジャック・モーガンは腎臓病患者で透析医療を受けることになった。米国では腎臓病の治療は腎移植が通常であり、娘も腎臓提供の意思を持っていたにも関わらず、腎移植を受けずに死亡された。その死は患者の病状に起因するのではなく、米国医療制度のためとされている。小生は昭和48年大学病院以来現在も透析医療に携わり、一方で医師会活動において医療制度や地域医療の構築にも関わってきたため、興味深く本書を読むことができた。我が国の透析医療は昭和47年に更生医療の対象疾患になった事もあり飛躍的に進歩した。しかし透析医療は進歩したが、一方で移植医療は脳死の問題等が絡み普及できなかった。腎臓病治療の主流が腎移植である米国で、なぜ腎移植が受けられなかった理由について本書は詳細に解説しており、つまり必要な医療を受けるための諸条件を明示している。<br />
元来、医療は患者と医療提供者との共同作業であり、互いの信頼関係無くしては良い結果は得る事は出来ない。監訳者のあとがきにも、「医療は費用の面から見るだけではなく、患者の人格を重視して十分な情報を与え、多くの選択肢の中から最適の医療サービスが選べるような仕組みを実現する事が肝要である。わが国においてもこうした全人的な医療が追及されるのは、当然の方向である。」と記載している。<br />
本書が提唱する「消費者が動かす医療サービス」の本質が理解され、我が国の医療体制が国民と医療提供者が共同して再構築される事が望まれる。
</p>
<p style="text-align: right">
（野中　博　・野中医院院長）
</p>
<p>
（2009年8月15日、日本医事新報社発行「日本医事新報」ｐ109所収）
</p>
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<a id="24" name="24" title="24"></a>
<h5>「医学のあゆみ」誌&ldquo;書評・Book　Review&rdquo;上塚芳郎東京女子医科大学教授書評</h5>
<p>
米国医療崩壊の構図一ジャック・モーガンを殺したのはだれか？』<br />
（レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著，岡部陽二監訳）<br />
●四六判，408頁、●定価2,200円＋税、●一灯舎
</p>
<p>
　レジナ・ヘルツリンガー教授はハーバードビジネススクールの教授である。すでに，岡部陽二氏の監訳により2冊の著書が紹介されているが、今回はその総集編ともいえる第三弾である。&ldquo;米国医療崩壊の構図&rdquo;と邦訳されているが、原題はWho　Killed　Health　Care？であり，文字どおり訳せば、だれが医療を崩壊させたか、との意味になる。<br />
　著者は医療消費者（患者）の視点から、なぜアメリカの医療がこのような状況に陥ったのかについて分析している。ジャック・モーガンという登場人物が登場する。彼は小さな料理店の店主として成功していたが、腎不全となり、移植を受けるしか助かる道はなかった。彼の娘は腎を提供する意思があったが、結論からいえば、彼は腎移植を受けられなかった。どうして彼は腎移植を受けることができず、死ななければならなかったのか。分析の結果は、第1の犯人はマネージドケアの保険会社、第2は病院、第3は雇用審企業、第4はアメリカ議会、第5は医療政策立案者集団、となると著者は舌鋒鋭く批判している。<br />
　よく知られているように、アメリカではHMOとよばれる保険会社の力が強くなり、医師が患者を入院させようと思っても保険会社の事前許可がなければ入院させることができない状態である。著者は、カイザーHMOの腎移植登録患者が腎移植を受けられる確率が2005年以降激減していることを通じ、カイザーHMOの腎移植プログラムの欠陥に鋭く切り込んでいる。かつて企業家精神に富むヘンリー・カイザーにより設立された名門のカイザーが、現在では利益中心主義に陥り移植治療が受けられる患者に治療の機会を与えないようにしていることはアメリカの悲劇であろう。つぎに、著者は病院も利益を守るために、料金を高くし、競争が発生しないよう、合併によりベッドの寡占化を進めていると非難する。<br />
　第六章には医療政策立案者集団に対する批判が載っている。著者の第一作目の&ldquo;医療サービス市場の勝者&rdquo;の書評が世界的に有名なニューイングランド医学雑誌（NEJM）に載った。評者は同誌の元編集長だったバド・レルマンであったが，酷評された。それは同誌の伝統的なスタンスは政府が医療保険を管理する単一支払い者（シングルペイヤー）とする方式を擁護しているからであり、一方、著者は政府による介入ではなく、医師と消費者との自由な契約こそが効率的な医療システムだと主張している点、相容れないからであった。<br />
　こうしてみると、本書の前半で、アメリカの医療を崩壊させた5つの犯人をあげたのは導入部分であり、著者のもっともいいたかった点は最後の部分にあることがわかる。著者の考えは雇用主ではなく個人が直接医療保険へ加入することにより極力5人の犯罪者の介入を防ぐことが、崩壊した医療の立て直しに必要だとのことである。<br />
　これはアメリカでの話しであるが、わが国においても非常に参考となる考え方であり、著者の意見に賛同するかはともかく、医療政策に興味があるものにとっては必読書であろう。
</p>
<p style="text-align: right">
（東京女子医科大学医療・病院管理学、上塚芳郎／うえつかよしお）
</p>
<p>
（2009年6月20日、医歯薬出版㈱発行、「医学のあゆみ」2009．6/20号、Vol.229　No.12,p1150所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="23" name="23" title="23"></a>
<h5>MedicalJournarist誌・大野善三会長書評</h5>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー著　岡部陽二監訳　竹田悦子訳<br />
『米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か ? 』<br />
一灯舎刊(2,200円十税)
</p>
<h4>＜その一人は医療保険会社＞</h4>
<p>
　原書のタイトルは、「医療を殺したのは誰か?～2兆ドル(約200兆円)の米国医療費の問題と消費者が動かす医療」ですが、その傍に探偵小説のような副題がついています。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か?」という問いかけです。この疑問を解いて行くのがこの本の筋ですが、最後に消費者が動かす、競争を基本とした医療制度の提案をしています。ジャック・モーガンというのは、アメリカ社会では中流の善良な市民であり、腎移植の機会を待っている間に命を落とした、健康保険に加入していた男性です。多くの被害者から作り出された人物ですが、そのモーガンが、腎移植をしなさいと主治医に命令され、非営利のHMOであるカイザー`パーマネンテに手術を申請し、HMOでこれを許可することが会社の利益を損なわないか否かを検討している間に、時間切れで彼の命は尽きてしまったのです。手術をする材料は総て揃っているのに、実施すべきかどうかの検討に時間をかけるアメリカ医療の何処に間題があるのかを分析して行きます。そして筆者は・ジャック・モーガンを殺した5つの悪者を挙げています。第1の殺人者は医療保険会祉です。この場合は・カイザー・パーマネンテです。第2は非営利の大病院、第3は雇用主企業、第4は連邦政府、第5が専門家集団、つまり医療従事者群です。本来、医療とは患者と医師の間の人問関係で成り立つ行為なのに、その間に入って細かく規定していては、お金ばかり浪費して、患者の満足度は得られません、というのが筆者の分析です。
</p>
<p>
　カイザー・パーマネンテは、1930年代に創始者、カイザーとガーフィールドの両医師が、ロサンゼルスの労働者に手ごろな値段で良質の医療を提供しようとして作った健康保険会社です。ところが、後を継いだ首脳陣が組織を大きくし、大病院を買収し、医師集団を傘下に入れて、人の命を救いたいという創業時の精神を忘れて、利益優先の管理に転換し、慈善事業かと見間違えるような非営利の病院から莫大な利益を挙げるHMOに変わってしまいました。まるで、サブプライムローンに血道をあげたウォールストリートの証券会社を思い出させる歴史です。このために、質の高い医療を手にするには、高額の保険料を払わなければなりません。ビッグ3が経営危機に陥っている原因の一つが高額の健康保険料だと言われ、医療費は現在の企業経営の根幹に位置づけられています。米国に4,600万人の無保険者がいるのは有名です。数々の機関がいじくりまわして医療の本来の姿を変え、経済問題にしてしまったと分析して、スイスの制度を参考に、消費者中心の医療制度に転換することを提案しています。これによって、患者の満足度は得られると主張します。ただ、簡単にできるわけではなく、各殺人者も細かいところにまで入り込まず、分を弁えた指導をすべきだといっています。<br />
　　医療制度のこれからを考える上で、色々勉強になる価値の高い本だと思いました。
</p>
<p style="text-align: right">
(大野善三)
</p>
<p>
（2009年6月15日、NPO日本医学ジャーナリスト協会発行&ldquo;Medical　Journalist&rdquo;Vol.21　No.2（通巻58号）　p12　所収）
</p>
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<br />
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<a id="22" name="22" title="22"></a>
<h5>COML（コムル）誌「COMLにプレゼントされたBOOK紹介コーナー」書評</h5>
<h4>「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」</h4>
<p>
　レジナ・E/ヘルツリンガー著、岡部陽二監訳、<br />
　竹田悦子訳、一灯舎、定価2,200円<br />
<br />
　民間医療保険に加入していたアメリカ市民が腎臓移植待機中に死亡。その原因として、医療保険会社、非営利の大病院、企業、連邦政府などを挙げ、米国における医療崩壊の裏側を指摘。医療危機を打開するために患者と医療者が実態を認識してどう行動すべきかを説く。<br />
<br />
（2009年5月15日、NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML（コムル）、Consumer Organization for Medicine &amp; Law&rdquo;」発行&ldquo;COML&rdquo;No.225、p5所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="21" name="21" title="21"></a>
<h5>医学書院「病院」誌・国際医療福祉大学武藤正樹教授書評</h5>
<h4>医療を患者と医療人の手に取り戻すために</h4>
<h4 style="text-align: right">｛評者；　武藤　正樹　（国際医療福祉大学教授）</h4>
<h4>レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著<br />
米国医療崩壊の構図―ジャック・モーガンを殺したのは誰か？<br />
　岡部陽二監訳、竹田悦子訳　　一灯舎</h4>
<p>
　ジャック・モーガンはフレンチレストランのシェフである。意気盛んで､チャーミングで、仕事には厳しかった。こんなジャックは誰からも愛されていた。とりわけジャックの娘は父を敬愛していた。ジャックが腎臓病に罹患して腎透析を受けるようになったとき、彼女は自分の腎臓を移植用によろこんで提供したいと言っていたほどだ。しかしその願いもむなしく、ジャックは腎移植の待機中に感染症にかかり死亡する。<br />
　誰がジャック・モーガンを殺したのか？本書ではその犯人さがしが前半の山場だ。アガサクリステイのオリエント急行殺人事件のようだ。第一の犯人にあげられたのはマネジドケア型保険を提供する保険会社だ。そしてつぎつぎとジャック殺しの犯人が名指しされる。第二の犯人は儲け主義にはしる巨大病院チェーン、第三は雇用主企業、第四は議会と連邦政府、第五は医療専門家集団だ。結局、犯人は雪の中のオリエント急行の車中でおきた殺人事件の犯人と同様、乗り合わせた乗客全員の計画的な犯罪だったのだ。<br />
　そして本書の後半は、ジャック・モーガンを生かすための提案に費やされている。本書の結論は、医療を保険会社や儲け主義の巨大病院チェーンから、消費者（患者）と、日々医療サービスを提供する医療人の手に取り戻すことだとしている。<br />
　具体的に著者は消費者主導型ヘルスケア（ＣＤＨＣ：Consumer Driven Healthcare）モデルを推奨している。そのモデルの中核をなすのが、ＨＳＡ（Health Saving Account）すなわち「医療貯蓄口座」である。医療貯蓄口座は簡単に言うと医療サービスの購入に使途を限定した個人口座で、その口座は税金が優遇されるという仕組みだ。いわば「医療費限定マル優」とでも言ったらよいだろう。<br />
　従来のマネジドケア型の保険プランでは、保険会社が利用できる病院を制限したり、保険会社が医療の内容をチェックしたりするなど、「患者の権利」を抑圧しがちだった。しかし、ＨＳＡは自分の口座なので、使途が医療サービスであれば、患者自らの選択で好きな医療機関で希望する医療を受けることができる。また、著者はこれに対応した医療提供体制として、巨大な病院チェーンではなくて、疾患ごとにフォーカスをしぼった統合的な医療サービスの提供組織（著者はこれをフォーカス・ファクトリー方式と呼ぶ）を提案している。この例としてデューク大学が行った心不全の疾病管理プログラムが紹介されている。この慢性疾病にフォーカスしたプログラムによって患者一人あたりの治療費が90,000ドル（約4割）安くなったという。<br />
　さてオバマの医療制度改革法案の準備が年内の成立を目指して急ピッチで進んでいる。米国のぼろぼろになった医療保険制度を立て直すのに時間的余裕はない。オバマ医療制度改革の中で、本書のかかげる消費者主導型ヘルスケアモデルがどのように展開するか、その行方に注目したい。
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="20" name="20" title="20"></a>
<h5>「週間・ダイヤモンド」誌&ldquo;Book　Reviews&rdquo;松井宏夫氏書評</h5>
<h4>医療崩壊は対岸の火事ではない！　今、足元が崩壊し続けている</h4>
<h4 style="text-align: right">選・評；　松井宏夫、医学ジャーナリスト</h4>
<p>
「医療崩壊」という言葉が、ごく自然に使われている。まるで「対岸の火事」、他人事のように。<br />
　だが、それは現実に私たちの足元で燃えているのである。医師不足、救急患者受け入れ拒否、医療過誤、医師の過労死、病院破綻、地域医療崩壊&hellip;&hellip;。そんななか、前向きでやる気のある「病院と医療者グループ」「自治体」「島民」が三位一体となって地域医療を守り抜いている現実を知らされた。<br />
　忘れかけていた日本の医療の原点を教えてくれているのが「宮城県網地島離島病院奮戦記」。宮城県石巻市網地島の網小医院の安田敏明院長が開院から9年間の島での医療活動を伝える。<br />
　人口約500人の島に栃木県にある病院の理事長が感謝を込めて「なにかできることがあれば」と申し出る。それが、医療機器のCTも揃った網小医院誕生のきっかけに。19床の離島の診療所だが、手術となれば、栃木の本院から医師が駆けつける。それでも、臨時船や救急ヘリでの患者搬送になることもある。島で死にたいと思っても、願いかなわず子どもたちのいる都市へ移る老人たちが、故郷で、これまでの暮らしのなかで死を迎えられるようになった。だが、病院は赤字&hellip;&hellip;。<br />
　やる気がないとなにもできないのが、今の日本の医療。だから、米国に基盤を置く天才脳外科医は「神の手の提言」をする。この人ならではの提言は「名医が育つ医学生教育、卒後医師教育カリキュラムにする」。学生時代に臨床研修は終えるべきと――。<br />
　だが、米国の医療も問題だらけ。それを推理小説仕立てで読ませるのが「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」。腎臓移植を待っているあいだに命を落としたジャック・モーガン。その彼を殺した医療保険会社、非営利大病院、雇用主企業、連邦政府、専門家集団に、応分の責任があるとする。そして、後半は米国医療改革論である。<br />
　米国の現状、改革論も考慮し、日本の医療のよさ、改革すべき点を国民全員で考え、動き出さないと、本当に「医療崩壊」を止めることができなくなってしまう。
</p>
<p>
　（週刊ダイヤモンド　2009/05･09合併号p148所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="19" name="19" title="19"></a>
<h5>ファイザー㈱発行「まねきねこ」2009年第18号「情報ひろば」書評</h5>
<p>
Book　書籍紹介
</p>
<p>
　「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」
</p>
<p>
　消費者中心の医療サービスを実現するための道筋を示す!
</p>
<p>
　著者教授は「米国の医療は、殺されて死んでしまった」という。本来医師と患者が中心となるべき市場での競争原理が抑圧されて働いておらず、患者が市場の外に追いやられて疎外されてしまったからである。
</p>
<p>
　医療費の増大と非効率の原因は、政府が医療サービスの内容や診療報酬の細部までを事細かに規制することにある。この点は、日本も同様である。この医療危機を打破するには、患者がその実態を認識して賢く活動する以外に途はない。
</p>
<p>
　本書の提示する消費者中心の考え方は、医療関係者すべてが心すべき基本であろう。
</p>
<p>
●出版；一灯舎、著者名；　レジナ・E/ヘルツリンガー、　監訳；岡部陽二、　<br />
訳；竹田悦子、定価；2,310円、　発行年月；　2009年1月
</p>
<p>
（2009年4月1日、ファイザー㈱発行「まねきねこ」2009年第18号「情報ひろば」書評欄　所収）
</p>
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</p>
<br />
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<a id="18" name="18" title="18"></a>
<h5>「メディカル朝日」誌2009年4月号｛Books｝欄書評</h5>
<h4>「米国医療崩壊の構図＾ジャック・モーガンを殺したのはだれか？」<br />
<br />
消費者中心の医療システム構築に向け</h4>
<p>
　典型的な一市民が腎臓移植を待つ間に命を落とした原因を、医療保険会社、非営利大病院、雇用主企業、連邦政府、専門家集団といった「犯人」を探る形でアメリカの医療システムの現状を糾弾し、その改善策を提示する。<br />
　政府がサービスの内容や診療報酬の細部まで規制し、て非効率を極め、自由競争原理が抑圧され患者が市場から疎外されているという、日本と同様な危機的状況を正す方法を展望する。
</p>
<p>
（2009年4月1日、朝日新聞社発行「メディカル朝日」第３８巻第4号p82所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="17" name="17" title="17"></a>
<h5>「医薬経済」2009年3月15日号＜読書子＞書評</h5>
<p>
『米国医療崩壊の構図』<br />
著者レジナ・E・ヘルツリンガー<br />
発行一灯舎/発売オーム社<br />
四六判上製　408ページ/定価2310円
</p>
<p>
娘が提供を申し出た腎臓の移植手術を医療保険が認めず、待たされた末にジャック・モーガン(JM)は命を落とした。JMを殺したのは、魂を失い営利に走る保険会社、医療費を吊り上げ既得権に腐心する病院、そうした状況を受け入れる企業経営者、改革どころか擁護さえする無策の議会と政府、「米国の医療(システム)を殺した」連中である。<br />
米国医療の荒廃の象徴としての無念の死を晴らすように、ハーバード大学ビジネス校の女性教授が、元凶が犯した悪の数々を数え上げ切り捨ててみせる異例の医療政策書である。そのうえで医療消費者の自立こそ打開の道、保険のモラルハザードを克服しながら「消費者が動かす医療サービス」CDHCの市場に進もうと、流行語にもなった持論を展開した。<br />
過激に時代を先取りしすぎたためか、共和党主導の政治の下で制度の枠組みが整えられたCDHCは思ったほど受け入れらなかった。トレンドは、逆に、政府規制を組み込むオバマ・モデルヘの回帰を指すが、パーソナライズド・メディシンの文脈に照らして読めば、状況錯誤どころか豊かに膨らむ。
</p>
<p>
（2009年3月15日、㈱医薬経済社発行「医薬経済」2009年3月15日号　通巻1344号　＜読書子＞欄　p57　所収）
</p>
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</p>
<br />
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<a id="16" name="16" title="16"></a>
<h5>日経メディカル書評</h5>
<p>
『米国医療崩壊の構図一ジャック・モーガンを殺したのは誰か？』<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著、岡部陽二監訳、2,310円<br />
一灯舎、ISBN978-4-903532-45-5，四六版,378ページ
</p>
<h4>患者中心の医療の実現には</h4>
<p>
　ある米国人男性の死を通し、米国医療が抱える問題を洗い出した書。<br />
　著者は政府が診療報酬を決め、価格統制をすることの危険性を訴えている。医療にも競争原理を導入し、誰もが質の高い医療を受けられるようにすべきだとして、患者中心の&ldquo;医療サービス&rdquo;を実現するための道筋を示している。
</p>
<p>
（2009年3月10日、日経BP社発行「日経メディカル」2009年3月 号、p171　所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="15" name="15" title="15"></a>
<h5>連合総研レポートDIO 草野忠義連合総研理事長書評</h5>
<p>
＜書評＞
</p>
<h4>米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</h4>
<p>
　レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー　著、岡部陽二　監訳・竹田悦子　訳<br />
　一灯舎、定価2,200円＋税
</p>
<h4>医療保険制度と、医療サービスの実態を鋭く分析</h4>
<p>
　評者　草野忠義　連合総研理事長
</p>
<p>
ちょうど一年前に、本誌No.224（2008年2月号）の巻頭言で「医療崩壊（虎ノ門病院泌尿器科・小松秀樹部長著）」を紹介しながら、日本の医療制度にメスを入れる必要性に触れたが、今回はアメリカの医療と医療保険制度についての本を紹介したい。<br />
　その本とは「米国医療崩壊の構図（レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー、パーバード大学経営大学院教授著）」である。アメリカでは約4,600万人が医療保険に加入出来ていないそうであり、そういった意味では、日本と単純に比較できないと思っていたが、この本ではアメリカにおいて医療保険に加入していながら、十分な医療サービスが受けられない実態を鋭く分析している点で、日本の医療や医療保険制度を見直す上で大いに参考になるものと思う。<br />
　推測するに、著者も出来るだけ多くの人たちに読んで貰いたいとの思いから、「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」との副題が付けられており、ミステリー仕立てとなっている。推理小説を読むようにはいかないし、かなり内容的には重いものであるが、それでもミステリー仕立てに引きずり込まれていくような気がする。
</p>
<h4>消費者の参加不可欠</h4>
<p>
　ジャック・モーガンとは苦労の末に自分のレストランを持つことができたが、その後腎臓病を患い、移植手術しか手が残されておらず、愛する娘がその一つの腎臓を提供するとしたのに、ついには移植されることなく、命を落としてしまうという設定である。<br />
　その命を奪ったのは何か、誰か、という筋立てである。そして第二部では、「殺人者その１・医療保険会社～機能不全の文化がもたらす死」「殺人者その２・総合病院帝国を築いた手が死をもたらす」「殺人者その３・雇用主企業～ひとつだけの『選択肢』が死を招く」「殺人者その４・米国議会～選ばれた国民の代表がもたらす死」「殺人者その５・専門家集団～エリートの医療政策立案者の手による死」と続いて、「謎解き」が進んでいく。<br />
　各章のタイトルはかなりショッキングな付け方であるが、アメリカの医療と医療保険制度の実態が見事に分析されているのではないかと感じた。読み進むうちに、アメリカの痛烈な皮肉屋であるマイケル・ムーア映画監督の「シッコ（ＳＩＣＫＯ）」という映画と見比べてみるのも一興だと書こうと思っていたが、さすがに巻末の「監訳者あとがき」にもこの映画のことが言及されていた。<br />
　いずれにしても、ジャック・モーガンは医療保険に加入していたにも拘らず、なぜ腎臓移植を受けられずに死を迎えなければならなかったのか、という経過が詳細に語られている。すなわち医療保険制度はあればいいというものではなく、そのあり方が問われているのだという強烈なメッセージがひしひしと訴えられている。<br />
　そして後半は、あるべき医療と医療保険制度とその実現への道についての著者のアイディアが語られている。著者が強く主張するのは「消費者が動かす医療サービス市場」という考え方である。この考えは重要である。すなわち、専門家集団や一部の識者といわれる人達や政治家だけで作る制度には問題が多いことは事実である。消費者のニーズを的確に反映した仕組みにするためには、消費者の参加が不可欠なのは言うまでもない。<br />
　このことは日本の医療・医療保険制度のみならず、多くの制度についても全く同じことが言えるのではないだろうか。いずれしても、その解決策には全てが同意できるかどうかについては残念ながら私の能力の範囲を超えているし、日本にそのまま当てはまるかどうかについては若干の疑問も禁じ得ないが、大いに議論すべき内容があちこちにちりばめられている。
</p>
<h4>頑張る医師たち</h4>
<p>
　とりあげたい内容はたくさんあるが、その中でも私が強い印象を持った事柄を例として二、三挙げておきたい。その一つは「なんといっても、文化こそポイント」という点である。アメリカの医療保険であるマネジドケア、そして保険システムの一つであるＨＭＯ（Health　Maintenance　Organization）がその文化から逸脱してしまったことで、尊い人命までもが奪われてしまう、という指摘にはわが意を得たりとの思いを強くした。（「殺人者その１・医療保険会社」の章から）<br />
　もう一つは次のような記述である。「従来、米国議会は三つの重要な役割を担ってきた。市民の希望にしたがって、富裕層から貧しい人々へと所得を再分配すること。民間セクターでは提供できない国防のような公共サービスを提供すること。そして、制約なき市場の暴走、たとえば談合、過度の集中、嘘の広告などから消費者を守ることである。だが、医療費を抑え、質の高い医療に報いるため、議会はいまや、自ら医師の真似事をやり始めたのである」（P166「殺人者その４・米国議会」の章から引用）<br />
　一方では著者は医師の大多数は真摯に医療に取り組んでいるとしている。しかし、現行のアメリカの医療保険システムではその努力が報われることが少ないと指摘する。<br />
　その一つの例として、次のように書いている。「医師らは現行の医療保険システムの下で無力化されているため、大半の医師は患者が必要な治療を受けられるように、保険会社に出すレセプト診断名を偽ったことがあるという。医師たちは自分の行動の結果に不安を覚えているが、医師たちの圧倒的多数が『今日、質の高い医療を行うには制度の裏をかくしかない』と感じている」（P243「消費者が動かす医療サービスの仕組み」の章から引用）
</p>
<h4>急がれる日本の改革</h4>
<p>
　さて翻って日本の医療・医療保険制度はどうであろうか。三時間待ちの三分診療という表現に代表されるような現状、そして医療費の抑制のみに重点を置いた政治のやり方などなど、改善すべき課題は山積していると言わざるを得ない。その際、この本の指摘は必ずや参考になろう。
</p>
　私が尊敬する医学博士（大学教授）は、日本の医療の素晴らしさについていくつかの指摘をしてくれた。紙数の関係でその全てを紹介することは出来ないが、一つだけ取り上げたい。それは日本においては「医療従事者の志気は高い」ということである。このことがある限り、日本の医療制度を再構築することは当然可能である。この火が消えないうちに、国民が安心できる、そして医療従事者が誇りを持てる医療、医療保険制度の改革が急務である。
<p align="left">
（2009年3月1日、(財)連合総合生活研究所発行「連合総研レポートDIO」2009年3月1日号No.236　p18～19　所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="10" name="10" title="10"></a>
<h5>月刊グローバル経営書評</h5>
<h4>『米国医療崩壊の構図一ジャック・モーガンを殺したのは誰か？』<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著、岡部陽二監訳、竹田悦子訳<br />
■一灯舎(発売元:オーム社)</h4>
<p>
　『ジャック・モーガンを殺したのは誰か?』。ミステリーではないかと思わせるようなサブタイトルである。
</p>
<p>
　レストラン店主ジャック・モーガンは、誤った治療を受け続けた後やっと腎臓病と判明し、透析をしながら闘病。しかし病状はさらに悪化し、治癒するために遂に腎臓移植を決断した。幸い彼を愛する愛娘は喜んで健康な腎臓の1つを提供しようとし、医療保険の支払いにも間題は無い。腎移植手術は複雑ではあるが、術例も多く珍しいものではない。条件は整っている。本人も周囲の誰もが完治を信じたに違いない。しかしジャックは死んだ。それも移植手術を受けないままに&hellip;&hellip;。
</p>
<p>
　筆者はジャックの死を知り、米国医療の崩壊を痛感する。そして、ジャックは単に死んだのではない、&ldquo;殺された&quot;のだと糾弾し、その殺人者を解き明かす。第1の殺人者は医療保険会社、そして総合病院、雇用主企業、米国議会、専門家集団と、その理由を挙げて分析し、特定していく。
</p>
<p>
　手術を先延ばしすれば医療ミスにはならない。しかしそのことにより、手術を受けるチャンスすら得られずに死んでいく人もいる。ジャックが加入していた保険会社カイザーの契約者は、腎移植を待つ間に100人以上が命を落としている。医療保険に入っているからといって決して安心できない米国の医療実態が次々と浮き彫りにされていく。実に年2兆ドルに及ぶ巨額の医療費を取り合い、支配しようとする殺人者たちには&ldquo;医療費を払っている消費者のために&quot;という意識は無い。
</p>
<p>
　筆者は、他産業のように医療分野でも&ldquo;医療消費者&quot;が声を上げるべきであると説き、崩壊した米国の医療システムを立て直すための具体的な道筋を示す。GM経営危機の一つの要因も多額の医療コストと言われ、4700万人とされる無保険者も、この不況下でさらに増加しているであろう。医療の社会や企業・個人に与える影響の大きさを考える時、懐然とさせられる。日本の医療や保険もほころびが目立ち、決して対岸の火事ではない。
</p>
<p>
　なお本書は、『医療サービス市場の勝者』(1997年)、『消費者が動かす医療サービス市場』(2003年)の完結編である。(m)(19cm,371ペ一ジ、2200円十税、2009年1月刊)
</p>
<p align="left">
（2009年3月1日、社団法人・日本在外企業協会発行「月刊・グローバル経営」March 2009 号、p37　所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="09" name="09" title="09"></a>
<h5>トップポイント誌書評</h5>
<h4>「一読の価値ある新刊書」を紹介するTOPPOINT　＜One Point Review＞<br />
<br />
『米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か?』</h4>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー著、一灯舎、2009年1月7日発行、本体2,200円<br />
1SBN978-4-903532-45-5
</p>
<p>
米国では、医療費の増大や医療の質の低下が問題になっている。その背景にあるのは、患者と医師の間に政府や医療保険会社などが介在し、それが消費者である患者の二一ズを蔑ろにしている、ということだ。そうした米国医療の問題点を浮き彫りにし、消費者中心の医療サービスを実現するための道筋を提示する。<br />
主要目次；　1部　米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か/　2部　緩やかな死への歩み/　3部　あるべき医療～消費者が動かす医療サービス市場/　4部　消費派が動かす医療サービス～実現への道、アメ、ムチ、法律
</p>
<p align="left">
（2009年3月1日㈱パーソナルブレーン発行「トップポイント」Mar.2009　p46所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="12" name="12" title="12"></a>
<h5>「ジャパン・メディカル・ソサエティー」誌　日本医療経営学会 会長・医学博士　広瀬輝夫先生書評</h5>
<h4>Japan Medical Society(JMS)＜医学書喫茶＞<br />
<br />
米国医療崩壊の構図<br />
～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</h4>
<p>
【著者】レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー<br />
【監訳】岡部陽二<br />
【訳】　竹田悦子<br />
【発行】一灯舎<br />
【発売】オーム社<br />
【体裁】四六判、上製、371ページ<br />
【定価】2,310円（税込み）
</p>
<p>
<strong>評者<br />
　日本医療経営学会理事長、プレメディカル東京学長<br />
　元ニューヨーク医科大学臨床外科教授</strong>
</p>
<p style="text-align: right">
<strong>廣瀬輝夫</strong>
</p>
<p>
　著者はハーバード大学経営大学院教授で、医療経営学が米国で創始された1970年ごろから30年以上、その第一線で研究・教育活動に勤しんでいる。本書は腎臓移植待機患者が営利的集団保険会社の絡む治療により死亡したことを劇的に描写して、米国の政管保険や集団保険の制度が患者から医師・医療機関の選択の自由を奪い、医師に医療研究への進取の意欲を喪失させ、専門医間の患者のたらい回しを促進させ、さらに製薬会社の利潤を増長させ、医療費の高騰を招いているといった事実を指摘する。米国で医療崩壊が起こっていることを知り、そこから学ぶための時宜に適した一冊である。
</p>
<h4>営利的市場原理導入は打開策になるか？</h4>
<p>
　著者はそうした問題の打開方策として、自由市場原理による営利的経営を挙げる。営利的市場原理の導入が国民皆保険を達成させ、米国で現在４３００万人に及ぶ無保険者の救済、および生活困窮者補助保険（メディケイド）、高齢者・身障者保険（メディケア）の改善になると述べ、日本も営利的市場原理に基づく保険を政府主導の医療保険に代えて導入することを推奨している。<br />
　しかし、日本の国民皆保険は世界唯一の制度である。患者中心の医療のために民間医療における自由競争は促進すべきであるが、営利的市場原理の導入は国民皆保険の破壊につながるので避けるべきである。いわゆる医療経済学者と政府官僚による、医療施行を阻害する制度の強化・強制、さらに医療費削減のための診療報酬切り下げ、患者の自己負担増加も避けるべきである。<br />
　本書は、私が過去20年にわたって十数冊の著書で指摘し警鐘を乱打してきた、米国医療の日本への直輸入の危険性を裏付けるものである。米国で医療の質の低下と医療費高騰の元凶となった営利的市場原理を肯定する結論以外はすべて読者の参考になると信じ、一読を勧めるものである。
</p>
<p>
【目次から】<br />
第一章　医療サービスが崩壊した日<br />
第二章　殺人者その一　医療保険会社～機能不全の文化がもたらす死<br />
第三章　殺人者その二　総合病院～帝国を築いた手が死をもたらす<br />
第三章補遺　病院の診療報酬を減らし、医療の質を高める技術革新<br />
第四章　殺人者その三　雇用主企業～ひとつだけの「選択肢」が死を招く<br />
第五章　殺人者その四　米国議会～選ばれた国民の代表がもたらす死<br />
第六章　殺人者その五　専門家集団～エリートの医療政策立案者の手による死<br />
第七章　消費者が動かす医療サービスの仕組み<br />
第八章　消費者が動かす医療保険給付～諸外国や他産業からの教訓<br />
第九章　アメ～医療ビジネスの起業家精神を花咲かせよう<br />
第十章　ムチ～情報の流れをよくしよう<br />
第十一章　消費者が動かす大胆に改革された医療システム～法律と立法議員
</p>
<p>
（2009年2月25日、㈱ジャパン・メディカル・ソサエティー発行「JMS」2009年3月号、p77所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="14" name="14" title="14"></a>
<h5>㈱ビジョンヘルスケアズ「会員情報」同社社長石田章一氏書評</h5>
<h4>＜会員情報＞米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」を監訳・刊行</h4>
<p>
（財）医療経済研究・社会保健福祉協会の岡部陽二氏が、「米国医療崩壊の構図&ldquo;Who　killed　Healthcare&rdquo;～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」を監訳し、刊行されました。原著者は、レジナ・E・ヘルツリンガー・米ハーバード大経営大常院教授。<br />
　腎臓移植を待つ間に命を落とした典型的なアメリカ市民の事例をもとに．現在のアメリカの医療が「医療費の増大」「医療の非効率」「質の低下」の点で崩壊の危機にあり、その原因が、政府による医療サービスの内容や診療報酬の細部にわたる規制であると指摘。その上で、消費者（患者）中心の医療サービスを実現するだめの道筋を示しています。<br />
　原著者による「医療サービス市場の勝者Ｊ「消費者が動かす医療サービス市場」に続く三部作の完結編ともいうべき本書について岡部氏は「私の最後の仕事として翻訳出版しました。わが国の医療界への示唆に富んだ内容です。多くの人に読んでほしい」と話しています。
</p>
<p>
　竹田悦子訳、発売元：オーム社、発行所・一灯社、四六制408ページ、2,200円十税
</p>
<p>
　（2009年2月24日、㈱ビジョンヘルススケアズ発行「会員情報」p2所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="08" name="08" title="08"></a>
<h5>週刊・社会保障誌・日本福祉大学・二木立教授書評</h5>
<h4>週刊・社会保障＜この一冊＞<br />
<br />
『米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か?』<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著、岡部陽二監訳、竹田悦子訳<br />
<span style="font-weight: normal">一灯舎、本体2,200円</span></h4>
<p>
　本書は全4部11章で構成される。第1・2部はアメリカ医療の告発編、第3・4部はアメリカ医療の改革編と言える。
</p>
<p>
　告発編の構成は『オリエント急行殺人事件』ばりの推理小説仕立てである。第1章で、医療保険(HM0)に加入していたにもかかわらず腎移植手術を受けられずに死亡した仮想的患者ジャック・モーガンの悲劇が示され、第2-6章でその犯人(「殺人者」)探しが行われる。犯人は、医療保険会社、総合病院、雇用主企業、米国議全、専門家集団であり、彼らは共犯関係にあるとされる。
</p>
<p>
　まず、医療保険会社に関しては、「高品質で効率のよい医療を患者に提供する」ことを目指して生まれたマネジドケア運動が、最悪のビジネスに転換したことが批判される。以下、「医療の質が低く、医療費が高い」総合病院、従業員から医療保険の選択肢を奪う雇用主企業、無用な規制を導入した米国議会が批判される。日本でも最近注目されている「成果支払い」も新たな規制と批判される。五番目に批判されるのは専門家集団であるが、批判の対象は医師ではなく、医療公共政策を分析・提言するエリートの専門家集団である。
</p>
<p>
　第3・4部改革編では、まず第7章で、「消費者が動かす医療サービス市場」(著者の造語)の仕組みが紹介される。これは、消費者が革新的医師・専門病院と協働して、治療法を自己選択するシステムであり、低所得者には補助金を支給するなどして、全国民に、免責額は高いが保険料は安い医療保険の購入を義務づけ、節約した医療費は個人医療貯蓄口座に貯めておくものである。これにより、患者は「同じ価格で最高の価値を提供してくれる医療機関と契約する」ことになり、医療費を抑制しつつ、医療の質を高めることが可能になるとされる。第8-11章は、改革の各論であり、諸外国や他産業からの教訓、これを実現するためのアメとムチ、法律と政府(連邦・州)の役割が示される。
</p>
<p>
　本書は、二重の意味でユニークなアメリカ医療改革論である。一つは、市場主義の立場から、アメリカ医療を崩壊させた者を激しく告発していることである。従来、既存の医療制度への「全面攻撃」は左派のものと相場が決まっていた。もう一つは、市場主義の立場から、「消費者が動かす医療サーピス市場」の実現により国民皆保険を達成することを主張していることである。従来、市場主義者は国民皆保険制度に頑強に抵抗していた。
</p>
<p>
　ただし、著者の主張には疑問もある。一つは、昨年勃発した世界金融危機により、市場原理の限界が誰の目にも明らかになっているにもかかわらず、規制のない市場を礼賛していること。もう一つは、医療の質の向上と医療費抑制の両立は不可能であるという医療経済学の膨大な実証研究を無視して、小売業等の限られた経験に基づいて、それが可能だと主張していることである。
</p>
<p>
<strong>評者；日本福祉大学教授　二木立</strong>
</p>
<p align="left">
（2009年2月23日、㈱法研発行「週刊・社会保障　2.23」No.2519　p36所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="07" name="07" title="07"></a>
<h5>日本医療法人協会「新刊紹介」</h5>
<h4>【新刊紹介】<br />
『米国医療崩壊の構図一ジャック・モーガンを殺したのは誰か?』<br />
</h4>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー著　岡部陽二監訳　竹田悦子訳<br />
一灯舎発行/オーム社発売/定価2,200円十税
</p>
<p>
　本書は、米国の医療改革を消費者主導で進める運動の急先鋒として知られるヘルツリンガー教授(ハ一バード・ビジネス・スクール)が著した3冊目の邦訳。こく平均的なアメリカ人が腎不全から腎臓移植を待つ問にタライ回しされ、自分の娘からの腎臓提供の申し出がありながら亡くなった悲劇をテーマに生々しく、かつ具体的に&ldquo;殺人者&rdquo;一人ずつの悪行を追及し、その原因を究明した迫真の書。
</p>
<p>
　日本でも最近、脳梗塞の妊婦が出産にあたり、数多くの病院から救急搬送受け入れを断られて一命を落とすケースがあったばかりであり、ヒトゴトではない。高度に発達した資本主義社会での医療制度には、いろいろ複雑な問題が絡まっていて、もはやコントロ一ルできなくなっている。
</p>
<p>
　その結果、消費者つまり患者は、既得権益によって圧殺され、質の悪いサービスに高額の医療費を支払わされている。
</p>
<p>
　「消費者個人の目発的活動と、小さくても効率のよい病院経営とが自由公正に機能するように、政府や圧力団体の規制を極力排除すべし」との主張には、説得カがある。本書は、日本の医療改革のための一つの試案として読むこともできるだろう。
</p>
<p align="left">
（2009年2月15日、日本医療法人協会発行「日本医療法人協会ニュース」No.296　p29　所収）
</p>
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<a id="06" name="06" title="06"></a>
<h5>社会医療医療研究所「社会医療ニュース」</h5>
<h4>ご一読をお薦めします！<br />
「米国医療崩壊の構図」<br />
―ジャック・モーガンを殺したのは誰か？―</h4>
<h4>原題は「Who Killed Health Care?」</h4>
<p>
アメリカのヘルスケア・コストは対ＧＤＰ比でも、わが国より高い。<br />
サービスのマンパワーは、平均在院日数が短いから多くなるのは当然だ。本書を読んで思うことは、医療は中間搾取者が介在すると質が低下し、価格が高くなることだ。またわたしが巨大病院を視察しなくなったのも、そこに搾取を感じていたからだ。地域に根差した「地域病院」はよい。おりしも、この地域医療の提供者がわが家に来るので、ディスカッションしようと思っている。誰が、アメリカのヘルスケアを殺したと思いますか?!
</p>
<p align="right">
社会医療研究所　岡田玲一郎
</p>
<p align="left">
（2009年2月15日、社会医療研究所発行「社会医療ニュース」Vol.35　No.403　p8　所収）
</p>
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<a id="11" name="11" title="11"></a>
<h5>医療経済研究機構「Monthly　IHEP」誌　慶應義塾大学総合政策学 部　印南一路教授書評</h5>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
岡部陽二　監訳　竹田悦子　訳<br />
「米国医療崩壊の構図―ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」
</p>
<p align="right">
A５判　371頁　定価2, 200円<br />
[ISBN978-4-903532-45-5] オーム社 2009年刊
</p>
<p align="left">
[評者]　印南　一路　慶應義塾大学総合政策学部教授
</p>
<p>
　本書は、1997年に刊行された「医療サービス市場の勝者」、2003年に刊行された「消費者が動かす医療サービス市場」に続く完結編である。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」という刺激的なサブタイトルの通り、内容はカイザーHMOの会員で腎臓移植待機患者であったモーガン氏（仮想）が、腎臓移植を受けられずに死んだ原因追究を軸に展開する。そして、モーガン氏とともに米国の医療システム自体が、医療保険会社、非営利の大病院、雇用主企業、議会・連邦政府、専門家集団という5人の犯人によって、殺されてしまった（崩壊した）とする。<br />
　前著書2冊のタイトルから推察されるとおり、著者が主張するのは、徹底した消費者中心の市場主義の回復である。革新的な医療プランを生み出す企業家・医師と、情報識別眼とモラルを備えた消費者がタッグを組み、医師と消費者以外の第三者である5人の犯人から、医療システムを取り戻すことを主張する。<br />
　まずは、医療費抑制に汲々とし、必要な医療の提供と患者の満足度に関心のない保険会社と、非営利と称しながらもうけ主義で、組織の肥大化に伴い効率を失っている大病院を批判する。画一的な医療保険の提示しかしない雇用主から消費者主体の保険選択に戻し、医師に任せるべき医療の内容にまで口をはさむ議会・政府から医師と患者の自由を取り戻し、消費者の選択能力を疑う専門家集団による過剰介入を排除すべきだという。<br />
　米国の医療システムに関する関心は大きい。世界一の医療費水準（対GDP比15％）と数千万人に上る無保険者の存在が、米国医療の特異性を物語る。この2つが、かつては日本でも関心を集めていた。が、近時は日本における小泉・竹中路線の医療改革、さらに医療崩壊となぞらえ、過剰な市場主義による失敗として捉える見方が出ている。<br />
　マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」は、本書同様、民間の医療保険に加入しながら適切な保障が受けられなかった多くの中流層の人々の物語を通して、米国の医療システムを批判する。批判の相手は、医療現場で利益をあげている医療保険業界と製薬業界、さらにこれらの業界と癒着した政治家たちで、ある意味本書と共通する。しかし、ムーアがカナダやイギリスの例を引きながら、弱者を切り捨てる市場主義を排除し、国民皆保険制度の導入を訴えるのに対し、本書はむしろ市場主義の復権を訴えるのが根本的な違いである。<br />
　同じ市場主義という言葉を使いながら、ムーアは批判し、本書は推奨する。両者の違いはどこから来るのであろうか。一言で言うと、ムーアや他の同調論者がいう市場主義が、競争主義、営利主義に重点を置くのに対し、本書がいう市場主義は、草の根資本主義あるいは徹底した消費者主権主義であるところにある。ムーアらがどちらかというと、無保険者らの「弱者」に注目し、政府の介入を推奨するのに対し、本書や米国人の多くは、民間保険に加入しながら十分な医療を受けられない一般市民に焦点を当て、政府の介入を最小限にしようと主張する。この違いを念頭に置いて本書を読めば、日本における医療改革論議との結びつきも出て、より面白いかもしれない。<br />
　著者であるヘルツリンガーは、ハーバード大学経営大学院の教授で、「モダン・ヘルスケア」誌からは、「医療政策のおける最も強力な100人」の一人に選ばれている。本書で展開される議論は明快で説得力に富み、読みやすい。前著書2冊と同様、翻訳はこなれており、監訳者のあとがきも非常に示唆に富む。米国の医療に関心のある専門家はもちろん、広く医療に興味のある一般読者にも必読の書であるといえるだろう。（1486字）
</p>
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<a id="05" name="05" title="05"></a>
<h5>医療タイムズ社発行「医療タイムズ」2月号　林兼道社長書評</h5>
<h4>米国医療崩壊の構図</h4>
<p>
昨年末、「米国医療崩壊の構図&ldquo;Who Killed Health Care&quot;」というタイトルのまことに挑発的な本を監訳し刊行した。副題は「ジャック・モーガンを殺したのは誰か?」とあり、殺人ものミステリーのスタイルで、謎を解いていくような物語だ。原著者は米ハーバード大学経営大学院レジナ・ヘルツリンガー教授。アメリカの医療は「医療費の増大」「医療の非効率」「質の低下」でまさに崩壊の危機に瀕しているとし、その原因を明らかにして消費者(患者)中心の医療サービスを実現するための道筋を示した。実は原著者の3部作で、前々著「医療サービス市場の勝者」、前著「消費者が動かす医療サービス市場」に続く完結編ともいうべき内容。「私の最後の仕事として翻訳出版しました」とほっとした表情をみせながら、「わが国の医療界への示唆に富んだ内容です。多くの人に読んでほしい」と願う。
</p>
<p>
　岡部氏は旧住友銀行(現三井住友銀行)出身で、4分の1世紀にわたり国際金融業務に携わり、専務取締役まで務めた国際派のバンカー。退職後は証券会社の会長を経て1998(平成10)年4月、63歳の時、ひよんな出会いから広島国際大学福祉医療学部医療経営学科教授に迎えられた。この大学は当時の広島大学の原田康夫学長らの肝いりにより、高齢社会に向けて医療福祉分野で国際的視野をもった指導的職業人育成を目的に設立されたユニークな大学。羽田一広島間を7年間通い、国際経営論を講じた。それからさらにOl年になってまたまた請われて厚生労働省のシンクタンク「医療経済研究機構」の専務理事として迎えられた。今年で8年目になる。「それにしても、人と人との出会いは不思議、かつまことに貴重なものです。最近つくづくその大切さを噛み締めております」。岡部氏の温厚な人柄と国際的視野と見識、学究的な誠実さは人を惹きつけて離さない。74歳になるが、まだ若々しい。金融、証券業界からも頼りにされている。昨今の国際金融危機について、「実体経済への波及は大きいが、100年に一度の金融危機といわれているものの意外に早く収拾するだろう。少し騒ぎすぎではないか」と冷静な見方をしている。
</p>
<p>
　現職の医療経済研究機構は、厚労省の中の主として医政局、保険局、老健局にかかわるシンクタンク。所長は一橋大学名誉教授の宮澤健一氏。研究面では医療・介護、社会福祉分野の経済への波及効果、特に雇用誘発効果について、「社会保障分野の雇用創出効果は、他の公共事業より大きな優位性を持っている」との論文は注目された。政府の不況対策予算の裏付けとして活用され、存在感を増した。岡部氏は研究費や研究員の確保に尽力する。機構は今年で15年目、職員は30人。独立した研究機関で、特別に優遇されているわけでもない。研究費も公募の入札で競争しながら受託しているという。この4月からは研究部長として慶應大学総合政策学部(湘南藤沢)政策・メディア研究科の印南一路(いんなみいちろ)教授を迎える。印南教授は東大法学部卒。シカゴ大学博士課程経営学研究科(組織論)、ハーバード大学修士課程行政大学院(公共政策)修了。「経営学」(組織論)で博士号を取得する。シンクタンクとして「機構」は新年度からさらに充実することとなる。
</p>
<p>
　岡部専務理事は東京・中野区生まれながら、父親の仕事の関係で京都と兵庫の小・中学校、京都府立洛北高校を経て京都大学法学部卒。戦後旧満州で過ごした2年間を除き京都育ち。好奇心に富み、趣味も鉱物採集、囲碁、音楽と多彩。子ども3人は結婚し一時は全員が米国在住だったという。医療界シンクタンクにこういう国際派が存在することはまことに心強いことだ。
</p>
<p>
財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構専務理事<br />
元住友銀行専務取締役<br />
岡部陽二氏<br />
1934年生まれ。57年住友銀行入行。国際投融資部長などを経て84年取締役ロンドン支店長、85年回常務取締役(欧州駐在)、88年専務取締役、93年同行退職、明光証券(現SMBCフレンド証券)会長、98年広島国際大学医療福祉学部医療経営学科教授。2001年医療経済研究機構専務理事。
</p>
<p align="left">
（2009年2月12日、医療タイムズ社発行「医療タイムズ」2月号　No.1903 ｐ31所収）
</p>
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<a id="13" name="13" title="13"></a>
<h5>日本医業経営コンサルタント協会「月刊・ジャーマック」誌　国立保健医療科学院　岡本悦司先生書評</h5>
<h4>米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？レジナ・E・ヘルツリンガー著、岡部陽二監訳、竹田悦子訳、一灯社刊、２，３１０円（税込）</h4>
<p>
　チーム・バチスタもどきの刺激的なサブタイトルが示すように、米国医療の問題点とその解決策をミステリー風タッチで描いた警鐘の書である。ジャック・モーガンという患者が死んだ。彼の生命は「救えたはずの生命」だった。否、殺されたのだ。米国の医療制度に&hellip;。<br />
　犯人さがしが始まる。殺人者としてリストアップされたのは５人。筆頭はむろん保険会社。しかし糾弾はそれだけにとどまらない。病院、雇用主の企業、議会そして、あろうことか、医療政策立案に携わる専門家集団までにも矛先が向けられる。まさにアメリカの全エスタブリッシュメントに対する宣戦布告である。<br />
　こんな筆をふるえば、当然ながら、同数の敵と味方を作る。訳者、監訳者は著者の長年の味方であり、「医療サービス市場の勝者（2000年）」、「消費者が動かす医療サービス市場（2003年）」、そして本書と、3冊続けての訳出である。著者との意思疎通も密なだけに、訳文も正確かつ読みやすい。<br />
　前2作のタイトルが示すように、著者は市場原理の信奉者である。したがって「敵」は反市場原理者となる。そして最大の敵は、皮肉にも、ハーバード大医学部と密接で世界一の医学誌、ニューイングランド医学雑誌である（著者はハーバード大経営大学院の教授）。<br />
　同誌が前著「消費者が動かす医療サービス市場」の書評を掲載したが、評者が同誌元編集長でコチコチの保守派として著名なアーノルド・レルマンだったこともあって酷評された。著者は、レルマンを評者に選んだことに抗議の手紙を書くも編集部は掲載を拒否。著者は、よほど腹にすえかねたのか、「レルマンが利害関係企業のストックオプションを○株<br />
分、〇十万ドル分持っていた」云々と、報道を引用するかたちで暴露している。矛先はさらにレルマンの後任編集者にさえ向けられた。<br />
　こういったエピソードも正確にニュアンスが訳出されており、読者を飽きさせない。著者はハーバード大学経営大学院でも、歯切れのよい講義で最も人気のある教授とのことだが、たしかにその文体は学術書らしからぬ痛快さがある。<br />
　では、著者はどんな制度を主張するのか？5人の殺人者をさんざんこき下ろした後、本書の後半は著者が描く具体案の説明に費やされている。その中身は読んでのお楽しみとしたいが、確実にいえるのは日本の医療政策立案者にとっても容易には受け入れがたい内容、ということ。もっとも「敵」に回すとコワそうな人なので面と向かって酷評する人は少ないであろうが&hellip;。<br />
（国立保健医療科学院岡本悦司）<br />
この本についてのお問い合わせ：一灯社０３－５８９１－２０７１
</p>
（2009年2月1日、日本医業経営コンサルタント協会発行「月刊・ジャーマック」p32　所収）
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</p>
<br />
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<a id="04" name="04" title="04"></a>
<h5>日本対がん協会、垣添忠生先生書評</h5>
<h4>医療経済研究機構専務理事　岡部陽二様監訳<br />
「米国医療崩壊の構図」書評<br />
垣添忠生・日本対がん協会会長</h4>
<p>
　医療経済研究機構の岡部陽二専務理事の監訳で、「米国医療崩壊の構図」が一灯舎から出版された。竹田悦子氏の訳で371ぺ一ジのしっかりした書物であるー―体2200円。
</p>
<p>
　著者はハーバード大学経営大学院レジナ・E・ヘルツリンガー教授で、長年にわたり米国医療・医療経営論、経営工学論などの研究を続けてきた人である。
</p>
<p>
　ヘルツリンガー教授は、米国医療費の総額が2兆ドル、つまり、中国一国の経済規模に等しい莫大な投資を行っているにも関わらず、一般の人たちが受ける医療は崩壊している、と指摘する。医療保険はあまりに高く、しかも保険会社が定める保険適用範囲は厳しく、病人の中には保険に加入しているのに必要なサービスを受けられない人がいる。一方、4,600万人もの無保険者がいる社会は、どう見ても正常とは思えない。さらに高齢者と貧困層のための保険、メディケア、メディケードが赤字で、その医療費の一部は借入金を財源としている。つまり、子孫に苦い遺産を残しつつあるといえよう。
</p>
<p>
　わが国でも医療崩壊が叫ばれているが、米国の場合の医療崩壊はわが国とは質を異にする。著者は「消費者中心の医療サービスを実現するための道筋」を示すために本書を執筆した、とある。すなわち、本来、医療は医師と患者が中心となるべき市場の競争原理が正常に働かず、患者も医師も市場の外に追いやられ、疎外されていることが米国医療崩壊の原因だとしている。この医療危機を打開するには、患者が事実を正しく理解して賢く行動する以外にないと指摘する。
</p>
<p>
　その通りだろうが、その実現にはきの遠くなるような努力が必要と思われるし、多大な政治力も求められよう。その工程表は残念ながら示されていない。しかしながら本書には、わが国の医療制度を考える上で、参考となるいくつもの重要な指摘があり、医師を中心とする医療従事者、患者はもちろん、医療関連企業の経営者にも大いに参考となろう。
</p>
<p align="left">
（2009年2月1日、財団法人・日本対がん協会発行「対がん協会報」第542号　p3　所収）
</p>
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</p>
<br />
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<a id="03" name="03" title="03"></a>
<h5>「医療タイムズ」1月号　林兼道社長書評</h5>
<h4>「医療タイムズ」1月号　No.1902 ｐ42</h4>
<p>
日本だけではない。米国の医療も崩壊している。米国のそれは無保険者の問題ではなく、医療保険に加入しながら、十分なサービスが受けられない悲惨な現状にあることをまず明らかにする。「私たちはあまりにも不十分な医療サービスにお金を払い過ぎている。本書は機能不全に陥っている巨大HMO（民間医療保険組織）やメネジドケアに挑戦し、真に『消費者が動かす医療サービス市場』に変革すべき」との立場から、医療費増大と医療の非効率、質の低下の原因を明らかにし、消費者中心の医療サービス実現のための道筋を示した医療政策論。著者のレジナ・E・ヘルツリンガー教授は米ハーバード大経営大学院MBAコース教授。1997年に「医療サービス市場の勝者」、2003年に「消費者が動かす医療サービス市場」の2書を出版しており、これを踏まえて3部作として集大成したのが本書。邦訳は現医療経済研究機構専務理事で元住友銀行専務、広島国際大学医療福祉学部教授が監訳した。そもそも本書の狙いは、政府が医療サービスの内容や診療報酬の細部についてまでこと細かに規定すること自体に医療費増大と非効率の原因が潜んでいることを明らかにしたもので、わが国の医療崩壊を再生させるための示唆がある。
</p>
<p align="left">
（2009年1月12日、医療タイムズ社発行「医療タイムズ」1月号　No.1902 ｐ42 所収）
</p>
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</p>
<br />
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<a id="02" name="02" title="02"></a>
<h5>「日経ビジネス・オンライン」2009年1月9日号</h5>
<h4>＜日経ビジネス・Ｏn Ｌine 書評＞<br />
2009年1月9日　金曜日　神谷秀樹<br />
<br />
サブプライム化する米国の医療<br />
<br />
「米国医療崩壊の構図」～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</h4>
<p>
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著　岡部陽二監訳　一灯舎
</p>
<p>
　本書は米国医療システムに関して論じるヘルツリンガー教授（ハーバード経営大学院）の三冊目の翻訳書である。基本的には二部構成で、前半が現在の米国医療サービス市場の診断書、後半がその病根を治療する処方箋となっている。
</p>
<p>
　診断書の要点はジャック・モーガンという腎臓疾患患者が、民間医療保険を持ちながらも移植が間に合わず亡くなった理由を、一つのケース・スタディーとして追求し、医療保険会社、非営利大病院、雇用主企業、連邦政府とあらゆる種類の規制に関して意見する専門家集団の全てに、応分の責任があることを解明して行く。
</p>
<h4>人間の基本的人権がないがしろにされる米国</h4>
<p>
　著者は、米国の医療サービス業界には非営利団体を含めて強欲がはびこっているとし、それに対して激しい言葉で糾弾している。経営者の強欲、患者にとっては意味の無い組織拡大志向、利益追求型の経費削減、無責任な関係者のサボタージュが、ジャック・モーガンを殺してしまった。それは米国で決して例外的なものではなく、日常化していると教授は指摘している。
</p>
<p>
　加えて、無保険者は、保険会社の保護を受けることもないことから、最も搾取し易い対象となり、法外な医療費を請求され、取り立てられ、個人破産に追い込まれるという事実も紹介されている。
</p>
<p>
　米国の個人破産の実に27%が、医療費負担に耐えられなくなったことによるものだという。これは何かが狂っているのであり、米国が最先進国でありながら、基本的な人間の尊厳さえ護られていない事実が示されている。
</p>
<p>
　その処方箋として、著者は市場主義を導入すると言う視点が最重要で、これを阻害するような規制をすべて排除することだという。著者はこのプロセスを金融市場とのアナロジーで、納得のいくように説いている。
</p>
<p>
　本書はウオ－ル街が自爆した2007年以前に書かれたものであり、当時の繁栄する金融市場を教授が好意的に評価したのはいたしかたない面もある。だが、米国に居住する者として、著者が言うように、米国の医療サービス市場に、強欲が強烈に膨らんだ金融市場と同様の規制緩和路線を持ち込むことには、賛成できない。
</p>
<h4>ファンドが投資し始めた米国の医療現場</h4>
<p>
　確かに米国には「医療機関が直接患者にサービスを提供し、価格メカニズムが働く」部門に老人介護施設がある。だが、こうした施設にカーライル・グループ、ウオ－バーグ・ピンカスなどのプライベート・エクイティー・ファンドが参入した実態を見ると、手放しで市場主義の導入に賛成できない。
</p>
<p>
　これらのファンドは、株主の利益のみを追求するがために、被介護者や、介護にあたる職員を、いかにして&ldquo;搾取&rdquo;しようとしているかが分かる。彼らは利益を追求するためには、規制などお構いなしの態度を取る。もちろん不要で賞味期限切れの規制は廃止なり改変が必要だが。
</p>
<p>
　著者は市場主義を導入しても、個人が十分な情報を得られれば合理的な選択ができるようになるという。ただし、これも素直に賛成しかねる。米国では個人の自己責任に任せた結果、多くの人が危機に瀕している。<br />
<br />
　確定給付型から確定拠出型年金に移行した勤労者の多くが、今回の経済危機で年金の半分以上を失っている。サブプライムローン（信用力の低い個人向け住宅融資）問題でも、消費者が「あなたも自分の家を持てる」という夢に乗せられ身分不相応な住宅を購入し、最終的に今後4年間で800万所帯が売りに出されるという予想が出ているのが現状だ。
</p>
<h4>消費者の自己責任論が招く結果は、「納税者による丸抱え救済」</h4>
<p>
　こうした現状を見ると、著者の理想が医療サービス市場で実現するのは、「非常に困難」と判断する方が妥当だ。金融市場の失敗が語っているのは、市場主義と、消費者の自己責任論が招く結果は「納税者による丸抱え救済」に帰着する、ということである。
</p>
<p>
　著者の書いた米国の医療サービス市場改革の&ldquo;処方箋&rdquo;については疑問を感じる部分はある。しかし、医療現場の病根を指摘した&ldquo;診断書&rdquo;は的を射ている。
</p>
<p>
　医療サービスに関して、国民が満足できるものが機能している国は非常に少ない。その意味で本書は、自分たちの国が抱えている医療の問題点を探り、改良を図っていくうえで、研究者、行政の関係者、医師、保険会社、そして患者など生活者に参考になるはずだ。
</p>
<h4>＜著者プロフィール＞</h4>
<p>
神谷　秀樹（みたに・ひでき）<br />
ロバーツ・ミタニLLC創業者兼マネージング・ディレクター
</p>
<p>
1953年東京都生まれ。小学校時代をタイで過ごし、75年早稲田大学政経学部経済学科卒業後、住友銀行入行。ブラジル・ミナス・ジェライス連邦大学留学を経て、84年ゴールドマン・サックス証券に移籍。92年に日本人では初めて米国で投資銀行の「ミタニ＆カンパニー・インク」を設立、95年に「ロバーツ・ミタニLLC」に社名変更。米国在住。著書に『ニューヨーク流　たった5人の「大きな会社」』『さらば、強欲資本主義』（いずれも亜紀書房）、『強欲資本主義　ウォール街の自爆』（文春新書）がある。これまでに大阪府海外アドバイザー、フランス国立ポンゼショセ大学国際経営大学院客員教授などを兼務。
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a name="01" title="01"></a>
<h5>国際金融誌1月号　石田護氏書評</h5>
<h4>「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」<br />
　　ハーバード大学大学院教授　レジナ・ヘルツリンガー著<br />
　　医療経済研究機構専務理事　岡部陽二監訳</h4>
<p align="left">
　&ldquo;Who Killed Health Care&rdquo;、タイトルからして、まことに挑発的な本書は、実際にも殺人ものミステリーのスタイルで書かれている。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」という謎を解いていく物語である。ジャックは腎臓移植を待っている間に命を落としてしまった犠牲者である。「オリエント急行殺人事件」と同様に、この殺には多数の殺人者が絡んでいて、その謎を解くのは難事である。<br />
　彼ら殺人者は五人で、医療保険会社、非営利の大病院、雇用主企業、連邦政府、それに専門家集団まで加わっている。被害者のジャック・モーガンは、カリフォルニア州を本拠とするカイザー・パーマネンテの医療保険に加入し、腎臓移植を待っていた善良な市民である。<br />
　事件はカイザー保険に加入していた腎移植候補患者一一二名が、二〇〇五年中に死亡したことが明らかとなったもので、ジャック・モーガンはこの惨事の経験から合成して創りだされた典型的な医療被害者である。後日わかったことではあるが、カイザーの腎臓移植の待機リストに載っていた一一二名のうち、二五名には移植されるべき臓器が用意されていた。ところが、実際には移植手術は一件も行われなかった。誰かが彼らを殺そうと意図したわけではなかったが、彼らが殺されたことに変わりはない。<br />
　そこで、カイザーのどこに欠陥があったのか、このミステリーの犯人探しが始まる。カイザーは高度な先進医療を実現しようという志の高い医師たちによって創設され、この臓器移植計画自体は悪いものではなかった。それにもかかわらず、この医療システムが間違った方向へ進んだのは、マネジドケア保険が商業化し、保険会社が医師に対して医療費の節約を強要するといった、当初の意図とは反対のことが行われた故である。<br />
　著者のレジナ・ヘルツリンガー教授は「米国の医療は、殺されて死んでしまった」と判断している。それは、自由な市場での競争原理が抑圧されて働かなくなり、本来市場の中心に位置すべきである医療消費者（患者）が、外へ追いやられて完全に疎外されてしまったからである。そこで、消費者が無理なく支払える価格で、高い質の医療サービスを提供するにはどうすればよいか。著者は、さきに挙げた五人の殺人者を排除して、消費者と医師との直接交渉を重視することが出発点になると考えている。<br />
　翻って、国民皆保険を誇っているわが国においても、画一的な医療費抑制政策への批判に加えて、後期高齢者医療制度への批判など、医療・介護問題への国民の関心は一段と高まりを見せている。この財源を医療保険で賄うためには、税金を上げるか、保険料を上げるか、自己負担を増やすかしかないが、それは消費者の選択の問題であるとの認識が欠如している。消費者の期待を満たす方向で改革を進めるに当たって、本書が提示してくれている消費者中心の考え方は、医療関係者はもとより医療サービスを利用する個々人が心しなければならない基本ではなかろうか。&nbsp;
</p>
<p align="right">
（評者　石田護　伊藤忠商事㈱理事）
</p>
<p align="left">
2008年12月26日、（財）外国為替貿易研究会発行「国際金融」2009年1月1日付け第1196号p93所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<h4>監訳者の論説・エッセー</h4>
<a id="54" name="54" title="54"></a>
<h5>「今月のキーパーソン・岡部陽二氏」月刊メディカルクオール大根健一氏インタビュー</h5>
<h4>「適度な負担が伴うことによって、医療の内容とそれに必要なコストを個人が感じるようになることで、医療サービス市場が正常化するのだと思います」<br />
<br />
医療経済研究機構専務理事。元広島国際大学教授岡部陽二氏<br />
<br />
インタビューアー　●本誌　大根健一</h4>
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「皆保険化」が大統領選挙の大きな争点となったように、アメリカ医療は瀕死の状態にある。ハーバード大学経営大学院のレジナ・Ｅ・ヘルツリンガー教授が著した『米国医療崩壊の構図』が今年一月、わが国内でも発行された。監訳に当たった岡部陽二氏は、崩壊した米国医療のシステムから、日本医療が学ぶべき点は多々あることを指摘する。
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<h4>広島国際大学で「国際経営論」指導<br />
国際金融マンが教材に選んだ米医療</h4>
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<strong>――</strong>　先生が監訳された、同じくヘルツリンガー教授の『米国医療崩壊の構図』（一灯舎刊、オーム社発売）が今年一月に発行されました。その経緯と発行のねらいは？
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<strong>岡部</strong>　実は、『米国医療崩壊の構図』を発行する前に、ヘルツリンガー先生の著書をもう一つ監訳で刊行しています。『消費者が動かす医療サービス市場』という本です。この本は、ヘルツリンガー先生が消費者主導の医療に関する全米規模のキャンペーンを展開し、その成果である講演録などがまとめられているのが原著ですが、本書ではそれらのレポートのなかから、ヘルツリンガー先生が書き下ろした「医療保険論」の部分だけを翻訳しました。ただ、一般の読者にとっては、専門的過ぎて若干退屈な内容ですし、それだけに私もあまり力が入りませんでした。<br />
　これに対して、『米国医療崩壊の構図』は非常に興味深い内容です。物語風の語り口や構成、ケーススタディの積み重ねで米国医療の実態から読者に考えさせるスタイルなど、医療を詳しく知らない人をも魅了する内容だと思います。また、ヘルツリンガー先生は以前からマネージドケアを強く否定してきましたが、本書では米国医療の崩壊を医療提供体制全般に広げて分析しており、日本の医療関係者にも大いに参考になる内容です。監訳に当たっても、これまで以上に力が入りました。前二書に続く三部作の最後を飾るにふさわしい内容ですので、多くの医療関係者に読んでいただきたいと思います。<br />
<strong>――</strong>　具体的な内容について、簡単に紹介していただけますか。
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<strong>岡部</strong>　本書『米国医療崩壊の構図』の原題は『Who Killed Health Care?』です。直訳すれば「誰が医療を殺したか？」ですが、原作の意図を汲み取って、サブタイトルに「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」と付しました。<br />
　ジャック・モーガンは腎臓病を患い、腎移植を必要とし、その手配もできており、さらに保険に加入していたにもかかわらず、死んでしまった架空の人物です。架空といっても、想像上のキャラクターというわけではありません。現実に、アメリカの巨大保険会社・カイザー・パーマネンテのHMO病院の腎移植プログラムで、2005年には112人の腎移植候補者が死亡しました。著者はこうした患者たちの共通項を融合して「ジャック・モーガン像」を創りあげました。そして、ジャック・モーガンを死に至らしめた「犯人」として、<br />
医療保険会社<br />
非営利の大病院<br />
雇用主企業<br />
議会と連邦政府<br />
専門家集団<br />
をあげています。医療保険会社は、患者の満足度には無関心であり、医療費の支払い、専門医の紹介、入院の承認など、ことごとく「ノー」というだけの存在に成り下がっています。非営利の大病院は、「非営利」を謳いながら、利益を重視し、政治献金による政府や議会への影響力と合併による寡占化を通じて巨大な帝国を築きました。規模の拡大に伴って非効率も増大し、患者にとってのリスクも大きくなっています。<br />
雇用主企業は、本来であれば従業員に配分されるべき医療保険料に税制上の恩恵を受け、給料から保険料を差し引いて支払っています。人事部は画一的な医療保険の選択に走り、給付内容を狭めるだけでなく、従業員の選択の自由をも奪っているのです。議会は医師の仕事である医療の内容についてまで細かく口を挟み、市場を無視したお仕着せの医療プランによって、患者の自由を抑圧しています。そして、専門家集団は、医療費高騰の責任は、不必要な医療を患者に押し付ける儲け主義の医師にあるとする一方で、消費者の能力をまったく評価せず、賢い選択はできないと決めつけています。<br />
このようにそれぞれの殺人者がいかにしてジャック・モーガンの死に関与したのかを分析・解説しているのが本書の前半部分です。その分析・解説は、患者を死に至らしめたという事実の原因を多角的に徹底解明することにより、望むべき医療システムに障害として立ちはだかっている要因を明快に示しています。<br />
望むべき医療システムの実現には、「消費者が無理なく支払える価格で、質の高い医療サービスを提供するにはどうすればよいか」を議論する必要があります。ヘルツリンガー先生は「五人の殺人者」の介在を排除して、消費者と医師との直接交渉を重視することが出発点になると考えました。そして、「五人の殺人者」の存在や関与を認識したうえで、消費者を医療の中心に据え、医療サービス需要の選択と購買力の主導権を消費者側に移転する方策を具体的に示しているのが後半部分です。
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<strong>――　</strong>消費者と医療機関の直接交渉を重視し、自由競争を強めると、低所得の無保険者に影響が出るようにも思えますが。
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<strong>岡部</strong>　アメリカの医療を論じる時、「4,700万人もの無保険者が存在する制度はよくない」という指摘は頻繁になされます。実際、先だっての大統領選ではオバマ、マケイン両候補とも皆保険化の構想を掲げ、その進め方が争点にもなっていました。ヘルツリンガー先生も皆保険論者です。しかし、本書では無保険者対策が医療システム改革の最重要課題ではないと論じており、私も同感です。<br />
　4,700万人の無保険者が存在するといっても、現実にはほとんどのアメリカ国民は最低限の医療サービスは受けることができています。それは公的な施設だけではなく、民間の医療施設からも提供されています。アメリカ病院協会が公開している合衆国内の全病院の財務諸表データで、収入のグロスとネットの差額は、一昨年で、一兆ドルにも達しています。この差額を日本語に訳そうとすれば、「未収金」としか訳せないかもしれませんが、概念としては大きな差異があるように思います。取り立てようとして取り立てられないのではなく、この額の分だけ、慈善医療が提供されたと病院が誇示している想定収入額です。それを支えているのは共助の思想に基づく慈善に対する考え方であり、その実践を促す優遇税制です。皆保険化がすぐに実現できないと考えられる理由は、一兆ドルの十分一にしても、この振替財源をすぐに用意するのは不可能に近く、またその必要もないからです。
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著者の主張のポイントは、不要なのは医療保険機関の存在ではなく、保険機関の強力な介入です。アメリカの医療は、「尻尾が頭を動かす」ように、保険会社が医療内容の細部にまで首を突っ込んできます。これは日本の医療にとっても、将来的には他人事とはいえないでしょう。ですから、問題は、医療消費者ではなく、保険機関が医療機関に医療費を支払うという仕組みなのです。消費者と医療機関の直接交渉を重視するとはそのような意味です。
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<h4>規制がもたらした日本医療の弊害<br />
国民の希薄なコスト意識にも問題</h4>
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<strong>――</strong>　では、日本の医療における問題はどこにあるとお考えでしょうか。
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<strong>岡部</strong>　1942年の「ベバレッジ報告」以降、「医療福祉は国がサポートする」というスタイルが全世界に広がりましたが、政府が担うサービスは、規制でがんじがらめにされてしまいます。金融もかつては、金利や手数料などが一律とされており、今の医療界と似ている部分は多々ありました。一律のサービスのなかでは、消費者に選択の余地はなく、サービスの質を上げる推進力も生まれません。しかし、金融は規制を緩和することで、利益を上げるための質の向上や効率化の努力によって、顧客満足度を高めました。<br />
医療には公共性が求められますが、サービスの公共性という点では、電力や運輸サービスなども同じでしょう。必要最低限は公定価格の世界に残し、それ以外の部分は各企業の努力と消費者の選択に委ねる。公共性を重視しなければならないとすれば、必要最低限が維持できるように価格を認可制にするという方法もあります。その仕組みのなかで、皆保険の長所が生きる部分もあるでしょう。しかし、現状の医療はすべてが全国一律の公定価格であり、このシステムで医療を提供することの限界がみえてきたのではないでしょうか。保険が医療の内容まで規定しているという点では、日本の医療も崩壊した米国医療と変わりはありません。<br />
マクロでみた時、日本の医療はコストパフォーマンスに優れ、長寿をもたらした「悪くない」制度だといえると思います。しかし、この医療制度が同時にもたらしたものは、国民の「医療はタダ」という感覚です。この感覚が、さまざまな弊害を招いていることは確かです。総医療費を増やすには、まず自己負担を平均3割まであげるべきでしょう。現状の3割負担は、0割、1割、2割なども含めて、平均では1割9分くらいでしかありません。オーストラリアやカナダはすでに平均3割を超えており、先進国の水準としては決して高くはありません。適度な負担が伴うことによって、医療の内容とそれに必要なコストを個人が感じるようになることで、医療サービス市場が正常化するのだと思います。
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<h4>慈善医療を誘導する制度の先行整備<br />
中央集権の是正と患者の賢さが重要</h4>
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<strong>――</strong>　「米国医療の崩壊」から日本医療が学ぶべきものがあれば、教えてください。
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<strong>岡部</strong>　まずは慈善医療の仕組みですね。現状はほとんど存在していませんし、それをバックアップする制度もありません。アメリカの慈善医療の背景にはキリスト教社会があるという指摘は的を射てはいますが、それだけで日本が真似できないと断じるべきではないと思います。なぜなら、アメリカでは強欲な株式会社病院でも、慈善医療に携わっているからです。何より、日本にもかつては「赤ひげ」のような文化があったわけですから、宗教や文化の違いで慈善医療を否定するのは無意味です。ただし、現在のような状況から慈善医療を普及させるためには、寄付金の無税化など誘導する制度が先行することが重要となるでしょう。<br />
　次に規制緩和です。規制緩和の最大のメリットは、新規参入を促して、競争がサービスの質を高めることにあり、それはあらゆる業種によって証明されています。へき地医療や不採算部門の切り捨てには、別の形で対処できる仕組みを作ればよいだけです。たとえば、救急医療に関しては、すべて税金で賄うという選択肢もあり得ます。不平等を恐れるばかりで規制緩和の議論を後退させるよりも、規制緩和によってこぼれてしまう部分にどのように対処するかを議論すべきではないでしょうか。混合診療の一般化についても、「格差が生じる」の一言で悪者にされていますが、日本全体の医療が崩壊しようとしている時に「どちらが大事なのか」を考えるべきではないでしょうか。<br />
　アメリカが皆保険制度をこれまで採用してこなかったのは、利権団体によるロビー活動のせいだけではなく、社会が今の制度を選択したからです。「医療はタダ」という感覚のなかにある日本人は、そうした選択肢があることすら知りません。だからこそ、ＱＯＬを高めるための医療にはお金がかかるということを認識することが肝要です。<br />
　確かに日本国憲法では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保証されています。しかし、「最低限度の生活」に不可欠な衣食住に関して、国が完璧にフォローしてくれるわけではありません。医療にも対価が求められることを各個人が考えること、そのなかで制度が構築されていくことが重要です。アメリカの医療を真似するというのではなく、日本の文化や国民性、皆保険制度などをふまえた独自の医療制度のあり方が、もっと柔軟に議論されてよいはずです。崩壊したアメリカ医療には、そのヒントがいくつも隠されているように思います。<br />
4,700万人の無保険者ばかりがクローズアップされるアメリカの医療ですが、『米国医療崩壊の構図』に登場するジャック・モーガンは保険に加入していながら、適切な医療を受けることができず、命を奪われました。この本の最大のねらいは、政府が医療サービスの内容や診療報酬の細部についてまでこと細かに規定するシステムに、医療費の増大や非効率の原因が潜んでいることを明らかにすることにあります。そして、それはまさに日本の医療制度に酷似する部分ともいえます。<br />
皆保険制度でありながら、総医療費のＧＤＰ比や国民一人当たりの医療費はアメリカの二分の一程度でしかないわが国は、その結果として、医療資源への十分な資金配分がなされていません。それが「医療崩壊」と呼ばれる現状を引き起こしているように感じられます。また、皆保険制度のもとでは、医療費の抑制が不可避となり、高齢化や技術革新に伴う医療費膨張の流れにおいて、診療制限や待ち時間の長期化など、質の低下をもたらすことは、イギリスやカナダでも証明されています。それでも、今後もますます高まるであろう医療消費者のより質の高い医療への期待に応えるためには、消費者中心の考え方で医療制度を考えることが重要だと思います。<br />
アメリカでも州単位で「皆保険化」の動きがはじまっています。本書のなかでヘルツリンガー先生は、メリーランド州とマセチューセッツ州を取り上げていますが、前者を「間違いだらけのシステム」、後者を「概ね適切なシステム」と評しています。両者の大きな違いは、マサチューセッツ州は企業ではなく、主として個人に医療保険加入を義務づけたという点にあります。医療サービス市場を消費者が動かす方向に向っていることを評価したのです。皆保険においては日本のほうが先発ではありますが、こうした制度を謙虚に参照することも必要ではないでしょうか。
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<strong>――</strong>　最後に今後の日本医療、アメリカ医療の展望についてお聞かせください。
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<strong>岡部</strong>　アメリカのほうがまだダイナミックに変化する可能性があると思います。現状の日本の医療はすでに八方塞にみえるのです。その最大の要因は、中央集権的な構造です。医療や介護は地域差が大きく影響するにもかかわらず、制度も価格も全国一律に決定されています。地域医療計画も中央から作らされているのでは、高い効果は望めないでしょう。アメリカでは、州単位で医療制度を変化させています。地方が主体的に動くからこそ、有効な医療システムが構築できるのではないかと思います。日本でも、東京をすべて特区にしてしまうくらいの大胆な変革が必要です。国全体での実験には膨大なコストを必要としますが、特区において有効性が証明されたものを全国各地が主体的に参考にするならば、コスト的にも効果的にも効率性は高いはずです。<br />
　一方で、患者が賢くなることも不可欠です。日本ではこれまで医療が選挙の争点にもならなかったことが、この国の絶望的な状況を表しているようにも思いますが、時間をかけて国民の賢さを求め続けることは必要でしょう。これは、『米国医療崩壊の構図』のなかで、ヘルツリンガー先生がもっとも強調していることです。<br />
　この本には、ほかにも日本の医療が今後の展望を考えるうえで有益な材料が多岐にわたって示されています。多くの医療関係者に読んでいただき、それが未来の日本医療に貢献できることを監訳者として願っています。
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<strong>&nbsp;</strong><strong>岡部陽二（おかべようじ）氏</strong><br />
　昭和9年　東京都生まれ<br />
　昭和32年　京都大学法学部卒業<br />
　同年　住友銀行入行<br />
　　ロンドン・住友ファイナンス・インターナショナル社などを経て、<br />
　　同行国際投資金融部長、取締役ロンドン支店長、常務取締役、専務取締役を歴任<br />
　平成5年　同行退職<br />
　同年　明光証券代表取締役会長<br />
平成10年　広島国際大学医療福祉学部医療経営学科教授（平成17年3月定年退職）<br />
平成13年　医療経済研究機構　専務理事、現在に至る
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(2009年4月1日、メディカル・クオール㈱発行「メディカル・クオール」2009年4月号No.173　p33~38所収)
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<h5>「季刊・社外取締役」誌　書籍紹介「私はこんな本を書きました」</h5>
<h4>「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」</h4>
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レジナ・E. ヘルツリンガー著　岡部陽二監訳・竹田悦子訳、一灯舎発行、発売元オーム 四六版４０８ページ、４０８ページ、定価２，２００円+税
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高度に発達した資本主義社会での医療制度には、いろいろ複雑な問題が絡まっていて、もはやコントロールできなくなっている。その結果、消費者つまり患者は、既得権益によって圧殺され、質の悪いサービスに高額の医療費を支払わされている。<br />
本書はハーバード・ビジネス・スクールで女性としては初の終身専任教授となった医療経営論、経営工学、会計学など担当のヘルツリンガー教授が著した『医療サービス市場の勝者』、『消費者が動かす医療サービス市場』に続く３冊目の邦訳である。本著『米国医療崩壊の構図』は、米国の医療改革を消費者主導で進める運動の急先鋒としてのヘルツリンガー教授の存在感を鮮明にしたじつに読みやすい快著となっている。<br />
ジャック・モーガンというごく平均的なアメリカ人が腎不全から腎臓移植を待つ間にタライ回しされ、自分の娘からの腎臓提供の申し出でがありながら亡くなった悲劇について生々しく、かつ具体的に殺人者１人ずつの悪行を追及し、原因を究明した迫真の書でもある。わが国でも最近、脳梗塞の妊婦が出産に当たり、多くの病院から救急受け入れを断られて一命を落すケースがあったばかりであり、ヒトゴトではない。<br />
米国では、この非効率の元凶は、連邦議会、医療保険会社、非営利の大総合病院、医療の専門家集団などの横暴と強欲である。米国の医療費は、一人当たり年間百万円近くに膨れ上がっており、この額はわが国の3.4倍である。このように巨額の医療費が使われているにもかかわらず、米国の医療問題となると、総人口三億人のなかで4,700万人にも達する「無保険者」の存在が指摘され、米国のような先進国では考えられない政治の無施策であると批判されている。オバマ大統領皆保険の実現を目指すと謳っているものの、財源的に実現は前途多難であろう。<br />
著者のヘルツリンガー教授も、国民皆保険論者である。しかしながら、著者は、必ずしも、無保険者対策が医療システム改革の最重要課題であるとは見ていない。現に、本書の主人公であるジャック・モーガンは、カイザー・パーマネンテの医療保険に加入していながらも、死ななくても済んだのに，死んでしまったのである。<br />
2007年に日本で公開されたマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ」の原題は、sickから派生した米語のスラングで、「狂った」とか「病的な人や物事」を指し、米国の医療制度は狂っているということを一語で端的に示している。この映画の問題提起も無保険者の悲劇ではなく、手厚いはずの民間保険に入っていたにもかかわらず見捨てられた膨大な人々や、公的医療保険でカバーされているのに必要な治療が受けられない高齢者と低所得者が体験した真実のドラマであった。<br />
わが国では、政府による診療報酬、薬価の規制、患者の無知と盲目的な医師への信頼により、比較的には低コストで効率的な医療が提供されてきたが、最近では医療事故の多発、情報開示の不足、特定分野の医師不足問題などが露呈している。医療サービス産業への参入障壁が高すぎるのは問題であり、寡占的供給者の資本主義的な利益追求が、社会保障としての医療に弊害をもたらしている点は日米ともに変わりがない。<br />
本書の論調は、消費者個人の自発的活動と小さくても効率のよい病院経営とが自由公正に機能するように、政府や圧力団体の規制を極力排除すべしとの主張であり、説得力がある。本書が日本の医療改善のためのガイドラインとして読まれることを期待したい。<br />
監訳者の岡部陽二氏は住友銀行専務から広島国際大学の教授となって医療経営論を教え、現在は厚労省関連のシンクタンクである医療経済研究機構専務理事として活躍しているユニークな論客である。ベンチャー企業の育成にも関わっており、社外取締役ネット発足当初からのメンバーである。
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（正会員；　岡部陽二（おかべようじ）　医療経済研究機構専務理事）<br />
　<br />
　監訳者の岡部陽二氏は住友銀行専務から広島国際大学の教授となって医療経営論を教え、現在は厚労省のシンクタンクである医療経済研究機構専務理事として活躍しているユニークな論客である。ベンチャー企業の育成にも関わっており、社外取締役ネット発足当初からのメンバーである。
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（2009年3月1日、特定非営利活動法人・全国社外取締役ネットワーク発行「季刊・社外取締役」VOL.17－2009.3　p60　所収）
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<h5>「米国医療崩壊の構図」　証券経済倶楽部「しょうけんくらぶ」</h5>
<h4>米国医療崩壊の構図<br />
～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</h4>
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<strong>岡部陽二</strong>
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　『Who Killed Health Care』、タイトルからして、まことに挑発的な本書は、実際にも殺人ものミステリーのスタイルで書かれている。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」という謎を解いていく物語である。ジャックは腎臓移植を待っている間に命を落としてしまった犠牲者である。『オリエント急行殺人事件』と同様に、殺人者は一人ではなく、多数の殺人者が絡んでいて、その謎を解くのは難事である。<br />
　彼ら殺人者は五人で、医療保険会社、非営利の大病院、雇用主企業、連邦政府、それに専門家集団まで加わっている。被害者のジャック・モーガンは、カリフォルニア州を本拠とするカイザー・パーマネンテの医療保険に加入し、腎臓移植を待っていた善良な市民である。<br />
　事件はカイザー保険に加入していた腎移植候補患者112名が、2005年中に死亡したことが明らかとなったもので、ジャック・モーガンはこの惨事の経験から合成して創りだされた典型的な医療被害者である。後日わかったことではあるが、カイザーの腎臓移植の待機リストに載っていた112名のうち、25名には移植されるべき臓器が用意されていた。ところが、実際には移植手術は一件も行われなかった。誰かが彼らを殺そうと意図したわけではなかったが、彼らが殺されたことに変わりはない。<br />
　そこで、カイザーのどこに欠陥があったのか、このミステリーの犯人探しが始まる。カイザーは高度な先進医療を実現しようという志の高い医師たちによって創設され、この臓器移植計画自体は悪いものではなかった。それにもかかわらず、この医療システムが間違った方向へ進んだのは、マネジドケア保険が商業化し、保険会社が医師に対して医療費の節約を強要するといった、当初の意図とは反対のことが行われた故である。<br />
　著者のレジナ・ヘルツリンガー教授は「米国の医療は、殺されて死んでしまった」と判断している。それは、自由な市場での競争原理が抑圧されて働かなくなり、本来市場の中心に位置すべきである医療消費者（患者）が、外へ追いやられて完全に疎外されてしまったからである。<br />
　そこで、消費者が無理なく支払える価格で、高い質の医療サービスを提供するにはどうすればよいか。著者は、さきに挙げた五人の殺人者を排除して、消費者と医師との直接交渉を重視することが出発点になると考えている。これを軸に、消費者が動かす医療システムへ向けての新しい大胆な改革案を本書で提示している。それは、医療保険料を雇用主や政府から消費者の手に移し、低所得の無保険者には政府が直接補助をし、医師と患者の間に介在する中間の存在を排除して、消費者と医師にこのシステムを機能させる力を与えることである。<br />
　米国では、一人当たり年間百万円近くの医療費を費消しており、この額はわが国の3.4倍である。このように巨額の医療費が使われているにもかかわらず、米国の医療問題となると、総人口三億人のなかで4,700万人にも達する「無保険者」の存在が指摘され、米国のような先進国では考えられない政治の無施策であると批判されている。<br />
　しかしながら、著者は、必ずしも、無保険者対策が医療システム改革の最重要課題であるとは見ていない。現に、本書の主人公であるジャック・モーガンは、カイザー・パーマネンテの医療保険に加入していながらも、死ななくても済んだのに，死んでしまったのである。<br />
　 2007年に日本で公開されたマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画『シッコ』の原題は、sick から派生した米語のスラングで、「狂った」とか「病的な人や物事」を指し、米国の医療制度は狂っているということを一語で端的に示している。この映画の問題提起も無保険者の悲劇ではなく、手厚いはずの民間保険に入っていたにもかかわらず見捨てられた膨大な人々や、公的医療保険でカバーされているのに必要な治療が受けられない高齢者と低所得者が体験した真実のドラマである。<br />
　翻って、わが国の医療システムについて、著者ヘルツリンガー教授はどう見ているのか。日本語版に寄せられた序文の一部を次に引用してみたい。<br />
　「日本経済がめざましい革新に満ちていることは、世界的な競争市場で気を吐く電子、自動車などの産業の好調さからも見てとれる。1953年に、米国の自動車産業は圧倒的な強さを誇り、大統領顧問の一人が『ゼネラル・モーターズにとってよいことは、米国全体にとってよいことだ』と豪語したほどであった。だが2008年には、ゼネラル・モーターズは優れた日本の自動車メーカーとの競争で深手を負い、何十億ドルもの損失を出している。<br />
　ところが、日本経済の特質とも言える盛んな競争と優れた品質とサービスは、医療サービス分野においてはすっかり影を潜めてしまっている。政府による厳しい規制、既得権益に群がる者たちによる革新の抑制が、競争と革新を窒息させているのである。<br />
　本書では、こうした問題の根本原因を分析し、米国人だけではなく、日本の皆様にも医療サービス分野における競争の利点がもたらす実現可能な解決策を提示している。<br />
　日本の医療費は、公的医療保険の存続を脅かすほどの勢いで増加している。医療においても、自由市場ではなく、政府が診療報酬価格を決定するとき、どのような結果をもたらすかは火を見るより明らかである。政府による価格統制は、投資を歪め、競争を抑える。政府が価格を統制する産業に、いかなる革新的企業家が新規に参入したいと望むであろうか？」<br />
　日本の医療システムに競争をもたらすには、官僚でも政治家でもなく、一般の人々に医療サービスをコントロールさせること、医師や病院の行う医療サービスの質を確実に評価し、その成果を普及させること、そして、医師や病院や保険会社の間の競争を阻む規制を取り払うことである。<br />
　本書が提示してくれている消費者中心の考え方は、医療関係者はもとより医療サービスを利用する個々人が心しなければならない基本ではなかろうか。<br />
　本書は、1997年に刊行された『医療サービス市場の勝者』、2003年に刊行された『消費者が動かす医療サービス市場』に続く、ヘルツリンガー教授による三部作の掉尾を飾る医療政策論の輝ける金字塔である。<br />
　この三部作の訳業は、銀行を退職してから十年間にわたり広島国際大学と医療経済研究機構において医療経済の研究に関わってきた私にも一仕事終えた達成感と安堵感をもたらしてくれた。　（個人会員、元明光証券会長）
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（2009年1月22日、財団法人・日本証券経済倶楽部発行「しょうけんくらぶ」第84号ｐ10～11所収）
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<h5>「米国医療崩壊の構図~ジャック・モーガンを殺したのは誰か」　銀泉誌137号</h5>
<h4>米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</h4>
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<strong>岡部陽二</strong>
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　「Who Killed Health Care」、タイトルからして、まことに挑発的な本書は、実際にも殺人ものミステリーのスタイルで書かれている。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」という謎を解いていく物語である。ジャックは腎臓移植を待っている間に命を落としてしまった犠牲者である。「オリエント急行殺人事件」と同様に、殺人者は一人ではなく、多数の殺人者が絡んでいて、その謎を解くのは難事である。<br />
　彼ら殺人者は五人で、医療保険会社、非営利の大病院、雇用主企業、連邦政府、それに専門家集団まで加わっている。被害者のジャック・モーガンは、カリフォルニア州を本拠とするカイザー・パーマネンテの医療保険に加入し、腎臓移植を待っていた善良な市民である。<br />
　事件はカイザー保険に加入していた腎移植候補患者112名が、2005年中に死亡したことが明らかとなったもので、ジャック・モーガンはこの惨事の経験から合成して創りだされた典型的な医療被害者である。後日わかったことではあるが、カイザーの腎臓移植の待機リストに載っていた112名のうち、25名には移植されるべき臓器が用意されていた。ところが、実際には移植手術は一件も行われなかった。誰かが彼らを殺そうと意図したわけではなかったが、彼らが殺されたことに変わりはない。<br />
　そこで、カイザーのどこに欠陥があったのか、このミステリーの犯人探しが始まる。カイザーは高度な先進医療を実現しようという志の高い医師たちによって創設され、この臓器移植計画自体は悪いものではなかった。それにもかかわらず、この医療システムが間違った方向へ進んだのは、マネジドケア保険が商業化し、保険会社が医師に対して医療費の節約を強要するといった、当初の意図とは反対のことが行われた故である。<br />
著者のレジナ・ヘルツリンガー教授は「米国の医療は、殺されて死んでしまった」と判断している。それは、自由な市場での競争原理が抑圧されて働かなくなり、本来市場の中心に位置すべきである医療消費者（患者）が、外へ追いやられて完全に疎外されてしまったからである。<br />
　そこで、消費者が無理なく支払える価格で、高い質の医療サービスを提供するにはどうすればよいか。著者は、さきに挙げた五人の殺人者を排除して、消費者と医師との直接交渉を重視することが出発点になると考えている。これを軸に、消費者が動かす医療システムへ向けての新しい大胆な改革案を本書で提示している。それは、医療保険料を雇用主や政府から消費者の手に移し、低所得の無保険者には政府が直接補助をし、医師と患者の間に介在する中間の存在を排除して、消費者と医師にこのシステムを機能させる力を与えることである。<br />
　米国では、一人当たり年間百万円近くの医療費を費消しており、この額はわが国の3.4倍である。このように巨額の医療費が使われているにもかかわらず、米国の医療問題となると、総人口三億人のなかで4,700万人にも達する「無保険者」の存在が指摘され、米国のような先進国では考えられない政治の無施策であると批判されている。二〇〇七年の大統領選挙では、手法は対照的ながら、オバマ・マケイン両候補ともに皆保険の実現を目指すと謳っている。<br />
　著者のヘルツリンガー教授も、国民皆保険論者である。しかしながら、著者は、必ずしも、無保険者対策が医療システム改革の最重要課題であるとは見ていない。現に、本書の主人公であるジャック・モーガンは、カイザー・パーマネンテの医療保険に加入していながらも、死ななくても済んだのに，死んでしまったのである。<br />
　 2007年に日本で公開されたマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ」の原題は、sickから派生した米語のスラングで、「狂った」とか「病的な人や物事」を指し、米国の医療制度は狂っているということを一語で端的に示している。この映画の問題提起も無保険者の悲劇ではなく、手厚いはずの民間保険に入っていたにもかかわらず見捨てられた膨大な人々や、公的医療保険でカバーされているのに必要な治療が受けられない高齢者と低所得者が体験した真実のドラマである。問題の根源は、「米国では医療保険や医療サービスの多くが民間の営利本位の企業に任されており、保険会社と病院、それに政府や製薬会社が癒着している点にある」とムーア監督は指摘している。
</p>
<p>
　翻って、国民皆保険を誇っているわが国においても、画一的な医療費抑制政策に加えて、後期高齢者医療制度への批判など、医療・介護問題への国民の関心は一段と高まりを見せている。医療費問題の難しいところは、消費者が望む医療の質は年々高まり、それに応える医療技術も進歩しているので、医療費はＧＤＰの伸び率をはるかに上回るスピードで拡大を続けるところにある。この財源を医療保険で賄うためには、税金を上げるか、保険料を上げるか、自己負担を上げるかしかない。これも、消費者の選択の問題であるとの認識の欠如が、問題の根底にある。<br />
　消費者の期待を満たす方向で改革を進めるに当たって、本書が提示してくれている消費者中心の考え方は、医療関係者はもとより医療サービスを利用する個々人が心しなければならない基本ではなかろうか。<br />
　本書は、1997年に刊行された「医療サービス市場の勝者」、2003年に刊行された「消費者が動かす医療サービス市場」に続くいわば完結編であり、ヘルツリンガー教授による三部作の掉尾を飾る医療政策論の輝ける金字塔である。<br />
　この三部作の訳業は、銀行を退職してから十年間にわたり広島国際大学と医療経済研究機構において医療経済の研究に関わってきた私にも一仕事終えた達成感と安堵感をもたらしてくれた。
</p>
<p align="left">
（2009年1月銀泉㈱発行「銀泉」第137号p22～23所収）
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a id="50" name="50" title="50"></a>
<h5>「米国金融崩壊の構図」　日本個人投資家協会月刊紙「きらめき」</h5>
<h4>米国金融崩壊の構図～金融再建には何が必要か？</h4>
<p>
　昨年末にハーバード大学経営大学院レジナ・ヘルツリンガー教授著の「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」という大部の本を私の監訳で刊行した。<br />
　この本の原題は、&ldquo;Who Killed Health Care&rdquo;、タイトルからして、まことに挑発的で、実際にも殺人ものミステリーのスタイルで書かれている。「ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」という謎を解いていく物語である。<br />
　ジャックは、カイザー・パーマネンテという大手の民間医療保険に加入していたのもかかわらず、腎臓移植を待っている間に命を落としてしまった犠牲者である。「オリエント急行殺人事件」と同様に、殺人者は一人ではなく、多数の殺人者が絡んでいて、その謎を解くのは難事であるが、医療システムの障害となって立ちはだかっているのは、五人の殺人者である。<br />
　第一の殺人者は、「医療保険会社」である。彼らは患者の満足度には無関心で、医療費の支払についても、専門医の紹介についても、入院の承認についても、とにかくノーというだけの存在になり下がっている。<br />
　第二は、「非営利の大病院」で、非営利と称しながら儲け重視で、政治献金による政府・議会への影響力と合併による寡占化を通じて巨大な帝国を築き、規模の拡大に伴って非効率化し、患者にとってのリスクも大きな存在になっている。<br />
第三は、「雇用主企業」である。彼らは、本来であれば従業員に配分されるべき医療保険料に対して税制上の恩典を得て、給料から保険料を差し引いて支払っている。また、人事部のスタッフが画一的な医療保険の選択に走り、給付内容を狭めるだけではなく、従業員の選択の自由を奪っている。<br />
　第四の殺人者は、「議会と連邦政府」である。議会は医師の仕事である医療の内容についてまで細かく口を挟み、市場を無視したお仕着せの医療プランを作って、患者の自由を抑圧している。<br />
　最後に、五人目の殺人者は、「専門家集団」である。彼らは、医療費高騰の責任を、不必要な医療を患者に押しつける儲け主義の医師のせいにし、さらに、彼らは消費者の能力をまったく評価せず、消費者は複雑な医療情報を使いこなして、賢い選択をすることはできないと主張している。<br />
　五人の殺人者の告発は、米国の医療が今後どの方向に向かうべきかの理念とそれに必要な議論のたたき台を提供している。消費者が無理なく支払える価格で、高い質の医療サービスを提供するにはどうすればよいか。著者は、さきに挙げた五人の殺人者を排除して、消費者と医師との直接交渉を重視することが出発点になると考えている。これを軸に、消費者が動かす医療システムへ向けての新しい大胆な改革案が本書で提示されている。それは、端的に言えば、医師と患者の間に介在する中間の存在を排除して、消費者と医師にこのシステムを機能させる力を与えることである。
</p>
<p>
　本書の翻訳がほぼ完了した昨年9月に百年に一度と言われる「リーマン・ショック」に端を発する米国発の金融危機が勃発、米国の金融システムは、まさに崩壊した。この金融崩壊に加担した告発されるべき五人の殺人者は誰であろうか。「米国医療崩壊の構図」のアナロジーで考えてみた。<br />
　第一の殺人者は、文句なしに「投資銀行」である。本来、投資銀行は証券の引受とかＭ＆Ａの仲介など金融取引の仲介手数料収益を稼ぐビジネスであったが、今世紀に入ってＳＥＣに圧力を掛けて規制を緩和させ、市場からの巨額の借入で証券化商品などへの自己勘定での投資資産を膨らませた。この高レバレッジ経営の咎で、保有証券の流動性欠如と市場価格の急落に耐え切れず、リーマン・ブラザーズとベアー・スターンズは壊滅し、他の大手は業態転換や政府の支援で何とか凌いでいる。<br />
　第二は、「ヘッジ・ファンド」である。通常、私募によって機関投資家や富裕層等から私的に大規模な資金を集め、金融派生商品などを活用したさまざまな手法で投機的な運用をするタックス・ヘブンに本拠を置いて税金を免れているファンドのことである。ヘッジ・ファンドも高レバレッジで収益の極大化を図り、200兆円を超える規模に拡大して、コモディティー・ファンドなどを通じて石油価格暴騰・暴落の元凶ともなった。<br />
第三は「格付け会社」である。彼らは、投資銀行と共謀して、サブプライム・ローンなどから成るリスクの高い証券化商品にＡＡＡなどの高格付けを与えて、米国だけではなく、全世界の投資家を欺いた。その罪は大きい。<br />
　第四の殺人者は、「ＳＥＣ（証券管理委員会）」である。ＳＥＣは放漫な投資銀行経営の監督を怠り、デリバティブなど高リスク金融取引の情報開示徹底や規制を行わず、米国の資本市場に信を置いていた世界中の投資家に巨額の損失を蒙らせた。<br />
　最後に、五人目の殺人者は、やはり「ＦＲＢ（連邦準備理事会）とＯＣＣ(通貨監督庁)」であろう。金融政策の是非はともかくとして、グリーン・スパン議長がＣＤＳ（クレジット・デット・スワップ）を優れた金融イノベーションと称賛し、規制の意図をまったく持っていなかったのは、問題のごく一部である。金融監督庁が、銀行や傘下の住宅金融会社が担保掛け目を無視して行なった放漫なノン・リーコースの住宅ローンを無規制のまま放置してきた罪も大きい。<br />
　医療が本来は医師と患者の間で成立するサービス取引であるのと同様に、金融は資金を必要とする企業に余裕資金を有する個人や団体が融通するサービス取引である。その仲介者として、預金と貸金業務を手掛ける銀行と証券の引受や売捌きを行う証券会社は不可欠である。しかしながら、自己勘定で高レバレッジの巨額投資を行なって収益の極大化を図る「今日の儲けは僕のもの、明日の損は君のもの」といった自己中心主義の権化ともいえる投資銀行や最低一億円を超える資産家のみが利益を享受できるヘッジ・ファンドなどの社会的存在意義は、そもそも奈辺にあるのであろうか。<br />
　円滑な金融取引を進めるためには、金利・為替・取引条件などは自由にして、効率的な市場の価格形成機能に委ねるべきである。しかし、同時に詐欺・不正・情報の隠ぺいなど市場に害をもたらす行為は、規制当局の手で厳重に取り締まられなければならない。<br />
　今こそ、投資銀行やヘッジ・ファンドを中心とする金融権力の跳梁跋扈を許した結果、金融市場を大恐慌に追い込み、全世界規模で実体経済をも崩壊させた強欲資本主義の現実を直視して、金融取引のあるべき姿を再検討すべきときではなかろうか。<br />
　その基本は、資金提供者である個人投資家がより強く、より賢くなって、金融商品に内在するリスクを見極め、自分で理解のできない金融商品には手を出さないという万古不変の原理原則を再確認することである。自分の利益極大化だけを念頭にマネー・ゲームに狂奔している金融マンの言辞を信用することはできない。<br />
　もちろん、投資収益とリスクは裏腹であるから、リスクを懼れていては何もできないが、投資の対象は、金融取引の仕組みを100%理解できて、リスクの所在と限度が明確に認識できるケースに限定するのが鉄則であるという当たり前のことを実践するだけのことである。
</p>
<p>
　なお、「米国医療崩壊の構図～ジャック・モーガンを殺したのは誰か？」（一灯舎刊、オーム社発売、定価；税別2,200円）は、私のＨＰ　<a href="http://www.y-okabe.org">http://www.y-okabe.org</a>　からのご注文時には、価格を2,000円（税込、送料・送金手数料出版社負担）とさせて頂きます。ぜひ、ご購読ください。
</p>
<p align="left">
（2009年3月1日、社団法人・日本在外企業協会発行「月刊・グローバル経営」March 2009 号、p37　所収）
</p>
]]></description>
         <link>http://www.y-okabe.org/books/2008/12/post_5.html</link>
         <guid>http://www.y-okabe.org/books/2008/12/post_5.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">007「米国医療崩壊の構図」に関する書評・紹介</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 15 Dec 2008 12:08:50 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>米国医療崩壊の構図</title>
         <description><![CDATA[<link href="../css/addon.css" rel="stylesheet" type="text/css" />
<div id="reset" class="post4">

<div class="clearfix" id="post4a">
<img src="http://www.ittosha.co.jp/images/ISBN978-4-903532-45-5.jpg" id="post4a">
<div class="post4a">
<h4 class="post4a"><strong>米国医療崩壊の構図</strong></h4>
<h5 class="post4a"><strong>――ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</strong></h5>
<h6 style="font-size:16px;margin-top:0;margin-bottom:0;"><strong>岡部 陽二　監訳</strong></h6>
<h6 style="font-size:16px;margin-bottom:0.3em;margin-top:0;"><strong>竹田 悦子　訳</strong></h6>
<p style="font-size:80%;">
<strong>2009年1月 発行<br />
定価 2,200円<br />
ISBN 978-4-903532-45-5</strong></p>
<h6 style="font-size:16px;margin-bottom:0.3em;margin-top:0;"><strong><a href="javascript:void(window.open('http://www.ittosha.co.jp/cgi-bin/okabe_order.cgi', 'mywindow3', 'width=600, height=500, menubar=no, toolbar=no, scrollbars=yes'));">ご注文</a></strong></h6>
</div>
</div>

<p style="clear:both;">
下記をクリックしていただくと、本書の「目次、序文」、「監訳者あとがき」および「本書に対する書評」がご覧いただけます。<br />
・&nbsp;&nbsp;<a href="http://www.ittosha.co.jp/pdf/ISBN9784903532455_sample.pdf" target="_blank">目次、序文</a><br />
・&nbsp;&nbsp;<a href="http://www.ittosha.co.jp/pdf/ISBN9784903532455_sample2.pdf" target="_blank">監訳者あとがき
</a><br />
・&nbsp;&nbsp;<a href="/books/book007/">本書に対する書評</a>
</p>
<h5 class="post4b">概要</h5>
<p>著者は『米国の医療は、殺されて死んでしまった』という。医療市場において競争原理が働いておらず、患者が市場の外に追いやられ、疎外されてしまったからである。政府による統制という点では日本も例外ではない。序文で、後期高齢者医療制度の導入により、最悪の事態はこれからであると警告している。本書は、規制により窒息した医療の現状を伝えるとともに、消費者主権の医療システムを実現するための包括的なプランを提示している。本書が提示する消費者中心の考え方は医療関係者すべてが心に留めるべき基本である。</p>

<h5 class="post4b">目次</h5>
<div id="post4b">
<h5>第一部 米国医療崩壊の構図 ――ジャック・モーガンを殺したのは誰か？</h5>
<h6>第一章 医療サービスが崩壊した日</h6>
</div>
<div id="post4b">
<h5>第二部 緩やかな死への歩み</h5>
<h6>第二章 殺人者その一　医療保険会社 ――機能不全の文化がもたらす死</h6>
<h6>第三章 殺人者その二　総合病院 ――帝国を築いた手が死をもたらす</h6>
<h6>第三章 補遺　病院の診療報酬を減らし、医療の質を高める 技術革新</h6>
<h6>第四章 殺人者その三　雇用主企業 ――ひとつだけの「選択肢」が死を招く</h6>
<h6>第五章 殺人者その四　米国議会 ――選ばれた国民の代表がもたらす死</h6>
<h6>第六章 殺人者その五　専門家集団 ――エリートの医療政策立案者の手による死</h6>
</div>
<div id="post4b">
<h5>第三部 あるべき医療 ――消費者が動かす医療サービス市場</h5>
<h6>第七章 消費者が動かす医療サービスの仕組み</h6>
<h6>第八章 消費者が動かす医療保険給付 ――諸外国や他産業からの教訓</h6>
</div>
<div id="post4b">
<h5>第四部 消費者が動かす医療サービス ――実現への道 ～ アメ、ムチ、法律</h5>
<h6>第九章 アメ――医療ビジネスの起業家精神を花咲かせよう</h6>
<h6>第十章 ムチ――情報の流れをよくしよう</h6>
<h6>第十一章 消費者が動かす大胆に改革された医療システム ――法律と立法議員</h6>
</div>

<h5 class="post4b">著者紹介</h5>
<div style="float:right;text-align:center;margin-left:15px;">
<img src="/images/upload/090212WhoKilled_HealthCare_Hyoushi.jpg">
<p style="margin-top:0.5em;">
原著表紙
</p>
</div>
<h6 class="post4a"><strong>レジナ E. ヘルツリンガー（Regina E. Herzlinger）
</strong></h6>
<p>マサチューセッツ工科大学経済学部卒業<br />
ハーバード大学経営大学院にて博士号取得<br />
1965 年～ 1972 年　政府機関，コンサルタント会社勤務<br />
1972 年 ハーバード大学経営大学院助教授<br />
1980 年～現在 ハーバード大学経営大学院教授<br />
専門：医療経営論，非営利企業論，経営工学論<br />
著書： Market-driven Health Care: Who Wins, Who Loses in The Transformation of America's Largest Service Industry. Addison-Wesley Publishing Co. Inc., 1996.<br />
Consumer-Driven Health Care: Implications for Providers, Payers, and Policymakers. Jossey-Bass Publishers, 2004.<br />
Measuring the Financial Performance of Nonprofit Organizations: Solutions Manual. Boston, Mass.: Harvard Business School Publishing, 1997. 　ほか
</p>

<h5 class="post4b">監訳者紹介</h5>
<h6 class="post4a"><strong>岡部 陽二</strong></h6>
<p>京都大学法学部卒業<br />
1957 年～ 1993 年 （株）住友銀行，1988 年同行専務取締役<br />
1993 年～ 1998 年 明光証券（株）代表取締役会長<br />
1998 年～ 2005 年 広島国際大学医療福祉学部医療経営学科および同大学院教授<br />
2001 年～現在 医療経済研究機構専務理事<br />
ホームページ：<a href="http://www.y-okabe.org" target="_blank">http://www.y-okabe.org</a><br />
メールアドレス：<img style="width: 150px; height: 14px;display:inline;" src="http://www.ittosha.co.jp/images/okabe_mail.jpg" alt="監訳者メールアドレス"><br />
著書： 「岡部陽二著作集～一国際金融人の軌跡」ほか<br />
監訳書： 「医療サービス市場の勝者」（シュプリンガー・フェアラーク東京）<br />
「消費者が動かす医療サービス市場」（同）</p>

<h5 class="post4b">訳者紹介</h5>
<h6 class="post4a"><strong>竹田 悦子</strong></h6>
<p>東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業<br />
1985 年～ 1990 年　高校教諭等<br />
1990   年～現在　日本語教師，翻訳業<br />
翻訳書：「医療サービス市場の勝者」（シュプリンガー・フェアラーク東京）<br />
「人生いかに生きるべきか」（同）<br />
「消費者が動かす医療サービス市場」（同）　ほか<br />
</p>
</div>]]></description>
         <link>http://www.y-okabe.org/books/2008/12/post_4.html</link>
         <guid>http://www.y-okabe.org/books/2008/12/post_4.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">005米国医療崩壊の構図</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 12 Dec 2008 20:00:24 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>岡部陽二 著作集 ～１９９８ 一国際金融人の軌跡－</title>
         <description><![CDATA[<div style="text-align: center">
<img src="http://www.y-okabe.org/books/images/upload/book03_2.jpg" alt="book03_2.jpg" width="200" height="273" />
</div>
<p align="left">
&nbsp;&nbsp;
</p>
<p align="left">
<img src="http://www.y-okabe.org/books/images/upload/book03_1.gif" alt="book03_1.gif" width="106" height="133" align="left" />
●体裁：　Ｂ５判　229頁<br />
●編集：　㈱アンドシー<br />
●デザイン：　小原　紹一郎<br />
●製作・印刷：　帆風出版<br />
●発刊：１９９９年 ３月　31日、非売品
</p>
　&nbsp;
<p>
&nbsp;　1998年４月、６３歳にして広島国際大学福祉医療学部医療経営学科教授に就任いたしました。７０歳まで７年間の約束です。広島国際大学は、高齢化社会に向けての医療福祉分野を初めとする５学部で国際的視野をもった指導的職業人育成を目的として、広島県安芸郡黒瀬町に開設されました６０００人規模の４年制大学です。中でも私が所属しております「医療経営学科」は、医療機関の経営者育成を目的とする全国でも数少ないユニークな存在です。
</p>
<p>
　この新しい大学からお誘いを受けて、開学の理念に賛同し、「機失うべからず、時再び来らず」と教授陣のスターティング・メンバーに加えて頂いた次第です。大学では、国際経営論などの講義、演習、医療経営実習を担当しておりますが、この大学で私が２１世紀を担う若者に教えることが出来るのは、四十年にわたる金融界での経験しかありません。　英国の諺では、「学問のない経験は経験のない学問に優る」と申しますが、旧い経験はむしろ未来へ向けての変革の障害ではないかと危惧もしております。
</p>
<p>
　教育界への転身を人生の一区切りとして、これまで辿ってきた軌跡を振り返り、(株)住友銀行（現三井住友銀行）、明光証券(株)（現SMBCフレンド証券）、住銀インターナショナル・ビジネス・サービス(株)（現SMBCインターナショナル・ビジネス）在勤中に書き残しました国際金融関係の小論と趣味を中心としたエッセーに、関連の雑誌記事などを加えて、私の著作集として纏めることを思い立ちました。
</p>
<p>
　それにしても、人との出会いはまことに貴重なものです。最近つくづくとその大切さを噛みしめております。広島国際大学の教授就任は、広島大学の原田康夫学長に一度お目にかかっただけで、本決まりとなりました。この著作集のデジタル出版は、帆風（株）の犬養俊輔社長にお会いすることがなければ、実現出来ませんでした。また、こんなにカラフルで素晴らしいデザインの著作集に仕上がりましたのは、アンドシーの小原紹一郎さんをご紹介頂いたお蔭です。そのどれもが、私にとりまして実に幸運な巡りあわせと心底より感謝しております。
</p>
<p>
　この著作集に収録しました作品の殆どは、住友銀行で四分の一世紀に亙り国際金融業務に携わっていた当時の論説と、銀行退職後に往時を振返ってぼつぼつと書き足した随想です。随想の二大テーマとしました&rdquo;旅行&rdquo;と&rdquo;鉱物収集&rdquo;は、旺盛な好奇心だけが取柄の私にとって生涯を通じての掛替えのない趣味となってしまいました。本書の内容のほとんどすべてをこのホーム・ページ<a href="http://www.okabe.org/">http://www.okabe.org</a>に収録いたしました。本書の在庫も若干部は残っておりますので、ご希望があればお届けいたします。自己満足以外に何の価値もない&rdquo;自分史&rdquo;ですが、お暇な折に一、二編でもお読み頂ければ幸いです。<br />
<br />
　本書をご希望の方は、ご一報ください。謹呈申し上げます。
</p>
<p>
&nbsp;
</p>
]]></description>
         <link>http://www.y-okabe.org/books/2007/04/post_3.html</link>
         <guid>http://www.y-okabe.org/books/2007/04/post_3.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">050岡部陽二の著作集</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 17 Apr 2007 18:58:02 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>医療サービス市場の勝者</title>
         <description><![CDATA[<div style="text-align: center">
<img src="http://www.y-okabe.org/books/images/upload/book02.gif" alt="book02.gif" width="201" height="297" />
</div>
&nbsp;
<p>
　岡部　陽二の著書：「医療サービス市場の勝者」 という邦訳本の紹介をさせていただきます。
</p>
<p>
　本書は、米国では出版以来二年間にわたって 時事問題書籍のベストセラーになり、全米医療経営者育成協会から年間最優秀書籍賞を贈られるなど 大きな反響を呼んだ話題の書の邦訳版です。
</p>
<p>
　これからの日本の医療改革と企業経営を考える上で貴重な指針となりますので、ご興味のある方もしくは関係者に本書をご紹介いただければ幸いです。&nbsp;
</p>
<p>
　本書に寄せられました書評などにつきましては、「医療サービス市場の勝者に関する書評・紹介のページをご覧ください。
</p>
<p>
iryou
</p>
<p>
医療サービス市場の勝者（Market-Driven Healthcare）<br />
～米国の医療サービス変革に学ぶ～
</p>
<p>
by レジナ・E・ヘルツリンガー<br />
（ハーバード大学経営大学学院教授）
</p>
<p>
監訳　岡部 陽二（広島国際大学医療福祉学部教授）<br />
訳　　竹田 悦子
</p>
<p>
内容：<br />
　誰が医療サービス革命の勝者となり、敗者となるか？その鍵を握っているのは、政府でもなく、医療保険でもない。消費者と医療機関で成り立つ市場そのものである。製造業やサービス産業を一変させたフォーカスド・ファクトリーなどの経営手法を導入すれば、医療サービス産業も変革できると提言。
</p>
<p>
出版社： シュプリンガー・フェアラーク東京(株)<br />
ISBN 4-431-70875-8<br />
定価　￥2500円＋税
</p>
<p>
　本書の続編：<br />
「<a href="http://www.y-okabe.org/books/book01/">消費者が動かす医療サービス市場</a>」<br />
もあわせてお読みください。
</p>
<p>
ネットで注文・購入される場合は、例えば、紀伊国屋書店のウェブページ<a href="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/" target="_blank">http://bookweb.kinokuniya.co.jp/</a>に入って、 ISBN番号4431708758で検索し注文頂く方法が便利です。
</p>

<h3>「医療サービス市場の勝者」に関する書評・紹介</h3>
<h4>一般紙誌の書評</h4>
<ul>
	<li><a href="#01">「日本経済新聞」日曜版(http://www.okabe.org/yoji_book_review.html)</a></li>
	<li><a href="#02">「読売新聞」日曜版(http://www.okabe.org/yoji_book_review.html)</a></li>
	<li><a href="#03">「産経新聞」：「本」欄</a></li>
	<li><a href="#04">「中国新聞」：「くらし」欄</a></li>
	<li><a href="#05">「中国新聞」：「本あれこれ」欄</a></li>
	<li><a href="#06">「週刊ダイヤモンド」：「エコノミスト読書日記」欄</a></li>
	<li><a href="#07">「文芸春秋」：「新ァダイジェスト」欄</a></li>
	<li><a href="#08">外国為替貿易研究会：「国際金融」</a></li>
	<li><a href="#09">大阪工大摂南大学：「学園新報」</a></li>
	<li><a href="#10">日本香港協会ニュース：「飛龍」</a></li>
	<li><a href="#11">VISA「快適生活Magazine」：「Book」欄</a></li>
	<li><a href="#12">「トップポイント」：「New Books」欄</a></li>
	<li><a href="#13">「日経ビジネス」：「新刊の森」欄</a></li>
	<li><a href="#14">「連合総研レポート」：「書評　BOOK REVIEW」欄</a></li>
	<li><a href="#15">JAPAN CLIPPING TODAY, Vol.2 / No.3 （11月号）：「文化」欄</a></li>
</ul>
<h4>医療関係専門紙誌の論評</h4>
<ul>
	<li><a href="#16">日本医師会：「日医ニュース」</a></li>
	<li><a href="#17">「広島県医師会速報」</a></li>
	<li><a href="#18">「広島市医師会だより」</a></li>
	<li><a href="#19">日本薬剤師研修センター：「Pharmavision」</a></li>
	<li><a href="#20">ファイザー・ヘルスリサーチ振興財団：「ヘルスリサーチニュース」</a></li>
	<li><a href="#21">「医療タイムス」：「書籍案内」欄</a></li>
	<li><a href="#22">医療経済研究機構「Monthly IHEP」：「Health of Nations」</a></li>
	<li><a href="#23">社会医療研究所「社会医療ニュース」：「巻頭言：医療システムのマネジメント」</a></li>
	<li><a href="#24">「病院」：書評と紹介</a></li>
	<li><a href="#25">「日本薬剤師会雑誌」：「書評」欄</a></li>
	<li><a href="#26">「医薬ジャーナル」：Monthly Press欄</a></li>
	<li><a href="#27">「メディカル朝日」：BOOKS PICKUP欄</a></li>
	<li><a href="#28">医療情報誌　Ｓｃｈｎｅｌｌｅｒ（シュネラー）：「書籍紹介」欄</a></li>
</ul>
<h4>監訳者の論説・エッセー</h4>
<ul>
	<li><a href="#29">ジュンク堂書評誌「書標」：「訳書を語る：ヘルツリンガーと「医療サービス市場の勝者」</a></li>
	<li><a href="#30">大阪工大摂南大学「学園新報」：サイエンス　アンド　アーツ欄「医療システムの国際比較」</a></li>
	<li><a href="#31">日本証券経済クラブ「しょうけんくらぶ」：「医療サービス市場の勝者」</a></li>
	<li><a href="#32">「ＧＥ－ＴＯＤＡＹ」：「医療サービス市場の勝者になるにはーアメリカの病院のとりくみ手法から学ぶ」</a></li>
	<li><a href="#33">京大ＥＳＳ会誌「Comet」：「医療サービス市場の勝者」</a></li>
	<li><a href="#34">住友銀行OB会誌「銀泉」：「医療サービス市場の勝者」</a></li>
	<li><a href="#35">ＨＩＳ研究会四季報：「簡約・医療サービス市場の勝者」第一回</a></li>
	<li><a href="#36">ＨＩＳ研究会四季報：「簡約・医療サービス市場の勝者」第二回</a></li>
</ul>
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</p>
<a name="01" title="01"></a>
<h4>日本経済新聞日曜日版 2000年5月21日　書評<br />
医療サービス市場の勝者</h4>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
評者：編集委員　中村雅美
</p>
<p>
「ほとんどあらゆる商品が深夜でも電話一本で買えるこの時代に、ちょっとした病気を診てもらうのに半日も仕事を休まなければならないのはなぜか？」－冒頭にあるこの言葉が内容を的確に示している。
</p>
<p>
「医療はサービス産業」というと反発する医師が結構いる。高度の専門知識と技能を持ち、何よりも人の命を預かる&ldquo;崇高な&rdquo;使命があるからという。同様に医療に「市場」を持ち込むことに異論を唱える人も多い。人の命を金銭に換算するのか、というのだ。
</p>
<p>
もちろん、医師の使命を疑うものでないし、現在横行している行き過ぎた低コスト化の弊害も歓迎すべきことではない。しかし、医療関係者に「市場」と「サービス」の意識がもう少しあったなら、保険制度を含めた医療の姿はずいぶん良くなることだろう。
</p>
<p>
製品や知識の供給者と、それらを消費する需要者の間に、適度の緊張感と情報・意識の共有があることが「市場」の基本の一つと思う。本書はこのことを前提に、消費者が主導的な役割を果たす医療や保険制度を提言している。「消費者がコントロールする医療保険システム」やそれに続く終章「実現の条件」がそのことを示している。
</p>
<p>
基礎や手本になっているのは綿密な現状分析であり、成功した米国企業の行動である。医療を産業と見ることに違和感を覚える人も多いだろうが、著者の言う「消費者主権」の下の医療には、誰も反対しないだろう。原著は九七年刊だが、二年あまりの時間の差を感じさせないし、日本の現状にそっくりで参考になる事例も多い。
</p>
<p>
金融業界を持ち出すまでもなく、消費者不在で業界の利益を守るだけの無用な規制に保護された産業は、競争力と技能が衰退することは自明である。米国の医療のすべてが良いわけではない。しかし彼らから学ぶべき点は多いし、「サービス」と「市場」をキーワードに日本の医療にメスを入れるべき時に来ていると思う。
</p>
<p>
岡部陽二監訳、竹田悦子訳。（シュプリンガー・フェアラーク東京・二，五〇〇円）
</p>
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</p>
<a name="02" title="02"></a>
<h4>読売新聞　２０００年（平成１２年）８月６日（日曜日）</h4>
<p>
◆「医療サービス市場の勝者」<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著<br />
評者：馬場　錬成（本社論説委員）
</p>
<p>
◆日本にも通じる改革の鋭い視点◆
</p>
<p>
アメリカの一般国民の大多数は、医療費は高すぎると考えている。医師はもうけ主義で病院は無駄だらけで非効率的だと思っている。医師はいつでも命令調で、患者の都合は二の次らしい。医者なんてくそ食らえと考えている米国人が、結構いるようだ。
</p>
<p>
医師の裁量による出来高払いを抑えるために、医療保険機関が治療内容を管理するマネジドケア（管理医療）が導入されているが、どうやらこれにも欠陥があって見直しに入ろうとしている。
</p>
<p>
アメリカの医療は、日本のお手本になるものであり、インフォームド・コンセント（十分な説明と患者の同意）が行き渡っているモデル医療であると思っていたが、事実は違うようだ。もちろん、すべてアメリカの医療システムがいいという発想自体が間違っている訳だが、それにしても医療現場はどこの国も後れているものだ。
</p>
<p>
アメリカの医療現場の問題点を総点検しながら、新しい医療のあり方を提言している本だが、読むほどに日本の医療現場と、本質的に余り変わらないじゃないかという場面が出てくる。
</p>
<p>
医療改革への著者の提言は徹底している。製造業やサービス業を変革させた経営手法を導入せよとそのノウハウを伝授する。
</p>
<p>
技術を賢く使い、ドグマに振り回されるな、垂直方向に統合せずに水平方向に統合せよなど、いま世の中で進んでいる、ＩＴ（情報技術）革命の進展と決して無縁な話ではない。急進変革する産業現場の風が、医療現場にも吹いてきたということだろう。
</p>
<p>
日米の医療制度は違うが、医療改革の視点は、どの国でも同じものだ。日本でもおおいに参考になるはずだ。それにしても著者が言う、医師側は患者の主張をとり入れろ、ウソをつくな、時間を奪うな、そして患者を「ペイシェント（受難者）などと呼ぶな」というくだりなど胸がすく。
</p>
<p>
岡部陽二監訳、竹田悦子訳。<br />
（シュプリンガー・フェアラーク東京、２５００円）<br />
◇レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー＝ハーバード大学経営大学院教授、専門は医療経営論、非営利企業論など。
</p>
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</p>
<a name="03" title="03"></a>
<h4>産経新聞　２０００年（平成１２年）８月２９日（火曜日）</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者 レジナ・E・ヘルツリンガー著
</p>
<p>
米国の医療は日本に比べ，高度先進性とサービスでは先んじている。しかし，米国民は「病院，医師，医療保険は，購入している商品やサービスのなかでコストに照らして最低」との評価を下しているという。
</p>
<p>
ハーバード大学経営大学院で医療経営論などを教える筆者は冒頭，こう問う。
</p>
<p>
①トヨタのある車種の故障率は簡単に調べられるのに，居住区域で術後生存率が最高の心臓外科医を調べるのが難しいのはなぜか
</p>
<p>
②ほとんどの商品が深夜も電話一本で入手できる国で，診療のために半日も欠勤しなければならないのはなぜか
</p>
<p>
③マクドナルドは全米で無数のフライドポテトを完ぺきに作っているのに，病院では腎臓摘出や足の切断でも左右を間違えることがあるのはなぜか─。
</p>
<p>
筆者は，顧客が望む利便性，自助能力を発揮できる情報，徹底的なマニュアルのもと一定水準のサービスを低価格で提供した企業の成功例を示し，医療もこれに学べると主張している。国民皆保険制度の日本で，サのまま参考にはできないが，傾聴に値する提言を行っている。
</p>
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</p>
<a name="04" title="04"></a>
<h4>中国新聞　平成12年11月26日「くらし」欄<br />
米で注目「病院の専門施設化」<br />
提唱本監訳の岡部・広島国際大教授に聞く</h4>
<p>
診療科目を得意分野に絞り込んで，特定の患者のニーズにこたえる「病院の専門施設化」を提唱した本が，アメリカで注目を集めている。レジナ・E・ヘルツリ ンガー著「医療サービス市場の勝者」。監訳した広島国際大医療福祉学部の岡部陽二教授(国際経営論)は「日本でも参考になる点が多い」と話す。（長富健 三）
</p>
<p>
著者はハーバード大経営大学院の女性教授。自動車メーカーやハンバーガーチェーンと病院のやり方を比較し，病院はもっとフォーカスト・ファクトリー（焦点絞り込み工場）の考え方を採り入れるべきと唱えた。本は，一般向け医療問題部門のベストセラーとなっている。
</p>
<p>
米国では，健康志向の高まりを受けて，とりわけキャリアウーマンから「診療まで待たされたくない」「もっと専門的なサービスを受けたい」など，よりレベルの高い要望が出ている。しかし現実には，病院は患者のきめ細かいニーズにこたえられていない。
</p>
<p>
フォーカスト・ファクトリーの底辺にあるのは，患者の求めるレベルに応じるために，総合病院より専門施設を，いわばデパートより専門店を目指そうという考 え方。例えば，がんでもさらに特定の分野に特化したり，商店街の真ん中でプライマリーケアや定期健診を柱とする医院を開くケースなどが考えられる。
</p>
<p>
医師は，同じ症例の手術を繰り返すことによって腕が上がるし，同僚と共通の研究課題を持つことで，情報交換も容易になる。来院する患者の不安も似ているため，看護婦やカウンセラーの対応も手慣れてくる。そうしたことが複合して，患者の満足度が高くなるという。
</p>
<p>
米国の医療の多くは慈善団体や公共団体に担われ，奉仕的な発想が強く，さまざまな不合理がある。そこへ市場原理を導入する考えは日本でも学ぶ点が多い，と 岡部教授はみる。「医療はもっと，サービス面で競争していい。コンビニに客が集まる意味を考えるべきだ」と監訳に取り組んだ。
</p>
<p>
日本にそのまま当てはまる指摘もある。総合病院がめったに使わないのに購入している高価な医療機器。ある分野に特化して，使う回数を増やせば，採算が合いやすい。
</p>
<p>
例えば磁気共鳴診断装置（ＭＲＩ）は，米国三千五百台に対し，日本は三千台。ＣＴスキャンに至っては，米国の六千台を上回る一万台もある（一九九七年のデータ）。「もっと有効に活用できないのだろうか」と疑問を呈す。
</p>
<p>
岡部教授は「著者は，医師のベンチャー精神を奮い立たせようとしている。議論の材料になれば」と話している。
</p>
<p>
同書はシュプリンガー・フェアラーク東京刊，二五〇〇円。
</p>
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</p>
<a name="05" title="05"></a>
<h4>中国新聞「本あれこれ」</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」
</p>
<p>
「政府がもっと医療に力を入れるべき」「医療費の増大を迎えなければ&hellip;。」さまざまな声が聞かれる医療だが，政府に任せきりにしていいのだろうか。質のよ い医療サービスを消費者である市民が受けられるようシステムを改革していくには，「市場原理」がきちんと働かなければならない。
</p>
<p>
著者のレジナ・Ｅ・ヘルツリンガーはハーバード大経営大学院教授。「第三者支払いシステム」から，医療保険を個人が選ぶ「消費者直接支払方式」への転換など，大胆な提言をしている。アメリカでベストセラーとなった書を，広島国際大医療福祉学部の岡部陽二教授が監訳した。
</p>
<p>
シュプリンガー・フェアラーク東京・二五○○円。
</p>
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</p>
<a name="06" title="06"></a>
<h4>週刊ダイヤモンド「エコノミスト読書日記」●2000/7/15</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
評者：日本総合研究所理事長　柿本寿明
</p>
<p>
ハーバード大学教授で医療経営論が専門の著者は，医療をサービス産業 の一つとして位置づけ，１９８０年代以降の米国企業の経営戦略を実証分析することによって，医療分野に市場原理と消費者主権を導入することを提唱してい る。具体的には，１．医療機関は規模の拡大や総合化を求めるのではなく，得意分野を絞り込め，２．病院経営にはベンチャー精神に富んだ医師とイノベーショ ンが不可欠，３．消費者（利用者）は低コストで良質の医療サービスを選択できるよう賢くなれ，と主張する。
</p>
<p>
我が国でも，医療制度改革が叫ばれて久しいが，医療を神聖視する伝統 的思考や既得権益の利益衝突によって，いまだに改革の基本方向さえ示せない状態にある。この際，本書の提言に沿って，市場原理の導入をテコとした抜本的改 革を真剣に検討してはどうか。医療関係者のみならず，経営者や消費者にも一読をすすめたい好著である。
</p>
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</p>
<a name="07" title="07"></a>
<h4>文芸春秋　&ldquo;新刊ダイジェスト&rdquo;</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」 レジナ・E・ヘルツリンガー
</p>
<p>
「あらゆる商品が電話一本で買える時代に，病気を診てもらうのに仕事を半日も休まなければならないのはなぜか」。医療に市場とサービスの概念を持ち込むことで改善される点は多い。本書は，米国で成功した例を挙げ，消費者主導の医療システムを提言する。
</p>
<p>
（シュプリンガー・フェアラーク東京　２５００円）
</p>
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</p>
<a name="08" title="08"></a>
<h4>「国際金融」誌書評 (1047号　平成12年6月15日）</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
米国の医療サービス変革に学ぶ<br />
評者：阪南大学流通学部教授　櫻井公人
</p>
<p>
本書はハーバード経営大学院教授による医療システム改革論であり，同時に医療機関のため の経営論でもある。アメリカでは医療費抑制のために保険制度として「マネイジド・ケア」が導入された。患者は医療保険組合であるHMOに保険料を支払い， 治療内容はHMOの許可なしに医師だけで決定できない。過剰医療は解消したものの，今度は医療の質低下への懸念と患者の選択権の制度という問題が浮上し た。著者は，医療サービスの消費者である患者のニーズに沿うような制度と，医療機関運営とを提案する。患者は，自分のからだを自分でコントロールしている という感覚の回復が目標なのだから，そのための自助努力への適切な支援と，さらには持ち時間の短縮といった利便性とを求めている。他の分野で消費者からの 同様な要求に応えた企業は大成功を収めた。医療分野だけが特殊なはずはなく，「専門性」の壁を取り払うことが求められる。
</p>
<p>
著者の参照する他分野の事例だけとっても，経営書としての主張が鮮明である。単なるダウ ンサイジングやコングロマリット化は戒められ，焦点を定めた絞り込みが提唱される。とかく給付を拒みたがるダウンサイジング型のHMOなら，何のための医 療保険か。無定見な大型化や総合病院化は資源利用の非効率化を生み，革新的医療技術の利用を阻む。それに対して，ヘルニア治療やガン治療に特化する専門病 院では，低コスト化で一貫したサービスが可能になる（その信頼性，明確な基準のモデルはマクドナルドである）。だが，その低コスト化が競争力の乏しい他の 開業医に打撃を与え，HMOもそれを望まない。医療費の削減，人々の健康改善，そしてアメリカ経済の生産性上昇につながるような制度は，政府や保険会社と いった第三者でなく消費者による判断を基礎にしてはじめて可能なのである。
</p>
<p>
評者が検査入院中のベッドの上で書いているからだろうか，消費者の主導する「市場化」が 医療サービス市場に必要だとする著者の主張には説得力がある。P・ドラッカーは病院，学校，自治体を「非営利組織の経営」として語ったが，著者は成功した 他の営利企業に倣うことができるとした点で対照的である。「市場化」はどこまで可能と見るべきなのか。本書の戦略が妥当する局面を限られることはないの か。高齢化時代を迎え，医療と保険を巡る制度デザインは，財政ばかりか，為替相場や競争力にさえ影響しうる。本書によりつつ，医療と保険に限らず日本にお ける制度デザイン全般への手がかりともしたいところである。
</p>
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</p>
<a name="09" title="09"></a>
<h4>大阪工大摂南大学「学園新報」2000年（平成12年）6月10日（土）</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
広国大教授　岡部陽二監訳<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
竹田悦子訳
</p>
<p>
医学分野では世界のトップレベルにある米国でも，医療システムが抱え る矛盾は深刻である。制度の問題点を論じる場合でも，必ずと言ってよいほど政府の責任が取りざたされるが，本書は問題解決の鍵を握るフは消費者と医療機関 で成り立つ市場そのものにあると説く。製造業やサービス産業を一変させたフォーカスド・ファクトリー（得意な専門分野に焦点を絞り込んだ製造・供給体制） の手法などを紹介し，経営の在り方によって医療サービス産業も変革できると提言している。
</p>
<p>
原著は出版以来二年間にわたり時事問題書籍のベストセラーとなり，全 米医療経営者育成協会から最優秀書籍賞を贈られるなど大きな反響を呼んだ。邦訳版は専門書にありがちな堅苦しい筆致ではなく，ノンフィクション風で読みや すくなっている。これからのわが国の医療改革と経営を考える上で貴重な指針となり得る一冊。
</p>
<p>
四六判，四二三頁。（シュプリンガー・フェアラーク東京　二，六二五円）
</p>
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</p>
<a name="10" title="10"></a>
<h4>日本香港協会ニュース「飛龍」NO.36　2000年7月発行</h4>
<p>
医療サービス市場の勝メ<br />
-米国の医療サービス変革に学ぶ-<br />
R.E.ヘルツリンガー［著］<br />
岡部陽二［監訳］ 竹田悦子［訳］<br />
四六判上製・４５０頁 本体価格２，５００円
</p>
<p>
「サービス」と「市場」をキーワードに，日本の医療にメスを入れる１冊。
</p>
<p>
誰が医療サービス革命の勝者となり，敗者となるか？その鍵を握ってい るのは，政府でもなく，医療保険でもない。消費者と医療機関で成り立つ市場そのものである。製造業やサービス産業を一変させたフォーカスド・ファクトリー などの経営手法を導入す黷ホ，医療サービス産業も変革できると提言。米国では，出版以来二年間にわたって時事問題書籍のベストセラーとなり，全米医療経営 者育成協会から年間最優秀書籍賞を贈られるなど大きな反響を呼んだ。これからの日本の医療改革と企業経営を考える上で，貴重な指針となるバイブルの邦訳 版。
</p>
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</p>
<a name="11" title="11"></a>
<h4>VISA「快適生活Magazine」2000年9月号</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著<br />
竹田悦子 訳　岡部陽二 監訳　<br />
2,500円　シュプリンガーフェアラーク東京
</p>
<p>
アメリカでは出版以来２年間にわたって時事問題書籍のベストセラーとなり，全米医療経営者育成協会の年間優秀書籍賞も受賞した注目の１冊。「医療サービス 革命の勝者，敗者を分ける鍵を握るのは，政府でも医療保険でもない。消費者と医療機関で成り立つ市場そのものである。」と説き，アメリカの製造業やサービ ス産業を一変させたフォーカスド・ファクトリーなどの経営手法を導入すれば，医療サービス産業も変革できると提案。医療制度，保健制度の改革が俎上に上が ることの多い現代日本社会において，貴重な指針となる医療サービス業のバイブル。
</p>
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</p>
<a name="12" title="12"></a>
<h4>(株)パーソナルブレーン発行　「トップポイント」２０００年９月号</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著　（ハーバード大学経営大学院教授）<br />
発売元／シュプリンガー・フェアラーク東京<br />
発行日／2000年4月19日　　　本体価格／2,500円
</p>
<p>
相変わらずひどい医療ミスが続いている。アメリカでも同様で，患者不在の治療が行われている。本書は「マクドナルドでは毎日，世界中の店で完璧にフライ ドポテトを売ることができるのに，なぜ病院は腎臓摘出で左右を間違えるのか？」と疑問を投げかけながら，アメリカの医療機関の実態を明らかにするととも に，患者＝消費者の視点から，どのように医療サービスを改革していけばよいのかを考える。
</p>
<p>
他の産業では常に，顧客ニーズを満たす努力がなされている。そして，サービスの質を上げ，コストを下げ，患者の満足度を高めることに成功している。しかし医療機関は例外である。
</p>
<p>
患者は長時間待たされ，情報も公開されず，手術ミスの危険にさらされ，法外な治療費が要求される。そこには，「サービス」という視点が全くない。
</p>
<p>
医療関係者はこれまでから「医療は特殊だ」と公言し，他の産業との同列の議論を避けてきた。しかし，本当に医療は特殊なのか？他のサービス業や製造業から学ぶことはないのか？
</p>
<p>
著者は一般の経営戦略を医療機関にも導入し，病気に悩む患者のニーズに応える「医療フォーカスド・ファクトリー」を提唱する。そこでは勤務時間の前後に，職場や自宅近くの便利な場所にある専門医や医療機器の完備した施設において，専門化された治療がなされるのである。
</p>
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</p>
<a name="13" title="13"></a>
<h4>日経ビジネス10月16日号「新刊の森」</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」
</p>
<p>
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著<br />
シュプリンガー・フェアラーク東京<br />
2500円（税抜き）
</p>
<p>
医療制度改革も市場主導で
</p>
<p>
医療の現状を憂慮する関係者，ビジネススクールの切れ味が世の中のどこまで届くか知りたい経営者，そして米国今日の繁栄の裏に，どれほど多様な現状改革の営みがあったか知りたい一般読者のどの層にも面白く読める。
</p>
<p>
著者はハーバードビジネススクールで，女性では最初の終身専任教授となった人。医療・非営利団体論を専門とする。「市場主導の医療」という原題（この方が 内容をよく伝えていた）で1997年に出たこの本は，医療経営者協会の年度賞を受賞したのみならず経営各紙でも賞賛を受けた。
</p>
<p>
本書に対し米国では一部に「事例のみあって解決策なし」と批判があるが，豊富な事例はそれだけで興趣を誘う。門外漢にもページをめくれるゆえんだ。その伝 えるところ，医療に関して信頼できる情報が足りないことはもちろん，切除すべき腎臓の左右を間違えるていの医療護身すら実は米国でも頻発している。しかし 問題解決のカギを思い切ってハンバーガーチェーンなどの民間企業が選んだ単品絞り込み戦略に求め，お上頼りにしない。だから「市場主導」の改革である。
</p>
<p>
米国復活の裏にある実利主義の健康さを印象づける。訳。解説とも懇切。
</p>
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</p>
<a name="14" title="14"></a>
<h4>連合総研レポート No.143 「書評　ＢＯＯＫ　ＲＥＶＩＥＷ　１」</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者
</p>
<p>
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著<br />
マサチューセッツ工科大学経済学部卒業。ハーバード大学経営大学院にて博士号取得。1965年～1972年政府機関，コンサルタント会社勤務。1971年～現在ハーバード大学経営大学院教授。専攻は医療経営論，非営利企業論，経営工学論。
</p>
<p>
「ほとんどあらゆる商品が，深夜でも電話一本で買える時代に，ちょっとした病気を診てもらうのに半日も仕事を休まなければならないのはなぜか？」「マクド ナルド社は毎日全米1.1万ヶ所以上にもおよぶ店舗で無数のフライド・ポテトを完璧に作っているが，病院では腎臓摘出や足の切断でも左右を間違えることが あるのはなぜか？」－本書は冒頭でこのような質問を投げかけ，さらに「私たちはシステムとして機能していないこの医療システムを甘んじて受け入れるしかな いのであろうか」と読者に問う。
</p>
<p>
米国人は，自国の医療について高い率で非常に満足している。それは，先進的な医療技術，選択の幅，患者の主導権，便利さといった患者の願いをよりよく満た しているからである。また，医師は看護婦に対する国民の尊敬度も高い。しかし，なにより医療費が高いと考えている。医師は儲けすぎで，病院は無駄だらけだ というのだ。
</p>
<p>
米国の医療界はこれまで二つの改革を進めてきた。ひとつはマネジドケア。医療保険機関が病院の治療をチェックするシステム（ＨＭＯ）で米国の主流となって いるが，著者は「とにかくノーというダイエット」と批判してきた。患者が医療を選択する権利が制限され，政府が患者権利法を提出するまでになっている。も うひとつは統合である。これには病院間の水平統合－Ｍ＆Ａが極めて活発－と，病院とＨＭＯの垂直統合がある。これも大きければ良いというものでなくうまく いっていない。
</p>
<p>
それではどうしたらよいか。著者のヘルツリンガー女史は，ハーバード大学経営大学院の教授である。「医療分野は，他の経済分野と異質なのであろうか」と問 いかけ，医療分野も「市場」であるとする。そして，経済業界の成功例を分析し，改革のカギは患者の利便性と自助努力にあると結論づけている。具体的には得 意分野に絞り込んだフォーカスト・ファクトリー方式の導入と，保険料の従業員への移転を提案しているが，これは読んでのお楽しみとしたい。
</p>
<p>
この本を読むと，米国で医療改革がいかに進んでいるか，それにもかかわらずいかに悩み多いことかよく理解できる。そして何よりも「患者の立場からわれわれ は何をすべきか」について多くのヒントを与えてくれる。本書は全米医療経営者協会から最優秀書籍賞を贈られているベストセラーであり，ノンフィクションの ように読みやすい。
</p>
<p>
（専務理事　野口敞也）
</p>
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</p>
<a name="15" title="15"></a>
<h4>JAPAN CLIPPING TODAY, Vol.2 / No.3 （11月号）　ジャパン・クリッピング　「文化」欄</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」　
</p>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー　　　(シュプリンガー・フェアラーク東京）
</p>
<p>
日本においても「医療費適正化」という名目で，米国の医療制度をモデルとした改革が行われようとしているが，本書はその米国の医療が抱える問題点を具体的に例示するとともに，他産業のマネジメント手法を導入することで，いかに問題点の解決が可能かを説明している。
</p>
<p>
本書の冒頭に掲げられている米国の医療制度への疑問点は辛らつだ。いわく，「ほとんどの商品が，深夜でも電話１本で買えるこの時代に，ちょっとした病気を 診てもらうのに半日も仕事を休まなければならないのはなぜか？」であるとか，「あるＨＭＯでは，瀕死の女性患者に対して救命の見込みのある治療を拒絶しな がら，同じ年にそのＨＭＯのトップが退職した時に，1800万hルもの退職一時金が支払われているのは，なぜか」といった具合だ。
</p>
<p>
著者のレジナ・Ｅ・ヘルツリンガー女氏は問題点を挙げるだけはなく，その解決のために，税制改革や社会保険制度の創設といった様々な提案をした後，消費者 がコントロールする保険の創設こそが最良の選択と結論づけている。こうした，具体的な提案や検証ができるのも，ハーバード大学経営大学院で教鞭を取る傍 ら，企業の社外重役や非営利団体の役員，さらにはベンチャービジネスにも参画しているという著者の幅広いキャリアにある。
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米国医療の現状を知るためだけでなく，消費者（患者）にとって最も良い医療制度とは何かを考えさせられる一冊だ。
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＊＊この本の注文はインターネットでも可能。（http://www.springer-tokyo.co.jp/y-okabe.html）。
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送料込み3000円。
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<a name="16" title="16"></a>
<h4>日本医師会「日医ニュース」書評</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
レジナ・ヘルツリンガー著
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<p>
著者は製造業やサービス業一般の経営戦略を，米国の医療サービス業界へも導入し て，脂肪を筋肉質に変えるリサイジングと的を絞り込んだ医療フォーカスド・ファクトリーを実現すべきと提唱している。。一方，九〇年代を通じて米国での医 療改革の主流となっている出し渋りを旨とするマネジドケアの手法には極めて批判的で，マネジドケアの考え方自体を切捨てご免で，「とにかくノーというダイ エット」として否定している。ただし，本書は病院経営を論じた堅苦しい専門書ではなく，ノンフィクション風の極めて読み易い作品となっている。
</p>
<p>
最終的に誰が医療サービス市場の勝者となり，敗者となるのか。その鍵を握っている のは政府でもなく，医療保険でもない。消費者（患者）と医療機関とで成立っている市場の機能が生かせるか否かである。ところが，米国においては，この市場 が医師ではない管理テクノクラートによって著しく歪められている。今こそ，医師がベンチャー精神をもって市場改革に取組み，医療サービスを効率的で無駄の ない事業に変革すべきと著者は熱っぽく医師の奮起を促している。
</p>
<p>
著者の主張は政府の施策にも反映され始め，本書は全米医療経営者協会から最優秀書籍賞を贈られている。その結果，原著は専門書としては例を見ない七万部を超えるベストセラーとして洛陽の紙価を高め，ペーパーバックにもなって引続き販売部数を伸ばしている。
</p>
<p>
わが国でも昨今，医療制度改革の柱として米国流のこのマネジドケアを採り入れるべ きとの主張と，逆に米国流のやり方はわが国にはそぐわないとの考え方が論議され始めたところである。この是非を論ずるにあたっても，医療サービスも市場原 理をフルに活用して効率化を図れば他のサービス業と何ら異なるところはないとする本書の基本的な考え方は，貴重な指針となろう。（著者はハーバード大学経 営大学院教授，監訳者，岡部陽二広島国際大学教授，訳者，竹田悦子）
</p>
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定価 二，五〇〇円 ＋ 税<br />
発行 シュプリンガー・フェアラーク東京 ℡ ０３‐３８１２‐０７５７
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<a name="17" title="17"></a>
<h4>「広島県医師会速報」書評　2000年6月29日</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
評者：広島市医師会会長　碓井静照
</p>
<p>
誰が医療サービス革命の勝者となり，敗者となるか？-医療に携わるものにとっては，ドキリとする質問である。
</p>
<p>
レジナ・E・ヘルツリンガー氏は，著書「Market-Driven Health Care」の中で米国の医療サービスの変革について，その重要性を的確に表現。出版以来，２年間にわたって時事問題書籍のベストセラーとなり，全米医療経営者育成協会から年間最優秀書籍賞を贈られるという快挙を成し遂げている。
</p>
<p>
昨今，日本においても，医療改革の必要性が叫ばれている。2000年4月にスタートした介護保険制度，刻々と 変わりつつある医療保険制度，医療を取り巻く環境は大きく様変わりしようとしている。さらには高福祉，高負担の原則の普及-厚生省の発表によれば，98年 度に国民が支払った医療費はなんと30兆円に迫る勢いという。つまり消費者（患者）の負担費用が増加の一途を辿っているということだ。
</p>
<p>
払うものが増えるということは，そこに当然，不満が起こり，要求も大きくなる。これは，需要と供給のバランス を考えても，必然であろう。レジナ氏の言う通り，医療を行う側が患メ側に選ばれる時代に突入したのである。こうした動きを無視するのか，それともいち早く 顧客ニーズに焦点を絞り，他のあらゆる経済分野におけると同様の革新的医療機関を目指すのか，将来的に大きな差を生むに違いない。事実，米国の医療システムに，地殻変動が起こりつつあるという。
</p>
<p>
前述の通り，日本でも，医の倫理を失うことなく限られた財源の中で，より良い治療を模索することが求められつ つある。医療サービス革命は，そこまで迫ってきているのだ。誰が医療サービス革命の勝者となり，敗者となるのか。その鍵を握っているのは厚生省でもなけれ ば，医療保険でもない。消費者と医療機関で成り立つ市場そのものである。使いもしない余分な医療技術を抱えた焦点の定まらない多目的型の医療機関は，「医 療フォーカスド・ファクトリー」へと変わらなければならない。「とにかくノーという」「大きいことはよいことだ」という戦略はもう通用しない。コストダウ ンと医療の質の向上を同時に実現できる，贅肉を落とした筋肉質の医療経営システムことが必要なのである。
</p>
<p>
ことの重要性に着目し，レジナ氏の原曹L島国際大学・岡部陽二教授が監訳。「医療サービス市場の勝者」とし て，日本の医療関係者に，医療サービス革命の勝者への秘訣を伝授しようと試みられた。ページをめくり，章が変わるごとに，岡部教授の本書に取り組まれた英 知と，翻訳者の竹田悦子氏の翻訳力が伝わってくる良書である。本書は，政府に医療費のコントロールを任せてきたこれまでのやり方への反省と，今後の良質で 利便性のある医療サービスの提供の必要性を説いた貴重な指針となるであろう。
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<a name="18" title="18"></a>
<h4>「広島市医師会だより」書評</h4>
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医療サービス市場の勝者レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
岡部陽二監訳，竹田悦子訳<br />
評者：広島市医師会会長　碓井静照
</p>
<p>
「医療はサービスである。これからの医療はプロとしての経営感覚が必要である。」こう考える人にとってバイブ ルともいえる４２３ページからなる邦訳版が出版された。赤い装幀をとると，純白の表紙に，「医療サービス市場の勝者」の赤い文字が背表紙を飾っている。原 文は英文でRegina Herzlnger著，「Market-Driver Health Care」。１９９７年，米国で出版されて以来，二年間に互って時事問題書籍のベストセラーになり，全米医療経営者協会から年間最優秀書籍賞を贈られただ けあって全文を通して医療に取り組む理念，経営理念がいぶし銀のように光る。
</p>
<p>
刻々とせまる医療改革。我が国でも高福祉，高負担の原則が普及し，患者に選ばれる病院，施設でないと存続でき ないし，透明性のある診療，経営内容が求められてきている。医の倫理を失うことなく限られた財源の中でよりよい治療を模索することが求められている。医療 サービス革命はそこまでせまってきているのだ。誰が医療サービス革命の勝者となり，敗者となるのか。その鍵を握っているのは厚生省でもなく，医療保険でも ない。消費者と医療機関で成り立つ市場そのものである。使いもしない余分な医療技術を抱えた焦点の定まらない多目的型の医療機関は変身しなくては「けな い。コストダウンと医療の質の向上に役立つ医療技術を備えた筋肉質の，目的を絞った効率の良い経営システムに今すぐ替えなくてはならない。著者は主張す る。「とにかくノーと云おう」「脂肪は筋肉質に変えよう」「消費者がコントロールする医療保険システムのルールをつくろう」。
</p>
<p>
ページをめくり，章が変わるごとに監訳者の広島国際大学岡部陽二教授の本著に取り組まれた英知と，翻訳者の竹 田悦子氏のさわやかな訳が読者を魅了する良書である。本書は患者，消費者でない政府に医療費のコントロールを任せたことへの反省と良質で利便性のあるサー ビスを提供していくもっとも新しい導入書である。
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<a name="19" title="19"></a>
<h4>「Pharmavision」誌紹介　VOL.4 NO.6 JUNE 2000</h4>
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こんな本をおすすめします！ 「医療サービス市場の勝者」
</p>
<p>
消費者は医療システムに何を望んでいるか，その声に応えるにはどうしたらよいかという問いに答えた経営書。経 営のあり方によって医療システムがどれだけ変わるかを説いている。米国では２年間にわたり時事問題書籍のベストセラーリストに名を連ね，全米医療経営者育 成協会から年間最優秀書籍賞を受賞。
</p>
<p>
「消費者が望むもの-利便性と自助能力」「医療費支払人の求めるもの-医療の質と低コスト」「有効な方策-医療フォーカスド・ファクトリーと医療技術」「いかにして医療システム改革を実現するか」の４章からなる。
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<a name="20" title="20"></a>
<h4>ヘルスリサーチニュース Vol.24 2000年7月　「推薦図書」</h4>
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医療サービス市場の勝者<br />
-米国の医療サービス変革に学ぶ-<br />
著者： レジナ・E・ヘルツリンガー<br />
ハーバード大学経営大学院教授 （専門：医療経営論，非営利企業論，経営工学論）<br />
監訳者： 岡部　陽二<br />
住友銀行専務取締役，明光証券会長を経て，現在広島国際大学医療福祉学部医療経営学科教授<br />
訳者： 竹田　悦子<br />
〒651-1332　神戸市北区唐櫃台<br />
電話＆FAX 078-982-2531<br />
発行所： シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社東京都文京区本郷３丁目３番１３号<br />
電話 (03)3812-0757 （営業直通）<br />
定価： 本体2,500円＋税
</p>
<p>
●病院経営を論じた堅苦しい専門書ではなく，ノンフィクション風の読みやすい作品。●
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<p>
７０年代後半から始まった米国の製造業とサービス業の復活，生産性向 上へ向けての企業戦略を多くのケース・スタディーに基づいて調査・分析し，この手法を，８０年代後半から改革を目指して動き出した米国の医療サービス業会 にも導入して，「脂肪を筋肉質に変えるリサイジング」と「的を絞り込んだ医療フォーカスド・ファクトリーの実現」を提唱している。
</p>
<p>
一方，その後９０年代を通じて米国での医療改革の主流となった，出し渋りを旨とするマネジド・ケアの手法には極めて批判的で，マネジド・ケアの考え方自体を否定している。
</p>
<p>
本書の結論として提唱しているのは，企業などが従業員に変わって医療 保険を掛ける「第三者支払システム」を改めて，企業負担の保険料をそのまま従業員に支払い，個人の責任で自分に最も適した医療保険を選択出来るようにする べきであるという「消費者直接支払方式」への転換である。
</p>
<p>
わが国でも昨今，医療制度改革の柱として米国流のマネジド・ケアを採 り入れるべきとの主張と，逆に米国流のやり方はわが国にはそぐわないとの考え方が議論され始めたが，この是非を論ずるに当たっても，医療サービスも市場原 理をフルに活用して効率化を図れば他のサービス業と何ら異なるところはないとする本書の基本的な考え方は，貴重な指針となると思われる。
</p>
<p>
また著者は医療機関の経営には医師のベンチャー精神が不可欠としており，本書は全米医療経営者協会から最優秀書籍賞を贈られている。
</p>
<p>
&quot;HEALTHRESEARCHNEWS Vol.24&quot;
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<a name="21" title="21"></a>
<h4>医療タイムス　No.1482 2000年7月17日</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者<br />
Market-Driven Health Care」<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著／岡部陽二・監訳／竹田悦子・訳<br />
シュプリンガー・フェアラーク東京（株）<br />
（TEL 03-3812-0757，http://www.springer-tokyo.co.jp/）<br />
四六判上製　423頁／本体価格2500円（税別）／2000年4月発行<br />
　誰が医療サービス改革の勝者となり，敗者となるか？その鍵を握っているのは，政府でもなく，医療保険でもない。消費者と医療機関で成り立つ市場そのものである。米国で出版以来２年間にわたって時事問題書籍のベストセラーと なり，全米医療経営者育成協会から年間最優秀書籍賞を贈られるなど大きな反響を呼んだ書の邦訳版。これからの日本の医療改革と企業経営を考える上で貴重な 指針となるバイブル。<br />
(ISBN：4431708758)
</p>
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</p>
<a name="22" title="22"></a>
<h4>Monthly IHEP 医療経済研究機構レター　No.78 2000年7月</h4>
<p>
発行：医療経済研究機構<br />
Health vs Wealth (4)<br />
-医療は最大のサービス産業-<br />
評者：医療経済研究機構　専務理事　上條　俊昭<br />
-米国のベストセラーの紹介-
</p>
<p>
ハーバード大学ビジネススクール教授のレジナ・E・ヘルツリンガー博 士（Dr.Regina E Herzlinger）のベストセラー「Market driven health care:who wins, who loses in the transformation of America&#39;s largest Service Industry」の翻訳本が世に出た。日本語の題名は医療サービス市場の勝者。監訳者岡部陽二，訳者竹田悦子となっているが，岡部さんと竹田さんお二人 の文字通りの共同作業による労作である。
</p>
<p>
ヘルツリンガー教授は，邦訳版の序文の冒頭で次のように述べている。
</p>
<p>
「医療システムの問題を論じる場では必ずと言ってよいほど，（政府が～すべきだ）という表現が見られる。〈中略〉だが，私の見るところ，こうした問題解 決の鍵を握るのは政府ではなく，消費者と医療機関である。最も効果的にコストを抑え，サービスの質を高められるものは医療サービスの供給者である医療機関 である。また，消費者の求める低コスト，良質の医療サービス，利便性を医療機関が提供し得たかどうかを最も的確に判断できるのは，消費者自身である。」
</p>
<p>
また，原著の序文に次のように記述がある。
</p>
<p>
「現在米国の医療システムを深く蝕んでいる問題を解決する力が，市場にはあるということを訴えたいからである。ここでいう市場とは，マネジドケアなどで はなく，他のあらゆる経済分野におけると同様，消費者と供給者が作り上げる偉大な生命体としての真の市場を意味している。ちょうど市場の力によって，いっ たん溺死の状況に陥って回復の望みを絶たれたと思われた米国の製造業が息を吹き返し，世界一流のサービス産業とハイテク企業が生み出されたように，医療分 野においても，米国人が喜んで支払う価格でのサービス提供を可能にする力が市場には備わっている。しかも，それは唯一市場にのみ備わった力なのである」
</p>
<p>
現在の日本では，医療サービス制度（医療保険制度）改革のためのホットな議論がスタートしたところである。時節柄本書は日本の読者にも，大変示唆に富んだ本のように思える。
</p>
<p>
医療保険制度改革のテーマは非常に重要な問題なので後日章を改めて私の見解を述べてみたい。ここで注目していただきたいのは，Largest Service Industryという言葉の意味である。この言葉がHealth Care Industryを指していることは明白であろう。
</p>
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</p>
<a name="23" title="23"></a>
<h4>社会医療研究所「社会医療ニュース」　Vol.15 No.300 2000年7月15日</h4>
<p>
医療システムのマネジメント
</p>
<p>
評者：国立医療・病院管理研究所　医療経済研究部部長　小山秀夫
</p>
<p>
ハーバード大学経営大学院教授R.E.ヘルツリンガー著，岡部監訳， 竹田訳（シュプリンガー・フェアラーク東京03-3812-0757）「医療サービス市場の勝者」を読んだ。その中で「私たちはシステムとして機能してい ないこの医療システムを甘んじて受け入れるしかないのであろうか」という強烈なメッセージがあった。
</p>
<p>
連日の医療事故関係の報道にショックを受けているものにとっては，な ぜか新鮮に感じる。いまさらながらシステム（System）という外来語が，これほどまでに市民権を得たのは，意味が多義多様で，適切な訳語がみあたらな かったからだろうと思う。ただ一言でいえば「混沌（カオス）の対話」と言うしかないのであろうか。
</p>
<p>
私は，「システムとは，多くの要素が一つに組織され，その各要素が一 定の目的の下に統一され，要素と全体とが必然的関係を有するものであり，各構成要素はシステムの中で影響し合い，システムの状態はその構成要素が少し欠け たり変化しただけで変化を起こす」と考えている。たとえば，からくり人形のひとつの部品が壊れることによって，動き方が変化し最悪全く動かなくなるよう に，システムを維持することも，それを設計することも，そして改良することにも，多大のエネルギーが必要である。
</p>
<p>
システム工学関係の本には，システムの要素として１．全体としての目 的を持っている，２．複数の構成要素から形成される，３．各構成要素は，互いに関連性をもち，定められた機能をはたす，４．単に状態として存在するのでは なく，時間的な流れを持っている，５．一定の環境で適応している，と書いてある。　医療は，かなり複雑なシステムである人間を対象とした総合科学である が，どうもシステム工学と剥離し発展してきたように思う。しかし，近年の医療技術や医療の提供場所である病院のマネジメントに，大量のシステム工学や経営 工学の知見が採り入れられるようになった。例えば，オーダリングシステム，クリティカルパス，SPD（物流管理システム），リスクマネジメント，EBMな どは，少なくともシステム工学の考え方そのものであろう。
</p>
<p>
私が，医療の現場をみる限り，新しいシステムの導入が容易に進まな かったり，システム化に難色を示す専門職が少なくなかったり，システム自体を開発する努力が軽視されていると思う。このようなことは，きわめてまれで医療 そのものの特殊性と医療組織を構成する人々のシステムに対する理解不足が原因であるように思う。
</p>
<p>
システムの構成，維持，改良自体は，膨大な作業量が必要である。それ ゆえ，一度構成され，使用されたシステムは，それ自体が自己保存的で，保守的なものである。誰でも慣れ親しんだシステムに愛着を感じ，自らに都合のよいよ うに改変してしまうことが少なくないが，「システムの状態はその構成要素が少し欠けたり変化したりするするだけで変化を起こす」のであるから，勝手な変更 やルール違反はシステム全体を不全な状態にしてしまうのである。医療現場は，このことを再認識し，システムと使用ルールを再検討する必要があると思う。
</p>
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</p>
<a name="24" title="24"></a>
<h4>「病院　９月号」書評と紹介</h4>
<p>
Low cost, high quality の医療の実践<br />
「医療フォーカスド・ファクトリー」<br />
評者 村田恒有<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著　　　岡部陽二監訳 竹田悦子訳<br />
「医療サービス市場の勝者」－米国の医療サービス変革に学ぶ<br />
シュプリンガー・フェアラーク東京<br />
２０００年刊　四六版 ４２４頁 定価（本体２，５００円＋税）
</p>
<p>
そごうは，債権放棄による再建案を断念し，民事再生法を自主的に受け入れて，事実上倒産した。また，ルぼ同じ時期，雪印乳業の製品による集団食中毒に始 まった事件は，ずさんな衛生管理に対しての社会的批判と，それに続く不買運動の結果，全牛乳工場の一時的な閉鎖という事態に発展した。こうした出来事は， 「市場が経済システムを動かす」ことが，日本でも現実のものであるということを実感させた。そして，近い将来，市場が医療システムを変える可能性をも予感 させた。
</p>
<p>
本書は医療サービスの利用者，医療費の支払い人に対して，医療システムの改革に参加することを呼び掛けている。と同時に，医療提供者に対しては，市場の要求を敏感に感じ取り，それに従いシステムの改革をすべきであると主張する。
</p>
<p>
私たち医療従事者は普段，病院で医療分野は他の経済分野と異なると考え，特異性を殊更に強調し，「病院経営は難しい」と言い訳をしていないだろうか？著者 は，低迷していたアメリカの競争力を劇的に蘇らせた製造業，サービス業などを詳細に検討し，医療もまた，これから多くの学ぶべきものがあると述べる。そこ で大切な視点は，技術に加え，顧客重視，便利，親切，適切な価格，豊富な情報，利用しやすい医療の提供，等々である。市場は「利便性」を求めるものである が，消費者はそれ以上にu自助能力」を備えるべきであるとする。この「自助能力」はmastery の日本語訳であり，「消費者の力」ともいえる。医療の消費者は自己の健康増進や病気の治療のためにもっと勉強，調査し，より良い医療サービスを選ぶ努力を すべきである，といった意味である。
</p>
<p>
また，病院の生産性向上の選択肢として，通常，私たちは「とにかくノーである。」という &quot;ダウンサイジング&quot;を，あるいは「大きいことは良いことだ」という&quot;アップサイジング&quot;を考えがちだが，著者は「脂肪を筋肉質に変える」&quot;リサイジング &quot;を提案している。その中身は，「とにかく得意分野にしぼりこめ」，「統合するなら縦より横に」，「医療の質を向上させ，同時にコストを下げる」といった 内容から成る&quot;医療フォーカスド・ファクトリー&quot;，そして技術革新である。
</p>
<p>
日本では，医療を取り巻く規制と護送船団方式は限界にきている。消費者より生産者（＝病院）が優遇される時代に終止符が打たれるはずである。グローバル・ スタンダードな医療を提供し，顧客を大切にする，それが２１世紀であろう。病院の経営者，さらに医療に携わる者は，ぜひとも一読して欲しい。そして自らを 変えていくべきである。
</p>
<p>
（むらた つねあり 山形県庄内余目病院院長：〒999-7700 山形県東田川郡余目町松陽1-1-1）
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<a name="25" title="25"></a>
<h4>「日本薬剤師会雑誌　Vol.52」</h4>
<p>
「医療サービス市場の勝者」<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著　岡部陽二監訳　　竹田悦子訳<br />
（A5版/４５０頁/２，５００円＋税/シュプリンガー・フェアラーク東京/Tel:03-3812-0757）
</p>
<p>
時代の変化と，消費者のニーズに応えて，これからの医療サービスはどのように大改革されるだろうか。著者は製造業やサービス産業を一変させたフォーカス ド・ファクトリーなどの経営手法を導入すべき，と提言している。フォーカスド・ファクトリーとは，大改革を単にリストラなどに頼るのではなく，医療機関で いえば，既存の総合病院をまず専門の分野に絞った専門病院に変身させるなど質から変えるべきと述べている。
</p>
<p>
本書は四部からなっており，まず，第一部では，現ン，医療システムの大半は旧態依然として利用者ニーズをあまり顧みていない状況であったが，その改善につ いて，医療以外の他業種で成功している例と比較してその対処法を提唱している。第二部では，医療システムが医師のみに委ねられてきた治療内容を，医療保険 機関などが管理して質の改善とともに医療費を見直し縮小化し，３つの教訓をあげてこれを検討すべきと述べている。さらに第三部では，そのための有効な方策 として，二つの企業から学んだフォーカスド・ファクトリーと，医療技術の改善により再生を果たした事例を分析して，その過程を説明している。そしてまとめ として第四部では，これらを踏まえ，医療システムの改革に必要な手掛かりをどのように得るか議論している。
</p>
<p>
著者は工科系大学を終え，経営関係の大学院を終了された専門家で，医療経営論，非営利団体論などを専攻された経歴がある。さすがに専門の分野であるだけ に，医療経営の在り方について，難しい提言を非常にわかり易く書かれており，医療に直接タッチしていない著者の目からみたものだけに興味がふかい。薬剤師 に関連する記事が少ないのが気になるが，それであっても薬剤師の服薬指導の重要性がよく理解できる。薬剤師のァ場で，近い将来の医療の在り方を考えるの に，ぜひ一読をお薦めしたい書籍と思う。
</p>
<p>
（日本薬剤師会相談役 吉本與一）
</p>
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</p>
<a name="26" title="26"></a>
<h4>医薬ジャーナル：11月号 Monthly Press 新刊書</h4>
<p>
『医療サービス市場の勝者』<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー著　岡部陽二監訳／竹田悦子訳
</p>
<p>
誰が医療サービス革命の勝者となり，また敗者となるのか？この鍵を握るのは，実は患者である消費者自身と医療機関で成り立つ市場 そのものである－という観点から，今後は製造業やサービス産業を一変させたフォーカスト・ファクトリーなどの経営手法を導入すれば，医療サービス産業は変 革できると提言した一冊。
</p>
<p>
本書は米国では出版以来，２年間にわたって時事問題部門の書籍のベストセラーとなり，全米医療経営者育成協会から年間最優秀書籍賞を送られるなど，大き な反響を呼んだもの。「．．．コストダウンと医療の質の向上に役立つ医療技術のみを備えた効率経営システムに作り替える」方法を説く本書は，これからの日 本の医療改革と企業経営を考える上で貴重な指針となろう。
</p>
<p>
A5判，423頁，定価2,500円（税別），シュプリンガー・フェアラーク東京刊
</p>
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</p>
<a name="27" title="27"></a>
<h4>メディカル朝日：　２００１年１月号　ＢＯＯＫＳ　ＰＩＣＫＵＰ</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
－米国の医療サービス変革に学ぶ<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー（ハーバード大学経営大学院教授）著<br />
岡部陽二（広島国際大学医療福祉学部医療経営学科教授）監訳<br />
シュプリンガー・フェアラーク東京<br />
03-3812-0757　(2500円＋税)
</p>
<p>
本書には医療におけるサービスの質を上げ，コストを下げ，患者の満足を高めることが同時に達成できる方程式の解が実証的に明解に書かれている。その解は，「市場にある」というのである。
</p>
<p>
本書は岡部陽二氏の監訳によるものだが，原著名はMarket Driven Health Care, Who Wins Who Loses in the Transformation of America&#39;s Largest Service Industry である。原著者のレジナ・Ｅ・ヘルツリンガーはマサチューセッツ工科大学経済学部で学び，現在はハーバード大学経営大学院教授である。
</p>
<p>
米国のみでなく，日本においてもマネジドケア（管理医療）への批判が高まるなか，こと日本では，政府の規制改革委員会において，営利法人の医療への参入可 否を巡る論争が始まっている。またここ数年，ようやくわが国でも「医療はサービス」だといわれるようにもなってきた。しかし，おかしなことに日本の医療界 では，「市場」を受け入れない市場となっているかのごとき市場談義が繰り広げられている。
</p>
<p>
そのような論議に一石を投じようとしているのが，本書である。というより，冷静になって今の日本の医療を見たとき，この本書の中に書かれた内容のほとんどが，すべて日本の問題であるから面白い。
</p>
<p>
著者は，「現在米国の医療システムを深くむしばんでいる問題を解決する力が市場にはある」という前提に立ち，「ここに挙げた教訓は，ひとり米国のみに当て はまるものではない。こうした教訓を育んだのは，日本をはじめとする世界的な潮流であり，国境を越えた新世代の消費者である」という。これは邦訳版の序文 の中での日本人へのメッZージである。口では患者本位とのたまう日本の医療従事者たちへの警告ともとれる。
</p>
<p>
本書からは，市場の働きという真の意味が何であるかをうかがい知ることができるだけでなく，これからの日本の医療システムの改革の道しるべをも示してくれている。
</p>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　岩﨑　榮（日本病院管理学会理事長）
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</p>
<a name="28" title="28"></a>
<h4>医療情報誌　Ｓｃｈｎｅｌｌｅｒ（シュネラー）第４１号：書籍紹介</h4>
<p>
医療サービス市場の勝者<br />
レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー<br />
岡部陽二　監訳　　竹田悦子　訳
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シュプリンガー・フェアラーク東京<br />
2000年４月19日　定価(本体2,500円＋税）<br />
四六版・423頁
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誰が医療サービス革命の勝者となり，敗者となるのでしょうか？
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その鍵を握っているのは，政府でもなく，医療保険でもありません。消費者と医療機関で成立つ市場そのものなのです。著者は製造業やサービス産業を一変さ せたフォーカスド・ファNトリーなどの経営手法を導入すれば，医療サービス産業も変革できると提言しています。すなわち，使いもしない余分な医療技術を抱 えた，焦点の定まらない多目的型の医療機関を変身させ，コストダウンと医療の質の向上に役立つ医療技術のみを備えた，筋肉質の目的を絞った効率経営システ ムに造り替える必要を説いています。
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「ほとんどあらゆる商品が，深夜でも電話一本で買えるこの時代に，ちょっとした病気をみてもらうのに半日も休まなければならないのはなぜか？」など冒頭の言葉に本書の内容が集約されています。
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米国では出版以来二年間にわたって時事問題書籍のベストセラーとなり，７ 万部の売り上げを記録，全米医療経営者育成協会から年間最優秀書籍賞を贈られるなど大きな反響を呼びました。これは本書が幾多のケース・スタディーに基づ いて構築されており，ノンフィクション風の読みやすい啓蒙書となっている点が高く評価されたものと考えられます。したがいまして，本書は医師・薬剤師など 医療関係者だけでなく，医療システム改革に関心をお持ちの皆様方にご一読いただく価値のある良書と確信しております。
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<h4>ジュンク堂書評誌「書標」訳書を語る---ヘルツリンガーと「医療サービス市場の勝者」</h4>
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訳書を語る――<br />
ヘルツリンガーと「医療サービス市場の勝者」<br />
広島国際大学教授　岡部　陽二
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ハーバード大学経営大学院の女性教授，レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー先 生は，風貌はチャーミングで柔和ながら，とにかくエネルギッシュな行動派の先生である。一年中，講演などで全米各地を飛び回っているだけでなく，メーカー など十数社の社外役員や医療団体の理事・アドバイザーなどを務め，夫君が立ち上げたベンチャー企業の経営にも参画している。本書はこうした現場経験から得 られた百件を超すケース・スタディに基づいて構築されているだけに，実践的な政策論でありながら，ノンフィクションのように面白い。
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医療サービス市場において誰が勝者となり，敗者となるのか。その答え を得るために，マクドナルド，ウォールマート，トラクター・メーカーのジョン・ディア社などの成功要因を徹底的に分析し，失敗例についてもその原因を追及 したうえで，病院など医療機関の経営もこれらの一般企業と何ら異なるものでないと説いている。事業内容や目標の絞り込みも重要ではあるが，成功の鍵は人 事・訓練・施設の設計などオペレーション・システムの細部に宿るという具体的な指摘には説得力がある。
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米国の医療経済論は，医療費の高騰を抑制するために，これまで医師の 裁量に委ねられてきた治療行為を医療保険機関がチェックして管理すべしとのマネジドケア論が中心で，その管理手法を高度化することに主眼が置かれてきた。 これに対し，著者はマネジドケアは「とにかくノーというダイエット」と切り捨て，マネジドケアの強化によってもたらされた医療の質の低下と管理コストの無 駄の方がはるかに大きいことを実証している。医療の質の低下についても，有能な医師や医療スタッフを非難しても始まらない。問題の所在は，コントロール・ システムが有効に機能していないか，多くはシステム自体の不在にあると手厳しい。
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そこで，著者は病院が「脂肪を筋肉質に変えるダイエット」を実行し て，ベンチャー精神をもって得意とする専門分野に特化すべきと主張している。そうすれば，専門分野に特化した医療フォーカスト・ファクトリーと患者との直 接交渉で市場原理を通じた医療の質と価格との均衡が図れると結論づけている。そのためには，病院側も患者の利便性を高める努力をしなければならないが，患 者も常日頃からもっとよく勉強して賢く強くならなければならない。
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ここ一両年来，米国ではマネジドケア組織の破綻が相次ぎ，医療保険と 病院とを垂直統合した試みもすべて失敗するなど，過去二〇年近く一世を風靡してきたマネジドケア万能論は修正を迫られ，著者のマネジドケア批判論の正しさ が実証されている。政府もマネジドケアの桎梏から患者を保護するための「患者権利法」の成立を目指し，医療サービス業界でも得意分野に的を絞り込んだ フォーカスト・ファクトリーの方向を目指した動きが拡大し始めている。
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わが国では病院は公私立を問わずすべて非営利が建前であるが，米国で も病院の九割は地方公共団体や教会・慈善団体などが所有する非営利法人である。今年一月にボストンで著者と話したところでは，医療サービスにおける非効率 や無駄の多くは，この非営利性に由来するところも大きいという。たとえば，営利企業であれば十年経っても償却できず，利益の出ない高額の医療機器を購入す ることはまずあり得ない。ところが，非営利法人は隣の病院が導入済みで，有能な医師を確保するために必要であれば，損得を無視して購入する。非営利の下で 市場原理を有効に働かせるにはどうすればよいのか，著者も頭を抱えている難しい問題のようである。
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このような次第で，本書は二年間に亙って時事問題書籍のベストセラー となり，全米医療経営者育成協会から年間最優秀賞を得て，七万部を超えて販売部数を伸ばしている。医療サービス産業の本質は国を異にしても基本的には変わ らないので，わが国の経営者・消費者も本書から多くのヒントを掴んで頂きたい。
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<h4>大阪工大摂南大学「学園新報」への寄稿「医療システムの国際比較」</h4>
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医療サービス・システムの国際比較<br />
広島国際大学医療福祉学部医療経営学科教授<br />
岡部　陽二
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子供の頃から何とはなしにラグビーは英国に古くからある荒々しいゲー ムで，サッカーは近代になって考案されたスマートなゲームだとばかり思い込んでいた。ところが，サッカーはルーツが中世に遡るゲームである一方，ラグビー はサッカーの試合中にウイリアム・エリスというラグビー校の一生徒が夢中のあまりボールを持って走り出したところ，それも結構面白いということで，一八二 三年に始まった比較的新しいスポーツである。この新しいルールのスポーツが誕生したラグビーの地名がそのままゲームの名称になった訳である。この事実を今 から二〇年ばかり前のロンドン在勤中に知ったので，早速夫婦でラグビー発祥のいわれを刻んだ石碑を見物に出掛けた。
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その時，家内が路上でつまずいて額に怪我をするという事態が起きた。 幸いすぐ近くに大きな病院があり，駆け込んで手当てをして貰ったが，治療費をとってくれない。当時の英国では病院は国営，医療はすべて税金で賄われてお り，外国人を含め一切無料。したがって，病院に治療費支払窓口も存在しないのであった。これこそまさに，「揺りかごから墓場まで」国が面倒を看てくれる福 祉先進国のあるべき姿と感心して，日本からの来訪者にも吹聴したものである。
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ところが，広島国際大学に職を奉じ，医療システムの国際比較を試みる 段になって，まず住み慣れた英国のナショナル・ヘルス・システムを調べてみると，これは私の思い違いであることが分かった。このシステムには問題点ばかり 目につき，反面教師としてはともかく，学ぶべき点は少ない。ことに，英国の入院順番待ちの長さは有名である。ブレアー首相は一昨年就任早々に入院待ち日数 が一八カ月を超える待機患者を零にすると公約したが，思惑通りには進まず，苦慮しているようである。
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民営化で産業全般に亙っての活性化に驚異的な成功を収めた鉄の女サッ チャー首相は，全面的に税金で賄う国営の従前の配給制医療システムを温存したまま，民間の営利病院と医療保険の導入を自由化した。その結果，シティーで稼 ぎまくっている金融機関やハイテク企業が二重払いを承知のうえで保険料企業負担の医療保険に加入し，サービスのよい民間営利病院での受診が急増した。これ は一見成功に見えるが，すぐに手術をして貰える民間医療保険加入者と，重症でも後回しにする国営システムでしか受診できない人々との間の不公平感が拡大 し，由々しい社会問題に発展している。一方，米国に目を転じると，米国の医療費はべらぼうに高く，その原因は病院や医師の営利主義と，公的保険がないこと にあり，あまりわが国の参考にならないと一般には思われている。ところが，統計数字を拾ってみると，このような通説ヘ，いわば思い込みであって，客観的な 根拠はないことがすぐに分かる。むしろ，意外にわが国の医療システムと似通っており，学ぶべき点が極めて多い。
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まず，一昨年末現在で米国に約六〇〇〇，わが国に約九二〇〇ある病院 の経営形態をみると，そのうち両国ともに三割弱を国公立が占めるが，残りの七割強のうち，米国では営利企業の所有は一割強で，残りの六割余はすべて教会や 慈善団体が経営し，税金も課せられない非営利法人である。これに対し，わが国ではそのほとんどが民間の経営で，非営利が建前であるものの，法人税が課せら れている。実体的には，どうも米国の病院の方が総じて非営利に徹している感が強い。
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次に，医療保険では米国でも総人口の二五％を占める高齢者と低所得者 については，各々医療費全額を税金で賄うメディケアとメディケイドという制度が確立している。それ以外の国民については，保険料全額が企業や団体組織負担 の民間医療保険でカバーされており，個人負担は五％程度と低い。米国は民間保険主体ながら，約四千万人の無保険者を含めて焉A個人の負担は全体で精々二割 程度内に留まっている。一方，わが国の医療保険では公的負担が医療費全体の約三割，自己負担が一割強，残り六割は保険料で，これは企業等と個人の原則折半 負担になっている。すなわち，わが国の国民皆保険は公的保険と称されているものの，財源の四割強を個人が負担することによって支えられている。このような 国際比較を模索している矢先に，米国で二年前に出版されたハーバード大学院レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー教授著の「医療サービス市場の勝者」が二年間続けて 七万部を超える売行きの時事問題書のベストセラーとなり，医療関係者以外でも広く一般の人々にも読まれていることを知った。著者の主張は，先入観を排した 客観的な根拠に基づいて従鹿仂w)斜暑uｺ届淋壹\・◇聲竇就ＭＳ Ｐ明朝&quot; lang=&quot;JA&quot;&gt;　本書は米国でも医療分野の生産性は低く，改革が遅れていることに警鐘を鳴らしており，わが国の医療制度改革を考えるうえにお いて大いに役立つ文献と考え，このほど私の監訳で出版に漕ぎつけた。予想に違わず，著者の主張するマネジドケア不要論や，「患者も強く賢くなれ」との自助論，さらには「神は細部に宿る」といった経営哲学に共鳴される読者も多く，大方の好評を博している。皆様方にもご一読願って，ご批判をお寄せ頂きたい。
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<h4>日本証券経済クラブ「しょうけんくらぶ」誌への寄稿「医療サービス市場の勝者」</h4>
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「医療サービス市場の勝者」<br />
岡部陽二
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このほど私の監訳でハーバード大学経営大学院のレジナ・ヘルツリンガー教授著「医療サー ビス市場の勝者―米国の医療サービス変革に学ぶ」を出版しました。一昨年四月，四十年間にわたる銀行・証券業界での実務生活に一応の終止符を打って，広島 国際大学医療福祉学部の教授に転身しました私にとって最初の課題は医療経営学科で担当する「国際経営論」の講義と演習のテーマを定めることでしたが，何を テーマにどんな内容を教えればよいのか，医療経営の世界は全く初めての私には焦点が定まらず，弱っておりました。そんな折にニューヨークでインベストメン ト・バンカーとして活躍している旧友の神谷秀樹さんが，この本の原著「マーケット・ドリブン・ヘルスケア」が米国では大変な人気で，よく売れていると言っ て，一冊進呈してくれました。
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一読して見ますと，本書は病院経営を論じた堅苦しい専門書ではなく，ノンフィクション風 の至極読み易い作品で，論旨明快，経営一般の指南書としてもよく出来ています。早速この本を翻訳出版する決意をしましたが，医療経営といった分野は何とな く馴染みが薄く，一般人には関係がないといった誤った先入観から引受けてくれる大手の出版社はありませんでした。漸く大学時代の友人の平野皓正さんがシュ プリンガー・フェアラーク東京（株）社長を勤めていることに，はたと思い当たりました。何とかして欲しいと頼み込んだところ，二つ返事で即座に引受けてく れ，素晴らしく有能な共訳者の紹介までして頂きました。彼とは同期で二人とも銀行に就職，その後はすれ違いばかりで卒業以来会う機会がありませんでした が，第二の人生で闊ァって，素晴らしい出版プロジェクトが一つ実現した次第です。
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まず，著者は七〇年代後半から始まった米国の製造業とサービス業の力強い復活，生産性向 上へ向けての企業戦略を数多くののケース・スタディーに基づいて余すところなく調査・分析しております。次いでこの戦略手法を，八〇年代後半からようやく 改革を目指して動き出した米国の医療サービス業界へも導入して，脂肪を筋肉質に変えるリサイジングと的を絞り込んだ医療フォーカスド・ファクトリーの実現 を提唱しています。わが国に比べると全般的に市場機能がうまく機能して進んでいると思われる米国でも，医療機関の生産性は低く，利便性の面でも見劣りがす るうえ，価格はべらぼうに高いとの指摘には驚きを禁じ得ません。一方，医療サービスのこの高価格を引下げるべく，その後九〇年代を通じて米国での医療改革 の主流となりました出し渋りを旨とするマネジドケアの手法には極めて批判的で，マネジドケアの考え方自体を切捨てご免で，「とにかくノーというダイエッ ト」として否定しております。
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感心しましたもう一つフ視点は，医療サービスの供給者が消費者（患者）の利便性向上に努 力するだけでは不十分で，消費者自身が知識を蓄えて，医療においても消費者革命の旗手として自己主張すべしとの提唱です。医療経済の書物を繙きますと，必 ず「情報の非対称性」という言葉にでくわします。これは専門家の医師は病気についてよく知っているが，消費者は病気についての情報を持っていないので，対 等の取引関係は成立し得ないという状況を指しています。したがって，医療は消費者の自由な選択には馴染まず，時には政府の介入や規制によって，消費者は保 護されなければならないとの結論に導かれるのが通例です。著者の考え方はこれとは逆で，だからこそ消費者はもっともっと勉強して賢くなり，自分の目で確か めて，よい医療サービスを自ら選択しなければならないと力説しております。
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では，最終的に誰が医療サービス市場の勝者となり，敗者となるのでしょうか。その鍵を 握っているのは政府でもなく，医療保険でもありません。消費者（患者）と医療機関とで成立っている市場の機能が生かせるか否かにかかっております。ところ が，米国においては，この市場が医師ではない管理テクノクラートによって著しく歪められていると著者は見ております。そこで，今こそ医師がベンチャー精神 をもって市場改革に取組み，医療サービスを効率的で無駄のない事業に変革すべきと熱っぽく医師の奮起を促している訳です。
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著者が本書の結論の一つとして声高に提唱しておりますのは，企業などが従業員に代わって 医療保険を掛ける「第三者支払システム」を改めて，企業負担の保険料をそのまま従業員へ支払い，個人の責任で自分に最も適した医療保険を選択できるように すべきであるという「消費者直接支払方式」への転換論です。政府や産業界もこの改革提案の実現に向けて真剣に取組む兆しが見えており，これから一両年中に は米国の医療システムも大きく変貌するものと予想されます。このような次第で，原著は全米医療経営者協会から最優秀書籍賞を贈られ，専門書としては例を見 ない七万部を超えるベストセラーとして洛陽の紙価を高めております。
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著者のヘルツリンガー女史はハーバード大学経営大学院では女性初の終身専任教授です。歯 切れのよい彼女の講義は有名教授が多いハーバードでも最も人気のある講座の一つに選ばれております。その一方で女史は医療関係だけではなく，トラクター・ メーカーのディア社など数社の社外重役，非営利団体の役員などを勤め，さらにベンチャー・ビジネスにも参画するなど一年中全米を飛び廻っている超多忙な スーパー・ウーマンです。また，共訳者の竹田悦子さんもエネルギシュな仕事振りに脱帽するしかない日本のスーパー・ウーマンです。彼女のお蔭で，地味な経 営書がすぐれて文学的香りの高い作品に仕上がりました。このお二人の女性パワーに大いに啓発されたのは，本書の翻訳を通じての大きな収穫でした。
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わが国でも昨今，医療制度改革の柱として米国流のこのマネジドケアを採り入れるべきとの主張と，逆に米国流のやり方はわが国はそぐわないとの考え方が論議され始めました。この是非を論ずるに当りましても，医療サービスも市場原理をフル に活用して効率化を図れば他のサービス業と何ら異なるところはないとする本書の基本的な考え方は，わが国医療業界改革に当っての貴重な指針であるとの確信 を一段と深めておりまキ。「医療サービス市場の勝者」が医療関係者だけではなく，医療と経営に関心を持っておられる幅広い層の方々にお読み頂けることを切 望する次第です。
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（個人会員，広島国際大学教授）
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<h4>ＧＥ横河メディカルシステム「ＧＥ－ＴＯＤＡＹ」<br />
医療サービス市場の勝者になるには<br />
―アメリカの病院のとりくみ手法から学ぶ</h4>
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広島国際大学教授　岡部　陽二
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はじめに
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このほど私の監訳で出版した「医療サービス市場の勝者」の原著&quot;Market-Driven Health Care&quot;は米国で２年間に亘って時事問題書籍のベストセラーとなり，７万部を超えて販売部数を伸ばしている。全米医療経営者育成協会からも年間最優秀賞 を贈られている。医療サービス産業の本質は国を異にしても基本的には変わらないので，わが国の医療機関経営に携わっておられる方々も本書から多くのヒント を掴んで頂き，経営管理の現場で役立てて頂きたいものと念願している。
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ところで，ハーバード大学経営大学院の女性教授，レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー先生は，風貌はチャーミングで柔和ながら，とにかくエネルギッシュな行動派の 先生である。一年中，講演などで全米各地を飛び回っているだけでなく，メーカーなど十数社の社外役員や医療団体の理事・アドバイザーなどを務め，夫君が立 ち上げたベンチャー企業の経営にも参画している。本書はこうした現場経験から得られた百件を超すケース・スタディに基づいて構築されているだけに，実践的 な政策論でありながら，ノンフィクションのように面白い。
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医療サービス市場において誰が勝者となり，敗者となるのか。その答えを得るために，著者はマクドナルド，ウォールマート，トラクター・メーカーのジョン・ ディア社などの成功要因を徹底的に分析し，失敗例についてもその原因を追及したうえで，病院など医療機関の経営もこれらの一般企業と何ら異なるものでない と説いている。事業内容や目標の絞り込みも重要ではあるが，成功の鍵は人事・訓練・施設の設計などオペレーション・システムの細部に宿るという具体的な指 摘には説得力がある。
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米国の医療経済論は，医療費の高騰を抑制するために，これまで医師の裁量に委ねられてきた治療行為を医療保険機関がチェックして管理すべしとのマネジドケ ア論が中心で，その管理手法を高度化することに主眼が置かれてきた。これに対し，著者はマネジドケアは「とにかくノーというダイエット」と切り捨て，マネ ジドケアの強化によってもたらされた医療の質の低下と管理コストの無駄の方がはるかに大きいことを実証している。ここ一両年来，米国ではマネジドケア組織 の破綻が相次ぎ，医療保険と病院とを垂直統合した試みもすべて失敗するなど，過去２０年近く一世を風靡してきたマネジドケア万能論は修正を迫られ，著者の マネジドケア批判論の正しさが実証されている。
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そこで，著者は病院は「脂肪を筋肉質に変えるダイエット」を実行して，ベンチャー精神をもって得意とする専門分野に特化すべきと主張している。そうすれ ば，専門分野に特化した医療フォーカスト・ファクトリーと患者との直接交渉で市場原理を通じた医療の質と価格との均衡が図れると結論づけている。そのため には，病院側も患者の利便性を高める努力をしなければならないが，患者も常日頃からもっとよく勉強して賢く強くならなければならない。本書は医療経営改革 の方向を幅広く提示しているが，以下の三点に絞って，概要のみご紹介したい。
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医療技術や機器の進歩に対する適切な評価
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米国の医療費が高いのは，諸外国より多くの高度医療技術と医療機器を持ち，それを国民がより多く利用しているからである。このような高度技術や設備が本当 に必要なものかどうか。米国の病床稼働率は常に６割を下回っているので，設備や機器の使い方に非効率はないかといった吟味は必要である。しかしながら，こ れらの投資が米国人の生活の質を押上げ，病気で仕事を休んだり，慢性病で苦しむ国民が減ることによる米国経済全体への寄与には計り知れないほど大きなもの がある。たとえば，米国における心臓手術の実施率は隣国カナダのおよそ３倍であるが，実態調査の結果でも米国の手術に不必要なものはなかった。カナダでは 手術待ち日数１～２カ月が７割を占めるに対し，米国では７日以内が７割を占めている。
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最新医療技術や機器の開発は手術に伴う患者の痛みを和らげるだけではなく，医療コスト低減に寄与するケーXも多い。だが，それ以上に重要なのは多くの医療 技術が生活の質を高めてくれる事実である。たとえば，心臓発作を起こし開胸手術などを受けた米国人とカナダ人の追跡調査では，より少ない処置を受けたカナ ダ人の方が心臓の不調を訴え，機能の回復も遅かった。これはカナダ人だけの不幸ではなく，米国以外の世界には医療技術の不足による問題が溢れている。
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医療の分野では新技術が新たな需要を喚起することは稀であるため，パソコンなどの電子機器のように技術の高度化が価格低下に結びつくことはなく，逆に医療 費を押上げるのはむしろ当然である。米国の国民医療費は対GDPで１４．１％（１９９７年実績，わが国は７．３％）と先進２４カ国中でも最も高いが，１０ 年後には１９％にまで高まるものと推計されている。英国はこの時点では６．７％と最低であるが，ブレアー政権はこれを早期に９％まで高める政策を打出して いる。よりよい医療サービスを受けるには，それ相応のコストを支払うのは当然であり，問題はそのコスト負担のあり方に帰着する。本書でも医療費の無駄を減 らす方策は種々議論されているが，医療費全体が膨らむこと自体は，その国の学術や経済の先進性の結果と割り切った評価をしている。
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わが国の医療保険制度においても新医療技術を正当に評価して加算する仕組みが不可欠であり，このことが医療の質向上のみならず，長期的には医療費支出の効率化にも貢献するとの認識が必要である。
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症例数の集中化によるフォーカスト・ファクトリー型医療機関の必要性
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フォーカスト・ファクトリー自体は従来のベルト・コンベアーで繋がれた広大な工場で多品種の製品を製造するのではなく，限られた範囲の製品や部品に絞り込 んで単一の小工場で一貫して生産する専門工場を意味する。これは日本やドイツとの大量生産競争に敗れた米国の製造業をいわば解体して，その一部を高収益企 業として復活させるための手法として開発された。本書では，農機具メーカーのディアー社の成功例が紹介されている。サービス業ではマクドナルド社の経営戦 略が提供商品のメニューを絞り込んだまさにフォーカスト・ファクトリー型である。
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著者は医療分野においても，あらゆる疾病を対象とした総合病院の組織は破滅した重厚長大産業に近いとして，ディアー社やマクドナルド社に倣った癌とか心臓 病，足の病気といった特定の専門分野に特化した病院での集中処揩・している。その典型として，ヘルニア専門のショルダイス病院と癌専門のサリック・ヘ ルスケア・センターがヴィヴィッドに紹介されている。フォーカスト・ファクトリーの狙いは，経済的効率性の追及もさることながら，医療の質を向上させる効 果が大きいことに主眼が置かれている。フォーカスト・ファクトリーでは同じ種類の手術を多数手掛けることによって熟練度が上がり，手術の成功率が大巾に向 上するだけではない。癌のような難病には，癌細胞を切除するというだけではなく，付随して起こる病気への対応や精神面，環境面など多面的な配慮が必要であ るが，これをシステム的に解決するに相応しい組織がフォーカスト・ファクトリー型である。癌に関連したあらゆる分野の専門家を一カ所に集めて，患者が必要 とするすべてのサービスを提供できるからである。筆者によれば，医療分野に欠けているのは高品質を常に維持するためのシステム対応である。マクドナルド社 の細部ぜ・藁埔柴藁圉聲竇就ＭＳ Ｐ明朝&quot;&gt;
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患者に対して医療情報を提供するインフラの整備
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著者は病院など医療サービスの供給者が患者の利便性向上に努力するだけでは不十分で，消費者自身が知識を蓄えて，医療においても消費者革命の旗手として自 己主張すべしとの提唱している。医療経済の世界ではよく「情報の非対称性」ということが強調される。これは専門家の医師は病気についてよく知っているが， 患者は病気についての情報を持っていないので，対等の取引関係は成立し得ないという状況を指している。したがって，医療は患者の自由な選択には馴染まな い。だから，医師のパターナリズムによって温情的な処置が施され，時には政府の介・站K制によって患者は保護されなければならないとの結論に導かれるのが 通例である。著者の考え方はこれとは逆で，だからこそ患者はもっともっと勉強して賢くなり，自分の目で確かめて，よい医療サービスを自ら選択しなければな らないと力説している。
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「患者ももっと勉強して，賢くなれ」といわれても米国とは異なり，わが国では患者が医療内容についての知識や医療機関の技能レベルの実績を知り得るための 情報が極端に不足している。医療の質を病院ごとに客観的な基準に基づいて評価する医療機能認定制度一つをとって見ても，米国では５０年の歴史を持ち， １０００人以上のスタッフを擁する認定機関が病院だけではなく，保険や福祉機関などを含む約２万機関の評価を行っており，これが厚生行政とも密接に連係し ている。わが国の同種機関は設立早々でスタッフ数も10人あまり，行政との繋がりはなく，米国との彼我の格差は極端に大きい。せめてこのような評価機関の 機能を早期に充実して患者への情報提供を充実することが，医療の質を向上させる捷径であろう。
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<h4>京大SS・OB誌「Comet」への寄稿「医療サービス市場の勝者」</h4>
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「医療サービス市場の勝者」<br />
岡部陽二(昭和３２年，法学部卒)<br />
［広島国際大学医療福祉学部教授］
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この「ＣＯＭＥＴ」誌で毎号広告をお見掛けするシュプリンガー・フェ アラーク東京より，このほど私が監訳しました「医療サービス市場の勝者」を出版して頂きました。この本はどなたにもご理解頂けるノン・フィクション風の読 み物であって，決して堅い専門書ではありません。ところが，医療経営といった分野は何となく馴染みが薄く，一般人には関係がないといった誤った先入観から 出版を引受けてくれる大手の出版社はありませんでした。本書に限らず真の良書は売れないから出版しないという大手出版業者の昨今の風潮は嘆かわしい限りです。
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そこではたと思い当たったのが，ＣＯＭＥＴ誌で拝見しましたシュプリ ンガー・フェアラーク東京社長の平野皓正さんのエッセーと広告でした。そこで，この本の翻訳出版を頼み込んだところ，二つ返事で即座に引受けてくれ，素晴 らしく有能な共訳者の紹介までして頂きました。彼とは同期で二人とも銀行に就職，その後はすれ違いばかりで卒業以来会う機会がありませんでしたが，すぐに 意気投合しました。彼もいまだに学生気分で，３年前のＣＯＭＥＴでは「本当の英語力とは何か」を論じていました。昨年のエッセーは何と「 A friend in need is a friend indeed」という題の寄稿でした。彼の存在はまさに私のニーズにぴったりで，今更ながらＥＳＳでの繋がりに感謝しております。　 本書の著者は製造業やサービス業一般の経営戦略を，米国の医療サービス業界へも導入して，脂肪を筋肉質に変えるリサイジングと的を絞り込んだ医療フォーカ スド・ファクトリーを実現すべきと提唱しております。一方，９０年代を通じて米国での医療改革の主流となっている出し渋りを旨とするマネジドケアの手法に は極めて批判的で，マネジドケアの考え方自体を切捨てご免で，「とにかくノーというダイエット」として否定しています。ナ終的に誰が医療サービス市場の勝 者となり，敗者となるのか。その鍵を握っているのは政府でもなく，医療保険でもない。消費者（患者）と医療機関とで成立っている市場の機能が生かせるか否 かであるといった明快な論旨の展開です。著者の主張は米国政府の施策にも反映され始めて，原著は専門書としては例を見ない七万部を超えるベストセラーとし て洛陽の紙価ぜ・暑uｺ頒暑uｺ仂w)質・阪\&prop;蜴黼遐昭・昭・釶辣就芍銖緕&sub;実昭届淋壹\・◇聲竇就ＭＳ Ｐ明朝&quot; lang=&quot;JA&quot;&gt;住友銀行OB誌「銀泉」への寄稿「医療サービス市場の勝者」
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<a name="34" title="34"></a>
<h4>「医療サービス市場の勝者」　岡部陽二</h4>
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一昨年四月，四十年間にわたる銀行・証券業界での実務生活に一応の終 止符を打って，広島国際大学の教授に転身しました。大学教授になって最初の課題は医療経営学科で担当する「国際経営論」の講義と演習のテーマを定めること でしたが，何をテーマにどんな内容を教えればよいのか，医療経営の世界は全く初めての私には焦点が定まらず，弱っておりました。そんな折にニューヨークで インベストメント・バンカーとして活躍している旧友の神谷秀樹君が，ハーバード大学経営大学院のレジナ・ヘルツリンガー教授が著した「マーケット・ドリブ ン・ヘルスケア」という本が米国では大変な人気で，よく売れていると言って，一冊進呈してくれました。
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一読して見ますと，米国でも医療機関の経営は生産性が低く，利便性の 面でも見劣りがする。これを合理化するには，七〇年代の構造的大不況から不死鳥のごとく蘇った製造業や進んでいる流通サービス業がとった焦点を絞り込みの 戦略を採り入れるべきであるとする論旨は，至極明快で説得力がありました。感心しましたもう一つの視点は，医療サービスの供給者が消費者（患者）の利便性 向上にw力するだけでは不十分で，消費者自身が知識を蓄えて，医療においても消費者革命の旗手として自己主張すべしとの提唱です。早速この本を翻訳出版す る決意をし，大学時代の友人が社長を務めているシュプリンガー・フェアラーク東京での出版がこの四月に実現しました。
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邦訳版のタイトルを「医療サービス市場の勝者」としました本書は，七 〇年代後半から始まった米国の製造業とサービス業の力強い復活，生産性向上へ向けての企業戦略を余すところなく調査・分析しており，わが国経済再生のため の経営全般にわたる指南書ともなっております。著者はこの手法を，八〇年代後半からようやく改革を目指して動き出した米国の医療サービス業界へも導入すべ きとして，脂肪を筋肉質に変えるリサイジングと的を絞り込んだ医療フォーカスド・ファクトリーの実現を提唱しています。一方，著者はその後九〇年代を通じ て米国での医療改革の主流となりました出し渋りを旨とするマネジドケアの手法には極めて批判的で，マネジドケアの考え方自体を切捨てご免で，「とにかく ノーというダイエット」として否定しております。
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著者が本書の結論の一つとして声高に提唱しておりますのは，企業など が従業員に代わって医療保険を掛ける「第三者支払システム」を改めて，企業負担の保険料をそのまま従業員へ支払い，個人の責任で自分に最も適した医療保険 を選択できるようにすべきであるという「消費者直接支払方式」への転換論です。政府や産業界もこの改革提案の実現に向けて真剣に取組む兆しが見えており， これから一両年中には米国の医療システムも大きく変貌するものと予想されます。本書がこのような専門書としては例を見ない七万部を超えるベストセラーとし て洛陽の紙価を高め，ペーパーバックにもなって引続き販売部数を伸ばしておりますのは，その証左と申せましょう。
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今年一月にお会いした著者のヘルツリンガー女史はハーバード大学経営 大学院では女性初の終身専任教授です。歯切れのよい彼女の講義は有名教授が多いハーバードでも最も人気のある講座の一つに選ばれております一方，医療関係 だけではなく，トラクター・メーカーのディア社など数社の社外重役，非営利団体の役員などを勤め，さらにベンチャ[・ビジネスにも参画するなど一年中全米 を飛び廻っている超多忙なスーパー・ウーマンです。また，出版社から紹介頂いた共訳者の竹田悦子さんは大学教授夫人として四人のお子様の母親役をこなしな がら，プロの翻訳家を目指して，すでに八冊の翻訳書を世に問われている才媛です。そのエネルギシュな仕事振りには脱帽するしかない日本のスーパー・ウーマ ンです。しかも，大学でのご専門はフランス語ですから，彼女のお蔭で，堅苦しい経営書がすぐれて文学的な香りの高い作品に仕上がりました。このお二人の女 性パワーに大いに啓発されたのは，本書の翻訳を通じての大きな収穫でした。
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わが国でも昨今，医療制度改革の柱として米国流のこのマネジドケアを 採り入れるべきとの主張と，逆に米国流のやり方はわが国はそぐわないとの考え方が論議され始めました。この是非を論ずるに当りましても，医療サービスも市 場原理をフルに活用して効率化を図れば他のサービス業と何ら異なるところはないとする本書の基本的な考え方は，わが国医療業界改革に当っての貴重な指針に なるものとの確信を一段と深めております。本書が医療関係者だけではなュ，銀泉会員の皆様方はもとより医療と経営に関心を持っておられる幅広い層の方々にお読み頂けることを切に望んでおります。
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<h4>ＨＩＳ研究会四季報：「簡約・医療サービス市場の勝者」第一回</h4>
簡約「医療サービス市場の勝者」<br />
―米国の医療サービス変革に学ぶ―
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広島国際大学教授岡部　陽二
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「医療サービス市場の勝者」翻訳の動機
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「金融ビッグバン」に擬えて「医療ビッグバン」という理念も 目的も今一つはっきりしない表現が横行している。金融ビッグバンやそれに続く企業会計ビッグバンは，わが国の官民癒着，業者保護の規制システムを透明，公 平で自由な国際的にも通用する市場原理主導の競争社会に改めようとする改革である。要するに，アングロ・サクソン・モデル，すなわち英米型への転換である。
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ところが，医療制度や慣行についてみると，アングロ・サクソンといっても英国と米国のシステムは全く逆の方向に動いており，他の先進諸国と比べても英米両 国が両極端に位置している。たとえば，国民医療費の対GDP比率（OECD　Health　Dataによる１９９７年実績）でみても，先進２４ヶ国中米国の１４．１％が最も高く，英国の６．６９％が最下位である（わが国は７．３２％で１８位と英国に近い）。それでは，わが国の医療ビッグバンではこの二つの全く異なったアングロ・サクソン・モデルの何れを範とすればよいのであろうか。
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広島国際大学に奉職して国際経営論の講義で医療システムの国際比較を試みる段になって，このような問題意識でまず一四年間在勤した英国のナショナル・ヘ ルス・システム（ＮＨＳ）を調べてみた。このシステムには少なくとも現状では問題点ばかり目につき，反面教師としてはともかく，学ぶべき点は少ない。こと に，英国の入院順番待ちの長さは有名である。ブレアー首相は一昨年就任早々に入院待ち日数が一八カ月を超える待機患者を零にすると公約したが，思惑通りに は進まず，苦慮している。さすがのサッチャー首相も，医療費を全面的に税金で賄う国営の従前の配給制医療システムの民営化は出来ず，国営システムを温存し たまま，民間の営利病院と医療保険の導入を自由化した。その結果，外資系企業や一部の金持ちが二重払いを承知のうえで保険料企業負担の医療保険に加入し， サービスのよい民間営利病院での受診が急増した。これは一見成功に見えるが，すぐに手術をして貰える民間医療保険加入者と，重症でも後回しにする国営シス テムでしか受診できない人々との間の不公平感が拡大し，由々しい社会問題に発展している。ブレアー政権はこのような現状を踏まえて，医療は競争原 理には馴染まず，協調体制で行くべきとして，NHSを再編強化し，医療費の対GDP比率を最終的には九%にまで高めるという意欲的な施策を実行に移しつつ ある。民間病院は軒並み経営難に陥っており，今後の推移がみものである。
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一方，米国に目を転じると，米国の医療費はべらぼうに高く，その原因は病院や医師の営利主義と，公的保険がないことにあり，あまりわが国の参考にならない と一般には思われている。ところが，統計数字を拾ってみると，このような通説は，いわば思い込みであって，客観的な根拠はない。むしろ，意外にわが国の医 療システムと似通っており，学ぶべき点が極めて多い。
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まず，病院の経営形態をみると，両国ともに三割弱を国公立が占めるが，残りの七割強のうち，米国では営利企業の所有は一割強で，残りの六割余はすべて教会 や慈善団体が経営し，税金も課せられない非営利法人である。これに対し，わが国ではそのほとんどが民間の経営で，非営利が建前であるものの，法人税が課せ られている。実体的には，どうも米国の病院の方が総じて非営利に徹している感が強い。
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次に，医療保険では米国でも総人口の二五％を占める高齢者と低所得者については，各々医療費全額が税金で賄われている。それ以外の国民については，大多数 が保険料全額が企業や団体組織負担の民間医療保険でカバーされており，個人負担は五％程度と低い。米国は民間保険主体ながら，約四千万人の無保険者を含め ても，個人の自己負担は全体で精々二割程度内に留まっている。一方，わが国の医療保険では公的負担が医療費全体の約三割，自己負担が一二％，残り六割は保 険料で，これは企業等と個人の原則折半負担になっている。ただし，右の自己負担には保険の対象とならない漢方などの代替医療，差額ベッド，歯科や高度先進 医療などが含まれておらず，保険でカバーされないこれらの医療費を含めた総支出のベース見ると，二四％と二倍になる。すなわち，わが国の国民皆保険は公的 保険と称されているものの，財源の過半を個人が負担することによって支えられている。
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このような国際比較を模索している矢先に，米国で二年前に出版されたハーバード大学経営大学院レジナ・Ｅ・ヘルツリンガー教授著の「医療サービス市場の勝 者」が二年間続けて七万部を超える時事問題書のベストセラーとなり，医療関係者以外でも広く一般の人々にも読まれていることを知った。著者の主張は，先入 観を排した客観的な根拠に基づいて従来の通説に真正面から挑戦する姿勢で貫かれている。本書は米国でも医療分野の生産性は低く，改革が遅れていることに警 鐘を鳴らしており，わが国の医療制度改革を考えるうえにおいて大いに役立つ文献と考えて，翻訳出版に踏切った次第である。本書は序文，本書の要旨に次いで 四部１２章で構成されている。訳者竹田悦子さんの協力を得て，本号では「本書の要旨」と「第一部」，「第二部」，次号で「第三部」と「第四部」に分けて， 各章ごとの主要なテーマを要約してポイントの解説を試みた。本会の皆様方にはぜひ本書を通読頂いて，忌憚のないご意見をお聞かせ願いたい。
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本書の要旨（著者の問題意識）
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●　トヨタのある車種の故障率は簡単に調べられるが，自分の居住する地域で患者の術後生存率が最も高い心臓外科医を調べるには，莫大な調査努力を要するのはなぜか？
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●　ほとんどあらゆる商品が，深夜でも電話一本で買えるこの時代に，ちょっとした病気を診てもらうのに半日も仕事を休まなければならないのはなぜか？
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●　マクドナルド社は毎日全米一・一万ヶ所以上にも及ぶ店舗で無数のフライド・ポテトを完璧に作っているが，病院では腎臓摘出や足の切断でも左右を間違えることがあるのはなぜか？
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●　あるＨＭＯ（医療機関の監視を意図した会員制医療保険団体）では，瀕死の女性患者に対して救命の見込みのある治療を拒絶しながら，同じ年にそのＨ　　　ＭＯのトップが退職した時に，一八〇〇万ドルもの退職一時金が支払われているのは，なぜか？
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私たちはシステムとして機能していないこの医療システムを甘んじて受け入れるしかないのであろうか。医師は「医療は特殊」と言って，マクドナルドとの比較 に眉をひそめる。だが，医療分野は他の経済分野と異質なのか？　医療システムの問題は，医師任せ，あるいはマネジドケア任せでよいのか。いずれも否であ る。医療システム改革の鍵は，病院・医師と消費者（患者）の直接交渉で成立する医療市場に消費者主導の新しい風を吹き込むことにある。
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今，米国の医療システムには，否応なしに大きな変革が起ころうとしている。その進む方向は，専門分野に的を絞り込んだ「医療フォーカスト・ファクトリー」 を中心とする便利な医療である。当然にそのシステムは診療科目ではなく，患者のニーズに応える疾患別の編成となる。また，情報に基づいた，賢い選択ができ るように，新しい情報源も整備されるだろう。健康の自己管理に役立つ新しい支援態勢も望まれる。新しい医療技術も重要な役割を果たすに違いない。
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こうした変革の原動力となるのは，ショッピングより仕事を生きがいとする多忙な米国人である。小売業はすでに消費者の要求に応えるべく自己変革を行なって きた。「ドゥ・イット・ユアセルフ」の動きも盛んである。製造業における巨大企業も競争の圧力を受け，本業以外の過剰な生産力の整理縮小を進めている。ま た，消費者ニーズに応えるサービス業の成長も目覚しい。マクドナルド社は，サービス向上に絞り込んだ「フォーカスト・ファクトリー」の鑑であり，一貫性， 信頼性，礼儀のよさ，低価格，清潔さ，迅速なサービスを実現している。
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新しい医療システムのもとでは，多くの勝者と敗者が生まれるだろう。情報を持った働き者の消費者は勝者となる。高齢者層や医療費負担にあえぐ雇用者や連邦政府，重症患者，無保険者も利益を得る。才能と情熱を持った医療経営者や起業家らもこの変化を歓迎するだろう。
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一方で，患者は耐えるべしとする医師，患者の要求に「とにかくノーと言う」ことを旨とするマネジドケア，垂直的に統合された巨大医療システムは敗れ去るだろう。
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本書では，理念を持った指導的な会社やその管理手法を検証しつつ，彼らの成功の秘訣と，変革をさらに促進する原動力を探っていく。
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第一部　消費者の望むもの――利便性と自助能力
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第一章　消費者革命
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多くの分野で米国の産業改編をもたらしたのは，勤勉で教育水準の高い新世代の消費者であった。現代の消費者はかつてより確実に忙しくなり，同時に賢く，そ して自己主張が盛んになっている。彼らは商品やサービスの安さと品質のほかに，利便性や迅速性を求め始めた。ドゥ・イット・ユアセルフを信条とする彼らは さらに自助能力とそれを支える情報をも要求するようになった。こうした要求が，ウォルマートの成功，トイザラス，ステープルズ，ホーム・デポのようなスー パーストアの隆盛，コンシューマー・リポート誌のような情報源の人気に如実に表われているように，米国の小売業・サービス業・製造業を一変させた。
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第二章　患者が耐えるのをやめる時
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米国の消費者は利便性や迅速性を求めているのに，医療の世界にはその声が届いていない。顧客を「ペイシェント（受難者）」と呼ぶことからして，そもそも利 便性を軽視している証拠である。「不便で何が悪い？」と反論する医師もいるが，医療の不便さは致命的である。不便さは人々の時間を奪い，予防的医療を受け る機会を奪い，健康を損ない，医療費を押し上げる。たとえば，医薬品大手のジョンソン・アンド・ジョンソンの従業員家庭を対象にした調査によれば，二歳児 で適切に予防接種を受けていたのはわずか四五％だった。待合室に患者のあふれる病院の不便さも改善の兆しはなく，それどころか，一九八三年から九一年にか けて医師の予約をとる順番待ちの時間は四〇％伸びた。医療保険制度も非常に分かりにくく，ちょっとした問い合わせにも満足に回答しないHMOが大半である。
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医療システム全体の不便さは，はるかに深刻だ。患者は不十分な情報をもとに，自分に必要な医療を自分で組み合わせるしかない。疾患ごとの専門医療機関がな く，また，自己管理が大切な慢性疾患の患者に対する支援態勢がないため，高価な救急病院が必要以上に利用される例も多い。医療システムは消費者のニーズで はなく医師や病院のニーズに合わせて作られている。こうした不便さは，米国の経済全体に大きな損失をもたらし，医療費の直接的増加だけでなく，労働の生産 性低下にもつながっている。
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一方，消費者自身が自分の財布から直接支払いをする医療分野，例えば眼鏡や一部の歯科医療の分野では，消費者の利便性を高める改革が急激に進んでいる。 ミッドアメリカ歯科聴力視力センターは，義歯をきわめて低料金で，しかもその日のうちに作ってくれる。その秘密は量産と専業化である。また，眼鏡やコンタ クトレンズは値段も手頃で便利だ。価格やサーrスの工夫など重点の置き方が異なる各種の眼鏡店が競合して，ますます利便性を高め価格を引き下げているから だ。だが，こうした競争的環境は，容易に生まれたものではない。七〇年代には，眼鏡業界にも，眼科医が処方箋を出さないことを認め，広告を禁止し，検眼医 の独立開業を禁止するといった三つの大きな法律の壁があった。眼鏡業界の利便性は，そうした壁の撤廃に向けて粘り強く闘い，規制を撤廃していくことの大切 さを教えてくれる。
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予約なしの手軽な医療サービスを提供しようとしてショッピング・モールに簡易な設備で開設したヘルスストップの失敗例に見られるように，法律の壁以外に も，経営の壁がある。ヘルスストップには，既存病院からの攻撃をかわし，報酬体系を工夫して医師へのインセンティブを働かせる経営手腕が欠けていた。だ が，多くのサービス業ではこの問題をクリアしている。そこに学ばなければならない。
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わずかながら医療業界でも，利便性を高めて成功したベンチャーがある。サリックヘルスケアは癌専門の医療チェーンである。癌と闘う患者と家族のニーズに 合わせたこまやかなサービスを提供する。だが，サリック博士のように医師が経営の才覚を兼ね備えているPースは稀である。他産業で経験を積んだ経営の専門 家が，もっと医療サービスに進出してもよいはずだ。しかし，それには医療費を患者が直接支払わない医療保険制度，そして，免許の問題という障壁がある。消 費者がより直接的に要求の声を上げ，医療業界の自己保存的な規制を撤廃させていくことが必要だ。
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第三章　我に自助能力を，さもなくば死を！
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――健康増進に励む人々
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顧客は今，情報と選択と主導権，すなわち「自助能力（マスタリー）」を求めている。指図ではなく情報とサポートを与えてほしい，自分の問題は自分で決定 したいという消費者が増えている。そうした変化が，食事に気をつけ，禁煙や運動に励む健康積極派の増加をもたらしている。これは将来，医療コスト軽減につ ながる歓迎すべき動きであろう。依然として破壊的生活習慣を断ち切れない人々に対しては情報と支援が欠かせない。
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医療とドグマは切り離せない。医学は科学としては歴史が浅いにもかかわらず，いつの時代にも権威をもって，病気の原因や治療法を告げてきた。だが，そうし た態度に疑問を抱く人が増えている。現代人は専門家の言いなりではなく，幅広い情報源を求め，自分で判断しようとして「る。漢方やカイロ・プラクティック スなど代替療法の利用の伸びがそれをよく示している。そうした流れに医療の提供側ももっと敏感になる必要がある。
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一例を挙げれば，女性の主体的なお産をサポートする姿勢を打ち出したノースショア出産センターの草創期は，親病院の意向と衝突して大いに苦労した。顧客 の自助能力を高めて成功した健康食品店のブレッド・アンド・サーカス社の知恵からも学びとるところが大きい。そのためには，医療業界にも起業家の手腕を取 り入れ，消費者の運動を盛り上げることが必要である。
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第四章　利便性と自助能力をもたらす医療システムとは
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では，私たちが目指す未来の医療システムとはどんなものであろうか。たとえば，子供の皮膚に水泡が出たとしよう。母親が自宅のコンピュータに症状を打ち 込むと，瞬く間に一応の診断が出る。医師や薬局とEメールで連絡を取り合い，まもなく自宅に薬が届けられる。症状が治まらないときにかかれる最寄の医療機 関も複数，コンピュータが提示してくれる。医療の質に関する情報も豊富で，消費者は情報に基づいた選択ができる。皮膚疾患ならスキンケア・センターのよう な専門医療機関が便利な場所にあり，皮膚に関するあらゆる専門のスタッフが揃っている。・・・・・・しかし，現状はここに描いた理想には程遠い。医療情報 は不毛で，患者も企業も目隠しで買い物させられているような状況に置かれている。
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第二部　医療費支払人の求めるもの――医療の質と低コスト
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第五章 生産性革命への選択肢
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米国の医療は両極端の矛盾した性格を持つ。世界最高水準の先端医療技術を持ち，重症患者や高齢者の医療にも手厚く，また，待機手術の待ち時間も短いな ど，先進諸国でも群を抜いて国民の満足度が高い。その一方で財政を圧迫する医療費の高騰とその非効率ぶりはすこぶる評判が悪い。問題は，米国の医療の長所 をつぶすことなく，いかにコストを抑え，効率を高めるかである。それには，ダウンサイジング，アップサイジング，リサイジングという三つの処方箋がある。
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第六章　ダウンサイジング
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――「とにかくノーと言う」ダイエット
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まず，ダウンサイジングだが，他産業でもその効果は否定されている。闇雲に体重を落とそうとすると，脂肪ばかりか筋肉まで落とす結果になりがちだ。米国 の医療業界におけるダウンサイジングの代表格と言えば，マネジドケア組織による医療費の}制である。この減量法は，病人の医療ニーズを切り捨てて利益を図 るものであり，効果よりも弊害が大きい。ＨＭＯはもともと健康維持組織の略で，文字通り病気の予防や検査に重点を置いていたが，１９８０年代に入って医療 費抑制を目的とする組織に変質した。ＨＭＯとかマネジドケアはシステム分析に基づいて保健会社から見た「不適切」な医療に「ノー」と言う仕組みである。見 かけの「安さ」は，必要な医療サービスの出し渋りによるものとの疑いが濃い。その証拠に，マネジドケアでは従来型の実費補償保険よりも，保険料一ドル当た りの医療費そのものにかける割合が小さく，役員報酬など管理費用に当てる割合が大きい。骨髄移植など「実験段階」の治療をＨＭＯから拒まれる例は跡を絶た ない。マネジドケアに医療費抑制効果があるとしても，今後，「有意思医療機関排除禁止法」などの新しい法律によってその効果は薄められる可能性が ある。さらに，マネジドケアの中でも，コスト抑制効果の高いスタッフ・モデルやグループ・モデルは市場シェアを失い，加入者の選択の幅が広いタイプがシェ アを伸ばしている。
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かつて最強の力を誇ったHMOの老舗カイザー・パーマネンテ社の低迷ぶりは，マネジドケアによる「合理化」の効果を疑わせるものだ。マネジドケアには安い加入料金や無料の定期検診など魅力も多いが，そのコスト抑制効果には大いに疑問がある。
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第七章　アップサイジング
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――「大きいことはよいことだ」というダイエット
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逆に，効率を上げるために，全体のサイズを拡大しようという戦略もある。フォードが一九一四年に作った巨大自動車工場は，拡大戦略の成功物語だった。以 来，米国ではコストを引き下げ，品質を高める切り札として拡大路線が熱心に信奉されてきた。医療業界にも合併熱が吹き荒れ，病院やPBM（薬剤給付管理組 織）の統合が急激に進んでいる。だが，本当に統合は改革の切り札になるのだろうか。
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統合の方法としては，水平統合と垂直統合の二つがある。水平統合は，経営上，比較的容易で若干の成功例もあるが，節約効果は期待されたほどではなく，市 場の独占による弊害が大きい。一方，垂直統合は「シームレス（縫い目のない）」な医療サービスの提供を目指して，医療保険会社，病院，開業医グループなど 異なる事業を統合するものだ。ミネアポリスの医療サービス購入団体が推進した垂直統合は初期の成功例とされたが，期待した節約効果が上が轤ク，価格競争や 医療サービスの差別化も起こらず，のちに方針転換した。垂直統合したIBMものちに大規模な縮小整理を行ない，GMも周辺事業の整理を検討している。製造 業では現在，従来の大量生産方式に代わって，「セル（細胞）」と呼ばれる小さいチームで完成品を作る試みが盛んである。
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デビッド・ジョーンズのヒュマナ病院の苦闘は，垂直統合に伴う経営上の困難を示す格好の例である。才覚豊かなジョーンズは，豊富な資金を集め，病院の水平 的チェーンを作って一時は大いに成功した。だが，病床稼働率が落ちてくると，立て直しのために医療保険会社と開業医のネットワークという二つの事業を新た に組み込んで，垂直統合を図ったものの，目標の異なる事業を統合して利益を生むことの難しさは克服できず，ジョーンズは病院を手放すことになった。ヒュマ ナの教訓は，その一，借りられるものは買うな，その二，不振な事業を守ろうとして垂直統合を行うな，その三，とにかく得意分野を絞り込め，の三点に尽きる。
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大企業は小回りがきかず，変革が遅い。経営管理が困難で，存続に大量の資金がかかり，組織内のネットワーク維持に手間がかかる。また，大企業は競争を抑 えかねない。米国の医療システムにとって，大きいことはよいこととは限らない。巨大組織は，無駄のないファイティング・マシーンどころか，恐ろしく金を食う怪物である。
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以上のように，アップサイジングもダウンサイジング同様，医療システムの長所を保ちながら，コストを抑える戦略としては期待できない。
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<h4>ＨＩＳ研究会四季報：「簡約・医療サービス市場の勝者」第二回</h4>
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簡約「医療サービス市場の勝者」<br />
―米国の医療サービス変革に学ぶ―<br />
広島国際大学教授<br />
岡部　陽二
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「医療サービス市場の勝者」翻訳の動機
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第三章　医療システム改革のための有効な方策
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――医療フォーカスト・ファクトリーと医療技術
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第八章　リサイジング　――u脂肪を筋肉質に変える」ダイエット
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ダウンサイジングもアップサイジングも有効でないとしたら，残る方法はリサイジングである。しかし，これは脂肪だけを落として筋肉質の身体をつくる最も 難しいダイエットだ。この章では，ショルダイス病院，マクドナルド社，トラクターメーカーのディア社を例に，この問題を検討する。
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カナダはトロントのショルダイス病院は，腹壁ヘルニアの専門病院である。同院では，毎年，元患者の「同窓会」が盛大に開かれる。その人気の秘密は何か？　 一番の要素は「フォーカスト・ファクトリー」方式の明確な絞り込みだ。まとまった数を扱うため（一人の外科医が平均で年600回のヘルニア手術を行う）， その技術は超一流で再発率も1％に満たず，料金も手頃だ。医師の人選，訓練，報酬，施設の設計，プロセス工学など，細部まで入念に練り上げられた統一的な オペレーション・システムが，その成功の陰にある。
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米国の医療システムには，フォーカスト・ファクトリーが生かせる可能性が豊富にある。
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フォーカスト・ファクトリーという言葉は製造業で生まれた。1974年にハーバード大学のウィッカム・スキナーが書いた論文に登場する。限られた製品群に 絞り桙セ工場を作ることが生産性向上の秘訣とのスキナーの呼びかけに応え，多くの製造会社が絞り込みを行い，アウトソーシングを進め，「フォーカスト・ ファクトリー」型のスリムな企業に生まれ変わった。イーストマン・コダックの変革もこうした成功例の一つである。
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サービス業界でも，いまやフォーカスト・ファクトリーの例にこと欠かない。マクドナルド社はその代表格である。
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マクドナルドのフライドポテトは，いつ世界のどこで食べても揚げたてで完璧だ。このポテトはいかにしてつくられるのか？　同社は垂直統合よりアウトソーシ ングを選ぶ。原料のジャガイモに厳しい納入基準を設け，信頼できる納入業者と安定した関係を結ぶ。さらに，技術に力を入れ，ジャガイモを揚げる油の温度を 自動調節する高性能の調理器を開発。そして，マニュアル通りの完璧な調理を，世界中の幾万もの従業員に，並外れたプロセス工学と人材管理で徹底させている。
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ショルダイス病院とマクドナルド社には，①目標の絞り込みと細部へのこだわり，②プロセス工学に基づくオペレーション・システム，③周到な人材管理，④ よく練った技術といった驚くほどの共通点が見られる。これに匹敵するような執拗なまナの行き届いた注意が，医療サービス，たとえば，癌の治療や心臓手術に おいて払われているだろうか？　心臓外科医デントン・クーリー博士のテキサス心臓研究所のような先駆的な例はあるが，それはむしろ例外であろう。
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ここで，医療フォーカスト・ファクトリーと，従来型の医療機関を比べてみる。まず，病院で見られるような，複数の専門にまたがる専門医のチームワークが 可能かという声がある。従来の病院は，医師の専門による組織構造になっているが，フォーカスト・ファクトリーは患者のニーズによって編成されるので，患者 が必要とするすべての資源が常に揃っている。たとえば，癌のフォーカスト・ファクトリーなら，腫瘍専門医のサービスだけでなく，癌治療とそれに付随するす べてのサービスを，病院，外来センター，患者の自宅等，さまざまな場所で提供する。そこには，診断，治療，心理療法，治療費の相談から，入院や在宅サービ スまで，すべてが含まれる。
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フォーカスト・ファクトリーの初期形態とも言えるものが，最近増えている「カーブ・アウト（切り分け）」である。複数の医療機関が特定のサービス受託を，医療保険会社との間で定額で契約するもので，今後の成熟と発展が期メできる。
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クリニカル・パスは，複数の専門にまたがる治療チームのメンバー間の調整に力点を置き，入院日数の短縮，サービス重複の防止，資源利用の効率性向上など によるコストダウンを主目的とする。フォーカスト・ファクトリーは単一のサービスのみに全精力を傾注し，単なるコストダウンよりも，医療の質と生産性の向 上を目指すという違いがある。
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では，医療フォーカスト・ファクトリーの医療業界への影響は？　今後ともごく少数しか存在せず，実際には利用が困難との心配は無用だ。多額の投資を必要としないため，ショッピング・モール内など地域の拠点に，多数の施設を設置できるからだ。
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<p>
逆に医療フォーカスト・ファクトリーが増え過ぎはしないかという心配も無用である。プロセス工学でよく使われるパレートの法則によれば，問題の80％は 20％の原因によるものである。事実，国民医療費の大部分がごく限られた診療項目で占められている。とすれば，高額な医療費を要するわずかな数の病気を扱 い，そのうち，比較的少数の重症患者に焦点を当てたフォーカスト・ファクトリーを作るだけでも，はかり知れない利点がある。
</p>
<p>
それでは，一般的な医療診断は誰が行うのか。答ヲは，診断医療専門のフォーカスト・ファクトリーである。有名なメイヨ・クリニックがその典型である。
</p>
<p>
医療フォーカスト・ファクトリーが，特殊なニーズを切り捨てて標準的な，楽にもうかる部分だけに集中しないか，という心配も不要である。経済システムがうまく機能すれば，他の商品で一般化しているように分業が行われるだろう。
</p>
<p>
医療システムの細分化がさらに進み，利用者にとって調整が困難になるという心配も要らない。合併症の治療などはむしろの医療フォーカスト・ファクトリー の得意とするところだし，起業家精神に富んだ保険会社等は医療フォーカスト・ファクトリーをネットワーク化した「バーチャル・システム」を生み出すことだ ろう。
</p>
<p>
すでに医療フォーカスト・ファクトリーの将来性には，経済界の関心が注がれ，ベンチャー・キャピタルの投資も増えている。特定の病気や処置に絞ったフォーカスト・ファクトリー型の医療機関が，定額の人頭払いで企業や保険会社と契約を結ぶケースが増えている。
</p>
<p>
開業医グループが，定額の人頭払いで保険会社の機能を担えば，医師らはマネジドケアの縛りから解放され，顧客にとっても必ずしも「ゲートキーパー医」を訪ねなくトも済む利点がある。
</p>
<p>
医療フォーカスト・ファクトリーは間違いなく成功が見込まれる。第一に，提供する医療の質が高い，第二に，不要な投資を抑えてコストダウンできる，第三 に，価格やサービスの質を容易に比較できる，第四に，医療システムの欠陥による不要な医療支出を大きく削減できるからだ。
</p>
<p>
以下の未来図をご覧頂きたい。&hellip;&hellip;企業の医療購入担当者が，関係医療機関に主な病気や処置について，従業員5万人の包括的診療費の見積もりを依頼する と，1000件を越えるフォーカスト・ファクトリーから入札があった。クオルメッド・プログラムで入札した医療機関の評価を調べる。一人の患者に必要な治 療のすべてを包括する見積額が出ているので，比較は容易である。数ヶ月後，購入担当者はすべての医療契約を締結する。購入しているものの中身を知っている ことはもちろん，それを安い価格で購入できたのである。&hellip;&hellip;
</p>
<p>
このように利用者にとっては利点の多いフォーカスト・ファクトリーだが，既存のマネジドケア組織には歓迎されないだろうし，現在の米国の医療システムの中では違和感なく収まる場所がまだない。消費者の経済的影響力が変革の原動力として期待される。
</p>
<p>
第九章 リサイジングと技術の役割
</p>
<p>
日常購入する商品やサービスの中で，支払額に照らして最も値打ちがあると米国人が考えるものは何か？　一位は鶏肉である。では，最下位は？　答えは病院 医療費である。鶏肉，自動車，コンピューターをより安く，より高品質にしてきたのは技術の力だ。同様に，車もコンピューターも過去30年に，目を見張る高 品質化と低価格化が進んだ。このように，技術革新はさまざまな分野で，コストの引き下げに貢献してきた。
</p>
<p>
では，なぜ医療技術だけが例外なのか？　高度医療技術は，医療費を押し上げる元凶なのだろうか。そうではない。医療技術も，やはりコスト抑制効果を持つのである。
</p>
<p>
かつて手術と言えば，肉体的にも金銭的にも患者の負担が大きく，たいへんな覚悟が要った。だが，今，MRI，CTなどの機器や局部麻酔が発達し，身体に優しい低侵襲のＭＩＳ手術や処置が急速に普及し，大きな傷跡や長期の入院は減ってきた。
</p>
<p>
例えば，冠動脈バイパス手術は，大きな傷跡を残すだけでなく，多数のスタッフで長時間を要する大掛かりな手術であるが，カテーテルを使った冠動脈形成術は局部麻酔だけで外来で簡単に行なえ，コストもかなり低い。
</p>
<p>
確かにMIS手術の普及によって手術を受ける人が増え，たとえば，胆石治療全体ではコストが増加しているように見える。だが，これは病院の請求「価格」であって真の「コスト」ではない。MIS手術にかかる実際のコストは，従来の手術よりかなり低いはずである。
</p>
<p>
また，ワクチンや薬効の向上も医療費の抑制に大きな役割を果たしてきた。
</p>
<p>
では，なぜ米国の病院医療費はこれほど高いのか？　英国，ドイツ，カナダ等と比べると，MRIやCTの普及台数（人口比）は突出している。使いもしない 高度医療機器，空いたベッドを抱えすぎているのだ。1995年の病床稼働率59.5％という米国の病院は，贅沢なジャンボ・ジェット機を定員の3分の2の 乗客数で飛ばしているようなものだ。
</p>
<p>
病院のコスト全体に占める管理費用の割合も増加している。しかも，非営利が大半を占める米国の病院で平均5.4％の利益率を維持している。その利益の多く が，設備投資に回る。　病院には強固なエディフィス（建造物）・コンプレックスがある。取り巻きの患者をたくさん抱えた一流の医師を迎えるために，ハイテ ク機器と建物の新築に何十億ドルも費やす。病床稼働率が低下しているのに，なぜ，こんなことが可能なのか？
</p>
<p>
それは病院への支払を，顧客ではなく，保険会社や政府といった第三者が行うシステムが大きく関わっている。他人の財布を預かるだけだから，少々高い買い 物をしても，自分の懐が痛むわけでない。コスト意識が低くなって当然である。第三者支払システムという土壌に，無駄な医療設備が増殖を続ける。
</p>
<p>
医療の技術革新は本来は医療費高騰についても危機打開の切り札となって然るべきである。競争の激しい医療機器・医薬品業界からは，新時代の先駆けとなるような真に革新的な技術が次々と生まれ，人々を苦痛と死から救い，経済全体の生産性を高めていくであろう。
</p>
<p>
第十章　リサイジング達成への道――ディア社の場合
</p>
<p>
トラクターメーカーのディア社は，リサイジングの威力を示す格好の例である。同社は生産性向上によって，増収，賃上げ，製品価格の維持を同時に果たした。その変革は，医療界にも貴重な教訓を与えてくれる。
</p>
<p>
1980年代前半，ディア社の業績は落ち込み，赤字に転落した。労働組合の力が強く，日本や国内との競争も厳しかった。そんな中，同社は大半の工場を存続させ，その中身を大きく再編した。
</p>
<p>
まず，機能単位の構造を廃止し，何百もの小さな製造単位「セル（細胞）」に編成しなおした。異なる機能の工員が集まったチームで，ひとつの構成部品を完 成させる。以前のように完成品を見ることなく同じ作業を繰り返すことはない。生産ラインも大幅に短縮され，社員の責任感と誇りが増し，品質と生産性が向上した。
</p>
<p>
また，ディア社は事業内容を徹底分析し，アウトソーシングを進めた。結果的に多くの部品が外注されたが，競争力のある伝動装置はひきつづき社内生産されることになった。
</p>
<p>
そして，技術への重点的な投資を行なった。生産性向上のための研究開発費や設備投資を惜しまず，一方で部品の標準化による弾力的製造システムを取り入れた。
</p>
<p>
また，情報にも投資し，工場を走る情報ハイウェイを整備し，CAD－CAMの統合を達成した。人材育成にも投資した。人間関係能力を養う研修に力を入れ，従業員に新しい明確な役割と権限を持たせた。
</p>
<p>
ディア社から学ぶべきは，同社が拡大より圧縮，得意分野への徹底した絞り込みを選び，変革の際にその真髄を守りぬいた点である。医療分野においても，ディア社の変革をお手本にフォーカスト・ファクトリー型の医療機関を作ることが変革の鍵になるだろう。
</p>
<p>
第四部　いかにして医療システム改革を実現するか
</p>
<p>
第十一章　消費者がコントロールする医療保険システム
</p>
<p>
では，以上のような革新を加速させる力を持つのは誰か？　それは消費者をおいて他にない。政府が医療制度を管理する国々では，患者が必要と思う医療を十 分に受けられないという不満が強い。例えば，英国やカナダでは医療サービスの待機者リストが問題になっている。医療へのアクセスの遅延，専門医への受診制 限，予防医療の欠落はがもたらす「節約」は見かけだけに過ぎず，経済全体では費用増をもたらしている。
</p>
<p>
では，医療システムでは，なぜ，一般の市場のような消費者によるコントロールが働かないのだろうか。それは，所得税法上，消費者を市場から除外する次の規定による。
</p>
<p>
一，医療保険に団体加入する企業は，法人税申告の際，その保険費用を収入から全額控除できる。だが，個人加入の場合はこの限りではない。
</p>
<p>
二，雇用主から医療保険の便益を受ける従業員は，この保険価値受取額については所得税が課税されない。
</p>
<p>
このため，従業員は賃上げより医療保険での受取りを歓迎し，その医療保険を自分で選ばず，雇用主企業に購入してもらうことを望んできた。これを正すに は，医療システムへの税制上の優遇措置の対象を消費者に移し，第三者支払人が現在使っている資金を直接，被保険者の手に渡す必要がある。
</p>
<p>
消費者はどんな保険を掛けたいと思うだろうか？　破滅的な高額医療費から生活を防衛してくれる医療保険が最も強く求められている。このタイプの保険は，一定の免責額を越えるまでは相当額を加入者の自己負担となるので，医療費抑制の効果が期待できる。
</p>
<p>
支給額の決定には，特定の地域の住人にはすべて一定の保険料率を課す「地域料率方式」と，被保険者の健康状態に応じた保険料率を設定する「経験料率方式」があるが，後者の方式がよいだろう。
</p>
<p>
企業が支払っていた医療保険料を非課税で従業員に移転するには，①．従業員が受け取った医療保険手当を医療預金口座に預け，そこから医療保険料を支払う 方法と，②移転額にかかる所得税の還付を受ける方法がある。税額還付方式のほうが公平性が高いが，最終的には政治的決断となるだろう。
</p>
<p>
医療保険加入を義務化するかどうかだが，病人しか加入しなければ保険料はとてつもなく高くなるため，妥当な金額の医療保険プランの存在を確保するために義 務化は不可欠である。それも，一定の種類のものにする必要がある。保険の目的は，経済的破綻から人々を守ることであるから，人々が無理なく自己負担し得る 額を超える医療費を全額カバーするものでなくてはならない。医療保険料を収入にリンクさせ，所得税の税率区分ごとに納税者が自己負担するべき免責額を決定 し，内国歳入庁が納税者に自己負担不可能な医療費をすべてカバーする医療保険の保険料を支払った証拠の提示を求めればよい。
</p>
<p>
所得に応じて適用範囲を変えるより，最低限保障すべき内容を特定したパッケージ型プラン，もしくは自己負担額を一律にして万人に同一レベルの保障を行うプランがよいという意見もあろうが，いずれも，消費者コントロールが有効に働かない。
</p>
<p>
米国人に自分で医療保険を選択する能力があるのかという意見もある。適切な選択のためには，確かに今より相当多くの情報が必要だが，消費者が医療市場をコ ントロールするようになれば，情報は爆発的に増え，選択は容易になるだろう。なるほど，すべての人が最高の選択をするとは言えないが，オピニオン・リー ダーが賢い選択をしている限り，不良品や詐欺的商品の被害は最小限に食い止められることは，パソコン業界の例を見ても明らかだ。
</p>
<p>
政府が担うべき役割は，①資金の移転を確実に実行させる，②消費者に最低必要な適用範囲の医療保険プランに確実に加入させる，③消費者が医療保険を評価 するための情報の妥当性を，民間の専門団体を通して監査する，④保険会社の財務の健全性についても監査する，5．消費者や保険業者の不正があれば厳しく対 処する。ジョンソン・アンド・ジョンソン社の権限委譲型の組織運営が，お手本になる。
</p>
<p>
消費者がコントロールする医療システムでは，平均的な家族が受け取る年間の医療手当額は約6000ドル（約６６万円）になる。これで，現状のままの低額 医療の免責額400ドル，一定比率自己負担額の上限2000ドルの医療保険パッケージに引き続き加入することもできるし，もっと低価格の医療保険に加入す ることも可能である。
</p>
<p>
政府コントロール方式は，医療費を一定範囲に収めるには極めて有効だが，政府は起業家との相性が悪い。医療機関が努力してコストを下げても，その見返りは来期の予算割当の削減だけであるから，コストダウンへのインセンティブは働かない。
</p>
<p>
マネジドケア組織が支配する市場にも，革新は期待できない。小規模な医療ベンチャー企業では，大規模なマネジドケア組織のニーズは満たせない。逆に，大企業は変革に疎いので，大規模な垂直統合型の医療ベンチャー企業もうまく行かないだろう。
</p>
<p>
医療費問題の多くは，医療費を支払っているのが通常，保険会社か政府機関という利用者以外の第三者であるという事実から生じている。消費者がコントロールする方式は，消費者による監視を復活させる。
</p>
<p>
あなたは医療サービスの購入を，自分に代わって政府やマネジドケア組織にやってほしいだろうか？　なぜ自分の医療という大切な買物を，他人任せにするのか？　医療システム変革への鍵は，消費者が医療システムをコントロールすることにある。
</p>
<p>
第十二章　実現の条件――新しいルールと手掛り
</p>
<p>
最後に，医療機関，医療費支払人，そして医療サービス利用者のすべてが最大の利益を得るための新しい手掛りを挙げ，本書の結びとする。
</p>
<p>
医療機関のための手掛り
</p>
<p>
●顧客を大切にすること<br />
●とにかく得意分野を絞り込め<br />
●全体として統一のとれた運営システムを<br />
●エディフィス（建造物）・コンプレックスを克服せよ<br />
●値上げをするな，コストを下げよ<br />
●技術を賢く使え<br />
●ドグマ（教義）に振り回されるな<br />
●倫理的であれ<br />
●統合するなら縦より横に<br />
●自分とライバル双方の業績を評価せよ
</p>
<p>
医療機器開発者のためのルール
</p>
<p>
●とにかく得意分野を絞り込め<br />
●二番煎じを追放せよ<br />
●「わが社の発明ではないから」という発想を追放せよ<br />
●欲張らないこと
</p>
<p>
医療費支払人と政府のためのルール
</p>
<p>
●革新を図れ，出し渋りをするな<br />
●適正な金額を従業員に移転せよ<br />
●人々（従業員や有権者）を信頼せよ<br />
●規則を決めたら厳格に運用せよ<br />
●消費者「保護」を謳ったルールの内容を自己点検せよ
</p>
<p>
医療サービス利用者のための行動規範
</p>
<p>
●賢くあれ<br />
●正直であれ<br />
●自己主張をせよ<br />
●よい顧客であれ<br />
●自分の健康を自分の手に取り戻すこと
</p>
<p>
市場が動かす新しい医療システムでは，あなた自身があなたの健康に責任を持つことになる。主導権を握るのは，今や医療サービスの利用者あなた方自身なのである。
</p>
<p>
本書は，消費者と医療機関と医療費支払人に，市場が動かす新しい医療システムの地図を手渡し，そこでの航海のルールを知って頂くために書かれた。
</p>
<p>
この新しい航海地図が，すべての人々の健康につながらんことを！
</p>]]></description>
         <link>http://www.y-okabe.org/books/2007/04/post_1.html</link>
         <guid>http://www.y-okabe.org/books/2007/04/post_1.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">030医療サービス市場の勝者</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 17 Apr 2007 11:17:45 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>消費者が動かす医療サービス市場</title>
         <description><![CDATA[<div style="text-align: center">
<img src="http://www.y-okabe.org/books/images/upload/book01.jpg" alt="book01.jpg" width="205" height="306" />
</div>
&nbsp;&nbsp;
<p>
　岡部陽二が監訳しました最新の話題の書：「消費者が動かす医療サービス市場」をご紹介します。
</p>
<p>
　本書は、<strong>消費者が動かす医療サービス・システムの未来図を大胆に描いた全米待望の書</strong>の邦訳版です。この邦訳版は、著者が執筆中の原稿を逐次翻訳しました結果、原著の米国での出版に先駆けての日本先行発売となりました。
</p>
<p>
　本書にご興味のある方は、「消費者が動かす医療サービス市場に関する書評・紹介のページ」をご覧ください。
</p>
<p>
<strong>　ご医師の側ではなく、私たち消費者に情報と選択肢と決定権を与えることにより、医療サービス市場を活性化できる。</strong>
</p>
<p>
　本書には、その試みによる成功例が豊富に盛り込まれています。医療サービスの価値に見合った価格で高い質の治療を可能にするには、サービスの受け手である消費者の目覚めが鍵となります。
</p>
<p>
　これからの日本の医療改革と企業経営を考える上で貴重なバイブルとなる最新の米国医療サービス市場動向を紹介する卓越した啓蒙書です。ご興味のある方もしくは医療や経営全般にご関心をお持ちの関係者の方々に本書をご紹介頂ければ幸いです。
</p>
<p>
　<strong>消費者が動かす医療サービス市場（Consumer-Driven Healthcare）<br />
〜米国の医療サービス変革に学ぶ〜</strong>
</p>
<p>
by レジナ・E・ヘルツリンガー<br />
（ハーバード大学経営大学学院教授）
</p>
<p>
監訳　岡部 陽二<br />
（広島国際大学医療福祉学部教授）<br />
訳　　竹田 悦子
</p>
<p>
<strong>（「邦訳版への序文」より抜粋）：<br />
　日本の医療システムの問題は、第一点は、その非効率性である。第二点は、現在のシステムではゲノム研究やオーダーメイド医療の分野で遅れをとる可能性が強いこと、第三点は、長い待ち時間や顧客軽視の姿勢が他の経済分野における生産性向上の足かせとなっている点である。本書には、これらの問題点を解決するための処方箋が描かれている。</strong>
</p>
<p>
出版社： シュプリンガー・フェアラーク東京(株)<br />
ISBN 4-431-70997-5<br />
定価　￥2400円＋税
</p>
<p>
著者・訳者紹介（所属は初刷出版時）
</p>
<p>
<strong>【著者】Regina E. Herzlinger (レジナ・E・ヘルツリンガー)</strong><br />
マサチューセッツ工科大学経済学部卒業<br />
ハーバード大学経営大学院にて博士号取得<br />
ハーバード大学経営大学院教授
</p>
<p>
<strong>【監訳者】岡部　陽二 （おかべ　ようじ）</strong><br />
京都大学法学部卒業<br />
広島国際大学医療福祉学部医療経営学科および同大学院教授<br />
医療経済研究機構専務理事
</p>
<p>
<strong>【訳者】竹田　悦子 （たけだ　えつこ）</strong><br />
東京外語大学外国語学部フランス語学科卒業．日本語教師，翻訳業
</p>
<p>
　ネットでご注文頂きます場合には、たとえば紀伊国屋書店のウェブページ<a href="http://bookweb.kinokuniya.co.jp/" target="_blank">http://bookweb.kinokuniya.co.jp/</a>などに入って、 ISBN番号4-431-70997-5で検索して、ご注文頂くと便利です。
</p>
<p>
前著、「<a href="/books/book02/index.html">医療サービス市場の勝者</a>」 もあわせてお読みください。
</p>

<h3>「消費者が動かす医療サービス市場」に関する書評・紹介</h3>
<h4>一般紙誌の書評</h4>
<ul>
	<li><a href="#01">日本経済新聞　2004年（平成16年）1月4日(日曜日)　23頁「読書」欄</a></li>
	<li><a href="#02">「TOPPOINT」2004年（平成16年）1月発行「ワンポイント・レビュー」46頁</a></li>
	<li><a href="#03">「すこやか健保」2004年（平成16年）1月1日発行　Vol662　「おだいじに」第10回</a></li>
	<li><a href="#04">「VISA」（快適生活マガジーン）2004年1＆2月号　70頁「BOOK」</a></li>
	<li><a href="#05">大阪工大摂南大学「大学新報」2003年（平成15年）12月10日号　4頁「図書出版」</a></li>
</ul>
<h4>
<div style="text-align: center">
<img style="width: 140px; height: 201px" src="http://www.y-okabe.org/books/images/upload/infomation01.jpg" alt="infomation01.jpg" width="140" height="201" />
</div>
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;</h4>
<h4>医療関係専門紙誌の論評</h4>
<ul>
	<li><a href="#06">「医療タイムズ」2003年12月8日　No.1650　17頁　「話題の本－Book　Review」</a></li>
	<li><a href="#07">「医療タイムズ」2003年12月1日　No.1649　4頁　「タイムズ・インタビュー」</a></li>
</ul>
<h4>監訳者の論説・エッセー</h4>
<ul>
	<li><a href="#08">社団法人日本在外企業協会「月刊・グローバル経営」2004年（平成16年）3月号</a></li>
	<li><a href="#09">日本証券経済倶楽部機関誌2004年（平成16年）1月　「しょうけんくらぶ」第75号</a></li>
</ul>
<a name="01" title="01"></a>
<h4>一般紙誌の書評</h4>
<h5>日本経済新聞　2004年（平成16年）1月4日(日曜日)　23頁「読書」欄</h5>
<p>
&nbsp;患者主権の仕組み訴える
</p>
<p>
「毎日たくさんの患者を診ているけれど、病院経営を含めて現揚の状況はいっこうによくならない」。病院勤務医である私の知人はぼやく。以前から言われてきたことであり、「もう聞き飽きた」という人も多いかもしれない。
</p>
<p>
しかし、現揚の医師は懸命なのに医療のほころびが目立つ、といった矛盾はますます大きくなっている。システム(仕組み)が悪いせいではないか――こう思えてならない。
</p>
<p>
いま言われている大切なこととして「供給者から需要者に重点を移すこと」がある。需要者＝消費者第一に考えない者は市場からそっぽを向かれるということである。現行の医療の仕組みは消費者(患者)のことを考えない最たるものであると思っていたのだが、どうやらこれは世界共通のことらしい。本書の中に次のような記述があったからである。
</p>
<p>
各国で医療にきしみを生じているのは「理由は明白である。世界の医療制度が消費者以外の第三者に支配されているからである」と。米国では保険会社が、欧州やアジアでは官僚が握っている。消費者の姿はどこにも見えない、と。
</p>
<p>
医療を良くするには、消費者主権の市場を生み出すメカニズムに尻込みする&quot;専門家&quot;の手に委ねるのではなく、消費者の声が反映する仕組みをつくらなくてはならない、と主張する。
</p>
<p>
そして、ユーザーが歓迎する医療保険を提供した企業の事例や政府の役割(貧弱だといわれる米国の公的医療保険制度だが、高齢者を対象にしたメディケアは日本の老人医療よりもある面では手厚い)に言及している。そして、SEC(証券取引委員会)が証券市場を活性化させたように、消費者主権の観点から公平性と透明性を確保する医療サービス版SECの設立を提言する。
</p>
<p>
大学で長く医療経済を研究してきた著者は、『医療サービス市場の勝者』(二〇〇〇年)で現在の医療保険制度に鋭い刃（やいば）を突きつけた。医療保険制度は国によって違うから、米国での指摘がそのまま日本にあてはまるわけではない。しかし、「消費者主権」という考えは共通なものである。このことを教えてくれる。
</p>
<p>
(岡部陽二監訳画竹田悦子訳、シュプリンガー・フェアラーク東京二、四〇〇円)<br />
著者は米ハーバード大教授。医療経営論などが専門。<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (編集委員　中村雅美)
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a name="02" title="02"></a>
<h5>「TOPPOINT」2004年（平成16年）1月発行「ワンポイント・レビュー」46頁</h5>
<p>
「消費者が動かす医療サービス市場」<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
シュプリンガー・フェアラーク東京　2003年11月24日発行　2,400円
</p>
<p>
消費者が主導権を持って動かす医療サービスが、競争原理を生み、市場を活性化させることを、米国の成功例をもとに指し示す。米国でもかつては他の多くの国と同じように、医療制度は消費者以外の第三者に支配されていた。しかし現在、「医療産業こそが経済成長のエンジン」という考えが広がり、起業家精神に富んだ企業が、消費者に情報と選択肢と決定権を与える様々な医療保険サービスを提供し始めている。非効率、患者不在といわれる日本の医療システムを改善するヒントがここにある。
</p>
<p>
(主要目次)<br />
１章　消費者が動かす医療サービス市場/<br />
２章　確定給付型医療保険に対する不安と嫌悪/<br />
３章　確定給付型医療保険一破綻したセーフティー・ネット/<br />
４章　消費者が動かす医療サービス市場一解決の方法/他６章
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a name="03" title="03"></a>
<h5>「すこやか健保」2004年（平成16年）1月1日発行　Vol662　「おだいじに」第10回</h5>
<p>
元旦の計　　　西村一郎
</p>
<p>
一年の計は元旦にあり。僕は、いろいろなことを計画することが好きな性質で、「元旦の計」や「突然思いついた実験計画」などを赤い表紙の大判日記帳に書きつけ、いつも持ち歩いている。壮大な計画は、空想しているときが一番楽しいのだが、いざ実行となるとなかなか計画どおりには運ばないものだ。15年くらい前に、ハーバード大学の医学部教育委員会が、「ニュー・パスウエイ」という、医者と患者の人間関係を重要視した新しいカリキュラムを実行した。教授の授業がほとんど廃止され,代わりに患者さんが語るケースを題材に学生が自主的に学ぶという、まったく新しい教育計画であった。助教授になりたてでこの教育改革に巻き込まれ、夏休み中図書館にこもり患者ケースを書いた。果たして、計画どおりに学生は学ぶのだろうか。そして、この未来の医者たちは患者さんの期待にこたえられるのだろうか。最初の数年は散々だった。学期末に届く厳しい学生の評価から、僕自身が、患者さんの語りに耳を傾ける態度を学んだような気がする。
</p>
<p>
実際、医療の現場では、患者さんから直接、医療サービスに対する評価を受けることはあまりない。患者さんの声の届かないところで計画された医療サービスが、果たしてうまく機能するののだろうか。7年前、UCLAからワイントロープ研究所を任されたとき、研究者と患者さんとの直接交流を前面に押し出すことを提案した。研究所の中央にある半円形のセミナー室は、臨床研究に協力してくださる患者さんと研究者が「語る」場になっている。患者さんの期待に添った研究計画が、ようやく根付いてきたようだ。このコンセプトは、まだ一般的になっていないが、米国国立公衆衛生院という政府機関では、早くから評価してもらっている。
</p>
<p>
新年を迎え、僕は新しい赤い日記帳に、ハーバードビジネススクール、ヘルツリンガー教授の新刊書、「消費者が動かす医療サービス市場」(邦訳版、岡部陽二監訳、 　シュプリンガー・フェアラーク東京）を必読書として書きつけた。医療の現場で、患者さんの語りに耳を傾ける時代が、本当にやってきたようだ。ところで、最近家内が僕の赤い日記帳に目をつけ、連絡メモを貼り付けはじめた。新年は、家内の語りにも耳を傾けるという計画を、元旦の計にいれるべきだろうか。
</p>
<p>
西村一郎　1956年生まれ。東京歯科大学卒、ハーバード大学大学院終了後、同大医学部研究員,歯学部助教授を経て、現在UCLAワイントロープ再建生体工学センター教授。専門は補綴歯科および組織工学。
</p>
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</p>
<br />
<hr />
<a name="04" title="04"></a>
<h5>「VISA」（快適生活マガジーン）2004年１＆２月号　70頁「BOOK」</h5>
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「消費者が動かす医療サービス市場」<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
シュプリンガー・フェアラーク東京　2003年11月24日発行　2,400円
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米国と違い、国民皆保険制度のある日本だが、その医療システムには問題点も多い。待ち時間が長いのに、診察は短時間という効率の悪さに不満をもった人は多いのではないだろうか。医師ではなく消費者に情報と選択肢と決定権を与えることにより、医療の質が高まり､効率化にもつながる。本書は、その試みによる米国での成功例が豊富に盛り込まれた専門書。医療サービスの価格や公的保険保障内容を政府が握っている日本への、政策提言にまで結びつけている。
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<a name="05" title="05"></a>
<h5>大阪工大摂南大学「大学新報」2003年（平成15年）12月10日号　４頁「図書出版」</h5>
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「消費者が動かす医療サービス市場」－米国の医療サービス変革に学ぶ<br />
広島国際大学　岡部陽二教授　監訳
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<p>
本書は、米国ハーバード大教授のレジナ・E・ヘルツリンガー氏の原著を岡部教授が監訳した。より高い質で低価格のサービスを生み出すことを可能にする消費者主権の医療サービスの仕組みを解き明かすため、その理論と機能について解説している。
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<p>
初めに、消費者が豊富な選択肢から自分に最適な医療保険を選べるようなシステムの未来図を描いている。次に医療保険の改革に呼応して消費者の要求にこたえるため、医療機関が打ち出そうとしている重要な革新を紹介。最後に、医療の安全性を確保しつつ、公正な自由競争を促進するに当たっての政府の果たすべき役割に言及している。
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<p>
最新の米国医療サービス市場動向が紹介されており、これからの日本の医療改革と企業経営を考える上で、役立つ内容となっている。
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B6判、四二六頁。(シュプリンガー・フェアラーク東京・二、五二〇円)
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<a name="06" title="06"></a>
<h5>医療関係専門紙誌の論評</h5>
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「医療タイムズ」2003年12月８日　No.1650　17頁　「話題の本－Book　Review」
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『消費者が動かす医療サービス市場』－米国の医療サービス変革に学ぶ<br />
レジナ・E・ヘルツリンガー著<br />
岡部陽二監訳
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A5判426頁/定価2,400円＋税<br />
〒113-0033　シュプリンガー・フェアラーク東京<br />
東京都文京区本郷3-3-13　電話；03-3812-0757
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著者レジナ・ヘルツリンガー教授の3年前の邦訳書「医療サービス市場の勝者」につづく2冊目の著書。アメリカより早い出版だそうである。前著は日本で9版を重ね約一万部を売っている。「だれが医療サービス革命の勝者となり、敗者となるか?そのカギを握っているのは政府でもなく、医療保険でもない。消費者と医療機関とで成り立つ&quot;市場&quot;そのものであってこの双方向の市場で競争原理が有効に機能することによって
</p>
<p>
安価で効率的な医療サービスの提供が可能になる」と論じた。新著では、マネジドケア(管理医療)を否定する世の流れの変化の中で、企業家精神に富んだ医療保険会社や各種の企業群が革新的で多様な&quot;消費者主権の医療サービス商品&quot;を続々と提供しはじめて、消費者の支持を得ている、そんな現状を生き生きととらえ紹介している。その中で著者は繰り返し、繰り返し、「医療サービスは消費者主権に徹しない限り改善されない」と訴える。
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<p>
著者はハーバード大学経営大学院で医療経営論・経営工学論を担当している。監訳者の岡部陽二氏は元住友銀行専務・現在広島国際大学医療経営学科教授、医療経済研究機構専務。
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<a name="07" title="07"></a>
<h5>「医療タイムズ」2003年12月1日　No.1649　4頁　「タイムズ・インタビュー」</h5>
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広島国際大学医療福祉学部教授・医療経済研究機構専務理事　岡部陽二氏<br />
「2冊目の監訳書『消費者が動かす医療サービス市場』を出版しました」
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<p>
――2冊目の監訳書『消費者が動かす医療サービス市場』（レジナ・E・ヘルツリンガー教授）を出版されました。前著『医療サービス市場の勝者』（同著者）に次いで日本の医療界に示唆するところの非常に大きい著作です。
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<p>
「著者は米ハーバード大学経営大学院の専任教授で、歯切れのよい彼女の講義は最も人気のある講座に選ばれています。&quot;消費者主権の医療システム&quot;ちは、消費者と医療機関の双方に自由を与え、競争市場が持っている緊張感をつくり出すことです。日本の医療サービス分野にはそれがなく、診療報酬の支払い方式も均一で医療機関の質向上へのインセンティブがありません。日本の医療サービスの非効率性はそこからきていると指摘し、最近の米国における消費者主権の医療サービスメニューを続々と送り出している企業家たちを紹介しています。米国と日本とは医療現場の実像は大差がなく、学ぶことが非常に大きいです」
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<p>
――米国のマネジドケア(管理医療)が失敗したあとのトレンドですね。
</p>
<p>
「医療サービスの世界も『管理』ではなく、消費者が白由に最適の医療を選べるような、創意に満ちた起業家のイノベーションに期待しています。この本は日本の保険医療制度改革と病院経営を考えるうえで、米国の最新の医療サービスを市場動向とあわせて、貴重な実務書ともなっています」
</p>
<p>
――ところで3年前に出版の本『医療サービス市場の勝者』はいままでどのくらい売れたのですか?
</p>
<p>
「前著は市場原理をテコにした医療システム改革論を消費者の視点から掘り下げて発展させた医療政策論ですが、この3年間で７版を重ね約1万部売れています。読者からは、日本と米国の医療保険制度や医療サービス水準の違いを超えて共感するところが多い、といった声を多く頂いています。米国でも時事書籍のベストセラーになり反響が大きいようです。新著は米国に先がけて刊行しました。日本の医療改革になんらかのお役に立てば嬉しいです」
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<p>
――国際金融の世界でグローバルな活躍されてきた立場から一転して医療福祉専門大学の教授に身を投じて6年目。さらに3年前から厚生労働省関連の「医療経済研究機構」専務理事としても重きをなしていますが。
</p>
<p>
「広島国際大学医療福祉学部医療経営学科の創設にかかわったのですが、よもやここまで伸びるとは当初思ってもいませんでした。ミラクルです。いまは医療福祉学部、看護学部と診療放射線技師、臨床工学士養成の保健医療学部、臨床心理士養成の人間環境部ですが、来年度には薬学部も発足します。教授93人、助教授55人、講師157人を擁する大学になりました」
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<p>
――入学者や就職状況は?
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<p>
「広島県下には15の私立大学がありますが本学は定員倍率1.27、入学者数(０３年度)1242人で第2位。就職率は全国大学ベスト20の中に入り、11位にランクされています。医師とOT,PTの養成コースはありませんが、この大学の出身者だけで病院がつくれる規模になりました。あとは教育の質です。国立の広島大学とは補完関係にあります。大学院もできました」
</p>
<p>
――医療経済研究機構専務理事としての仕事は?
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<p>
「ここは厚労省医政局、保険局、老健局の調査・研究部門といっていい機関ですが全体の調整役をやっています。また、『医療経済学会』の立ち上げのお手伝いもしています。これも、いろんな流派の医療経済学者間の調整役ですね」
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<p>
――医療の世界に入って6年。いま考えていることは?
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<p>
「医療保険制度改革の核心は『混合診療』を認め、拡大していくことです。株式会社の参入は医療法人からの転換よりもむしろ大学病院のような大組織に導入する方がメリットがあります。ロースクールのような医療分野の専門職大学院ができて医師が経営学を学び、将来的にはメディカルスクールが設立されることを期待しています」
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<p>
(11月12日東京・虎ノ門の本社で)
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おかべ・ようじ氏<br />
1934年東京生まれ、京都育ち。69歳。57年京都大学法学部卒。57年往友銀行入行、80年同国際投融資部長、84年取締役、84年同ロンドン支店長、85年同常務(欧州駐在)、88年同専務就任。93年住友銀行退職(通算36年間住銀勤務)。その後、明光証券会長、住銀インターナショナル・ビジネス・サービス会長を経て、98年4月広島国際大学医療福祉学部医療経営学科教授就任。大学院教授兼務。０１年医療経済研究機構専務理事を兼務。著書に「岡部陽二著作集～一国際金融人の軌跡」「新通貨ユーロの教訓」。2000年「医療サービス市場の勝者～米国の医療サービス変革に学ぶ」(レジナ・E・ヘルツリンガー著)を監訳出版。現在東京三鷹市在住。E-mail；y-okabe@hh.iij4u.or.jp　URL;　http://www.okabe.org
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<h5>・ 監訳者の論説・エッセー</h5>
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社団法人日本在外企業協会「月刊・グローバル経営」2004年（平成16年）3月号
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消費者が動かす医療サービス市場<br />
広島国際大学　教授　岡部　陽二 　　　　　　　　　　　　　　　　
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このほど、私の監訳でハーバード大学経営大学院レジナ・ヘルツリンガー教授著の『消費者が動かす医療サービス市場』を出版した。本書は三年前に邦訳版を出版した同じ著者の手になる『医療サービス市場の勝者』の続編として,前書の原著出版後この六年間に起こった米国医療の変貌を詳細に分析のうえ、医療サービス・システムの未来図を大胆に描いた政策提言の書となっている。日本語版は原稿段階から翻訳にとりかかった結果、米国での原著の出版に先駆けて刊行された。
</p>
<p>
本書のテーマとなっている二つの物語をかいつまんで、ご紹介したい。まずは、医療保険選びの空しさについての著者の実体験からの一部の引用である。
</p>
<p>
『他の郵便物に混じって、茶色と白のハーバード大学紋章入りの、見慣れた大きな封筒があるのを見つけ、私の心は憂鬱になった。封筒の表には「保険給付のご案内」という文字が花綱に飾られ、まるでパーティーの招待状のようであった。だが、保険給付の選択はパーティーとでは大違いであった。
</p>
<p>
封筒の中には不吉な予感を与える分厚い冊子が入っており、私の雇用主であるハーバード大学が提供する保険給付プランが並んでいた。保険給付を選ぶ作業の大半は苦にならない。作業の一部は楽しいと言ってもよい。だが、医療保険の選択では、不安と嫌悪感が私を憂鬱にした。医療保険商品には本当の意味での選択の余地がないことに、私は無力感を覚えたのである。医療保険会社と医療機関に関する情報の欠如には、あきれて物も言えない気分にさせられた。
</p>
<p>
さらに、私の望む医療給付内容や行きつけの医療機関名が含まれていないことに加えて、医療保険の価格の高さには、病気になったり転職したりしたらどうなるだろうと将来への不安を抱かずにはいられなかった。なぜ、私は医療保険についてはこれほど不満を覚えるのであろうか？』
</p>
<p>
本書には、その答えが的確に示されている。一世を風靡したマネジドケア（管理医療）というコンセプト自体、論理矛盾であるとして全面的に否定する論陣を張ってきた筆者は、マネジドケアが事実上崩壊した現状を踏まえて、医療保険にも消費者の選択肢が豊富な401ｋ年金同様の確定拠出型を導入すべきであると熱っぽく提唱している。
</p>
<p>
もう一つは名医を素早く探せる評価システムの物語である。
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<p>
『東海岸のサウスカロライナ州エイケンに住むグレゴリ―・ホワイト・スミスとスティーブン・ネイフェは、病人が自分の症状に最適の「最高の医師」を選べる仲介サービスを行なっている。そのデータベースには、同僚医師がそれぞれの分野の「ベスト」として名前を挙げた三万人以上の医師が登録されている。
</p>
<p>
この情報には、かなりの需要がある。グレッグとスティーブと知り合ったここ数年のうちに、私は誰かに会うと半ばお決まりのように、その人を彼らに紹介してきた。一人は自分の前立腺ガンの手術をしてくれる「最高の医師」を探していた友人である。別の一人は、子供の発達の遅れを心配する母親で、遺伝子相談の分野で「最高」のカウンセラーを探していた。
</p>
<p>
彼らの提供するサービスを利用した人々はたいてい、それを絶賛する。何と言っても、情報を探す過程を短縮できることはもちろんだが、それより重要なのは、病に打ちひしがれ、藁にもすがりたい時に、その人々が求めている力と決定権を与えてくれる点である。
</p>
<p>
他の多くの消費者主権の医療サービス革命家と同じく、スミスとネイフェの二人にも、人々のニーズに合わせて医療サービスの世界を構築するという並外れた才覚がある。ハーバード大学で法学を学んだ二人だが、法律よりも文筆業を選んだ。そして大いに成功し、共著のジャクソン・ポラックの伝記はピューリッツァー賞を獲得した。だが、完璧な人生というのはめったにないものである。この因習を打破する有能なコンビにも、悲劇が訪れた。グレッグ・スミスが脳腫瘍と診断された。ある高名な医師が厳かに、余命数カ月の宣告を下したのである。
</p>
<p>
スミスは甘んじて、この死の宣告を受け入れたであろうか？とんでもない。
</p>
<p>
代わりに、彼の命を救ってくれる最高の医師を懸命に探した。その途上で、あまりにも多くの最高とは言いかねる医師らに出会った。その医師らは権威を振りかざし、彼を侮辱し、虐げた。死の宣告を受けた日からおよそ二〇年も経った現在の彼のがっしりした体格と隙のない身だしなみを見れば、彼の探求が成功したことは明らかである。
</p>
<p>
「最高の医師」というコンセプトは、彼の探求の結果として生まれたものである。スミスとネイフェは自分たちが最高の医師を探す過程で忍ばねばならなかった、長く回り道だらけでお金のかかる屈辱的な苦労の数々を、病気に苦しむ他の人々が味わわずに済むように、この情報提供サービスを生み出したのである』
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<p>
本書には、このような医療改革の成功や失敗の実例が豊富に紹介されており、わが国の医療システム改革に当たっても、筆者の処方箋が大いに参考となる。本書の概要は、私のホームページhttp://www.okabe.orgに掲出されており、米国からのご注文はシュプリンガー・フェアラーク東京㈱のJiro Adachi&quot;<a href="mailto:j-adachi@svt-ebs.co.jp">j-adachi@svt-ebs.co.jp</a>&quot;あてにE-mailを入れて頂けば、クレジット・カード払い送料込み25ドルでお届けしている。
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<h5>日本証券経済倶楽部機関誌2004年（平成16年）1月　「しょうけんくらぶ」第75号</h5>
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証券市場に学ぶ医療サービス改革 岡部陽二
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<p>
このほど、私の監訳でハーバード大学経営大学院レジナ・ヘルツリンガー教授著の「消費者が動かす医療サービス市場」を出版した。本書は三年前に邦訳版を出版した同じ著者の手になる「医療サービス市場の勝者」の続編として,前書の原著出版後、この六年間に起こった米国医療の変貌を詳細に分析のうえ、医療サービス・システムの未来図を大胆に描いた政策提言の書となっている。
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著者はかねてより「市場原理を導入したマネジドケア（管理医療）」というコンセプト自体、論理矛盾であるとして全面的に否定する論陣を張ってきた。結果的には、九〇年代に米国で一世を風靡したマネジドケアは、著者の予測どおり消費者に嫌われて「出し渋り医療」のレッテルを貼られ、今や完全に崩壊している。本来、医師と患者の合意により成立すべき医療行為に、医療費抑制のための手段として第三者である保険団体が介入して、ゲート・キーパー医を通さないと専門医に診て貰えないとか、手術の必要性や方式にまで保険団体が口を挟むといった不条理が罷り通ったのは、たしかに行き過ぎであった。医療費抑制のためのマネジドケアに要する管理費用が嵩んで、これが医療費の膨張に拍車を掛けるといった矛盾も発生している。
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<p>
その結果、二〇〇〇年代に入って、米国の医療費は再び二桁台の急上昇を始めているが、この高騰を負担する資金余力は企業保険にも公的保険にもなく、結局は患者の自己負担増となっている。このような事態に対処して、高い質の医療を持続的に支える方策として、著者は本書において証券市場で成功したいくつかの方式を医療サービス市場にも導入すべきであると論じている。
</p>
<p>
その第一は、医療保険についても、年金保険と同様に四〇一ｋ型の確定拠出方式を採用すべしという主張である。雇用主企業の保険料負担を抑制すると同時に、消費者の主導権と選択権を充足させる仕組みとして、「確定拠出型」が優れていることの論証が本書の中心テーマとなっている。
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<p>
一口に医療といっても、その内容はますます多様化・高度化しており、消費者の医療サービスに対するニーズは区々である。たとえば、健康に自信があるので、不慮の事故にだけ備えたいとか、慢性疾患に罹った場合の長期療養のカバーが不可欠であるといったのが個々人の要望であり、まさに401ｋ年金での「高リスク・高リターン」か「低リスク・低リスク」かの選択と同工異曲である。雇用主企業が多様な医療保険商品を品揃えして従業員に選択させることにより、従業員の満足度を高めることができる点に「確定拠出型」のメリットのポイントがある。その一方では、限定されたリスクに対応した保険商品の設計を保険会社に競わせることにより、保険料の引下げを可能にするという考え方である。
</p>
<p>
今のところ、この「確定拠出型」医療保険は、米国では主に中小の保険会社が手掛けており、二〇〇一年の市場シェアは八％程度に過ぎない。ところが、数年内には大企業も雪崩を打って現行の「確定給付型」から「確定拠出型」の医療保険へ移行するものと、著者は大胆に予測している。この予測が当たれば、「確定拠出型」が民間医療保険の主流となり、大手の医療保険会社も現在の企業向け卸業務から、消費者の選択肢を豊富に取り入れた小売業務へと舵を切り替えざるを得なくなる。
</p>
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第二のポイントは評価システムである。証券市場には、ムーディーズのような歴史のある格付け機関に加えて、投信のリスクを定量的に測定して五つの星で簡潔に評価するモーニングスターのような評価会社などが多数存在する。その評価を頼りに、企業の内容を分析する能力など持ち合わせない素人であっても、ある程度安心して株式や投信に投資をすることが出来る。もっとも、証券市場における情報の開示度にも問題はあるが、会計基準の統一や評価会社の努力によって、一段と整備が進んでいる。医療の世界にこのような仕組みを採り入れる努力も一部でなされてはいるものの、まだまだ情報不足であり、客観的な評価基準も確立されていないのが現状である。
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<p>
本書によれば、米国でもっとも信頼されている医師の評価は、医師仲間の同僚評価を基に三万人以上の医師を評価した「ベスト・ドクターズ」である。医師の質を独特の手法で評価する事業をベンチャー企業として始めたのは、ピューリッツアー賞を受賞した伝記作家二人で、そのうちの一人が最初に診て貰った医師から脳腫瘍で余命数ヶ月と診断されたことが、名医探求の動機となった。彼の命を救ってくれた医師を自分で探し出した経験が、「ベスト・ドクターズ」というコンセプトとして結実した。彼らのサービスを受けた人々の多くは、そのサービスを絶賛している。それは、単に情報を得る過程が短縮されるというだけではなく、利用者に決定権を与え、生きる力を与えてくれるからである。
</p>
<p>
第三に、証券市場の効率性を高めるための知恵の中で、医療界にも採り入れる必要があるのは,医療版ＳＥＣ（証券取引委員会）の設立であると著者は主唱している。証券市場における取引価格は情報によって形成されているが、その情報の公正さを担保しているのが、ＳＥＣの機能である。情報そのものは企業や評価機関から発信されるので、ＳＥＣの役割は「真実を告げる義務」を売手に課して、すべての重要な事実を公開させることにある。一九三四年に,証券市場の信頼を回復させるための切り札としてフランクリン・Ｄ・ルーズベルト大統領が設立に踏み切ったＳＥＣが、その後の米国証券市場の健全な発展に寄与した効果には絶大なものがあった。
</p>
<p>
一方、医療サービス情報については、情報量も限られており、その質の評価がまだ初期の段階にあることは誰しも認めるところである。何を公開し、どう評価すればよいのか、どこまで公開すべきか、個人の特性に応じた調整はどうするのか等々未解決の問題が多い。消費者のほとんどが現在入手できる情報には見向きもしないのは当然であろう。このような状況から脱却して、消費者の信頼をかちとるには、医療機関に真実を告げる義務を課して、それを常時監視する公的機関の設置が必須であると著者は力説している。
</p>
<p>
医療サービスの質を高めるには、消費者に選択肢と決定権を与えることが何にもまして重要であること、そのために不可欠な正しい情報を医療機関などが豊富に提供し、その真実性を担保する仕組みが必要であることを、本書は具体的に分かり易く懇切に説いている。
</p>
<p>
（個人会員、広島国際大学教授、医療経済研究機構専務理事）
</p>]]></description>
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         <pubDate>Mon, 16 Apr 2007 00:33:31 +0900</pubDate>
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