2025年6月5日に、グリニッジ王立天文台の創設350周年記念切手が発行された。1675年の創設以来、この王立天文台で達成された科学的発展と歴史的な功績を図案化した切手6枚と4枚のミネチュア・セットで構成されている。
上段左から順に、
① 元の天文台の建物であるフラムスティード・ハウス。この天文台は、元々は世界貿易の航海に役立つ正確な星図を提供するために、クリストファー・レンの設計で建造された。
② エアリー・トランジット・サークル望遠鏡。
③ シェパード ゲート時計。グリニッジ標準時(GMT)はシェパード・ゲート・クロックによって公開され、電信信号による配信は人類の日常生活に欠かせないものとなった。
シェパード・ゲート・クロックで目につくのは、通常の12時間表示ではなく、24時間表示であること。つまり、正午12の時針は真上ではなく真下を指している。
下段左から順に、
④ 本初子午線。グリニッジ子午線に基づく海図が世界中の船舶で広く使用されたことで、1884年にこの子午線が世界共通の東西の起点として国際的に認められることになった。本初子午線がある場所としての歴史的な事実を重く見て、世界文化遺産にも登録されている。
赤道が北半球と南半球を分けるように、本初子午線は東半球と西半球を分けている。ただ、北極と南極から等距離にある赤道とは異なり、グリニッジ子午線は人為的に世界を東西に区分するべく設定された分岐点である点に意味がある。グリニッジの本初子午線は、王立天文台の中庭に固定された金属製の線によって示され、夜間はレーザー光線によって示される。
この線をまたぐと、片足は東に、片足は西に位置することになるが、筆者は日本からのお客を案内してこの変哲もない直線の子午線を何回跨いだことか。
⑤ 英国最大の屈折望遠鏡である大赤道儀望遠鏡。
⑥ アニー マウンダー天体望遠鏡、6枚とも額面はいずれも1st。
さらに4枚の切手がミニチュアシート(上掲)として発行された。2026年に死去250周年を迎えるのを前に、受賞歴のある時計職人ジョン・ハリソンと彼の海上時計職人たちに敬意を表している。切手には、ハリソンが海上で経度を測定するために考案したH1、H2、H3、H4として知られる試作品が掲載されている。4枚とも額面はいずれも1st。
