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ジェーン・オースティン(Jane Austin)「偏見と傲慢」出版200周年記念 ~英国切手の魅力シリーズ(36)~ 



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 20132月にジェーン・オースティン(Jane Austin)の「偏見と傲慢」出版200周年を記念して、彼女の長編小説6作品からそれぞれ1場面を採り上げた画像の切手が発行された。小説の発表順に、切手下部には小説のタイトルが記載されている。、切手画像下部にはその情景の源となった小説のフレーズが表示されている切手アルバムのコピーを貼り付けた。

 左から順番に①分別と多感Sense and Sensibility1811年刊行)、②高慢と偏見Pride and Prejudice1813年刊行)、③マンスフィールド・パークMansfield Park1814年刊行)(上掲)、④エマEmma1816年刊行)、⑤ノーサンガー僧院Northanger Abbey1817年刊行)、⑥説得Persuasion1818年刊行)(下掲)となっている。

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ジェーン・オースティン(17751817年)は18世紀から19世紀にかけてのイングランドの中流社会を舞台として、女性の私生活を結婚を中心として皮肉と愛情を込めて描いた。彼女の長編小説6編はいずれも平凡な田舎での極めて限られた範囲での日常の出来事を題材としている。登場人物は切手の画像にも見られるとおり、名家の娘と牧師や軍人などの紳士で、この男女が紆余曲折を経てめでたく結婚して終わるという単純なストーリであるが、その平凡な生活の中での階級社会の人間模様を鋭い感性とユーモアで徹底的に活写している。「大した事件も起こらないのに、ページを繰らずにはいられない」とサマセット・モームも高く評価している。

中でも「高慢と偏見」は精緻を極めた人物描写と軽妙なストリーの展開で、オースティンの著作の中でも英国近代小説の頂点を極めた傑作として名高く、これまでに6回も映画化されている。

時恰もジェーン・オースティンの肖像が来年(2017年)1月から現在のチャールズ・ダーウインに代わって10ポンド紙幣の裏面図柄に採用される。(下掲)英国の紙幣の表にはエリザベス女王の肖像、裏には歴史上の有名人が描かれているが、今回は英蘭銀行が「歴史上の創造的な人物」を公募する方式でジェーン・オースティンが選ばれたものである。2004年にわが国の5千円札に樋口一葉(18721896年)が登場したのと軌を一にする。

ちなみに、5ポンド紙幣には本年9月から女性社会活動家のエリザベス・フライに代えてウィンストン・チャーチルが掲げられている。この結果、20ポンドはアダム・スミス、50ポンドはマシュー・ボールトンとジェームズ・ワットと紙幣の肖像を男性が独占した。ジェーン・オースティンの登場は、これに抗議して女性を紙幣に載せるよう求めてスタートしたキャンペーンの成果でもあるが、マーク・カーニー英蘭銀行総裁は「彼女の小説は不朽であり、世界的に愛されている。英文学史上最高の作家の一人です」とコメントしている。

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