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シェクスピア没後400年記念 ~英国切手の魅力シリーズ40)~ 


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本年(2016年)45日にウィリアム・シェクスピア(William Shakespeare1564426日~1616423日)の没後400周年を記念した10枚の単片記念切手が発行された。

二人の能筆家(Calligrapher)の手によるシェクスピア劇の台詞と詩文が切手図柄となっている。文字だけの図柄はきわめて珍しい試みである。5枚ずつに分けて上下に掲出する。

シェクスピア劇の有名な台詞は422日付けのロイヤル・シェクスピア・カンパニー皇室免許50周年記念(英国切手の魅力シリーズ156枚切手にも名優の画像とセットで描かれているので、併せご覧いただきたい。

切手の図柄に描かれている台詞は左上から右へ順に次のとおり。

1、 To thine own self be true (Hamlet)

(これは特に一番大切なことだが)己れ自身に真実であれということである。(ハムレット)

2、Cowards die many times before their deaths. The VALIANT never taste of death but once. (Julius Caesar)

臆病者は本当に死ぬまでに幾たび死ぬかわからん。勇者はただ一度しか死を味わわない。(ジュリアス・シーザー)

3、Love' is a smoke made with the fume of sighs (Romeo and Juliet)

恋は溜息のいきれで立ち昇る煙だ。(ロミオとジュリエット)

4、The fool doth think he is wise, but the wise knows himself to be a fool.(

As you like it)

愚かな者は自分を賢いと思っているが、真の賢者は自分が愚かであることを知っている。(お気に召すまま)

5、There was a star danced, and under that- - was I - - BORN.(Much ado about nothing )

(ベアトリース:いいえ、閣下、母はその時刻に泣いたに違いありません。けれども、ちょうどその時、)ある星が踊っていて、そのすぐ下で私は生まれたそうです。(むだ騒ぎ)

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6、But if the while I think on thee, Dear friend, All losses are restored and sorrows end. (Sonnet 30)

(過ぎ去った日々の悲しみを思い出しては悲嘆にくれ
重い気持ちでひとつずつ数え上げては
昔の悲しみを改めて悲しみ直す それはとっくに
すんでしまったはずの支払いをもう一度するようなものだ)
だが愛する友よ 君を見ている間は
損失は償われ 悲しみは消え去る (ソネット30

7、Love comforteth like sunshine after rainVenus and Adonis

愛は雨後の日光のごとく慰めを降りそそぐ。(ヴィーナスとアドーニス)

8、We are such stuff as dreams are made on;And our little life is rounded with a sleep. (The Tempest)

我々は夢と同じ物で作られており、我々の儚い命は眠りの終わりと共に終わる。(テンペスト、あらし)

9Life'but a walking shadow, a poor player. That struts and frets his hour upon the stage.(Macbeth)

人生は動く影に過ぎない。哀れな役者だ。舞台の上の与えられた時間を、乗っ取って歩いたり、いら立ったりするが、やがては人の口の端に上がらなくなる。

10I wasted time, and now doth time waste me. (Richard)

私は、時をただ空費していたが、今では時が私をむだに使っている。(リチャード二世)

シェクスピアの戯曲には恋文などの手紙を読む場面がたくさんあり、彼自身も故郷を離れてロンドンで活動していた期間が長かったので、多くの手紙を家族や友人に出したものと推測されている。しかしながら、現存する彼の書いた書簡は一通も残っておらず、彼の友人がシェクスピア宛に書いたものの発送されなかった手紙が一通発見されているだけである。当時すでにロイヤル・メールを一般人も利用できたが、シェクスピアはプライベートの使送便を使っていたようである。

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