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第15回ファイザー・ヘルスリサーチフォーラムでの医療経済研究機構専務理事ご挨拶

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 医療経済研究機構の専務理事を務めております岡部でございます。第15回ファイザー・ヘルスリサーチフォーラム協賛研究機関を代表して一言ご挨拶申し上げます。

 第17回となります本年度の研究助成は採択件数22件、金額では約60百万円と決定されております。この助成額は前年・前々年に比べて、ほぼ5割増となっております。一方、応募件数は、昨年の148件から183件に増えましたので、研究プロジェクト採択に当たっての競争には熾烈なものがあり、研究の質は一段と高まるものと期待されております。

 皆様方もご存知のとおり、ファイザー社は、難しい経営環境下にありながらも、リストラを進める一方で、新しい研分野への挑戦や積極的なM&A戦略で、高い収益率を維持しておられます。この6~9月期も、予想を上回る好業績で、株価全面安に中にあって、ファイザー社の株価は比較的に堅調に推移しております。日本担当のファイザー製薬も岩崎新社長のもとで、研究所の分離などを進められ、国内の医療用医薬品売上高は昨年4,200億円を超えて、国内トップの座を狙う位置につけておられます。

 そのおかげで、「ファイザーヘルスリサーチ振興財団」のご尽力により、この研究助成と「ヘルスリサーチ・ワークショップ」を引続き行なって頂けますのは、研究者にとって大変ありがたいことです。この分野におけるファイザー社の積極的な研究助成活動・学術振興のご支援に、心から敬意を表し、関係者の一人として、厚く御礼申し上げます。

 近年、人々の生活と生命の質に対する関心は一層高まり、保健医療・福祉技術をクオリティー・オブ・ライフの向上に結びつける需要サイドからの「ヘルスリサーチ」が国際的に重要視されつつあります。しかし、わが国においては、疾病の診断治療や公衆衛生の技術など、医療の「提供者側」からの研究が重視され、医療の「受け手側」に立った調査研究についての関心は十分な発達を見ているとは言い難い実情にあります。ファイザーヘルスリサーチ財団は、このような背景のもとで16年前に設立され、調査研究プロジェクトの助成がなされて来ました。今年のフォーラムの基本テーマは「現場の問題解決を目指して」と設定されておりますが、本日の研究発表の演題を拝見しましても、現に需要サイドからの足が地についた研究実績が増えてきたように実感しております。

 ところで、一咋年6月に「医療経済学会」が設立され、本年7月には西村周三先生を大会長に京大で第3会学術総会が開催されました。学会の発足に伴いまして、これまで医療経済研究機構が編集発行しておりました「医療経済研究」誌は学会誌として機構との共同編集体制をとることになり、法政大学の小椋正立先生が編集委員長に就任され、年3報発行の体制が整いました。学会誌の次のステップは研究論文の本数を増加して行くとともに、それ以上に研究論文の質を高めていくことです。

 ファイザーヘルスリサーチの研究助成におきましても、高い研究の質を担保する観点から、研究助成の条件として「研究成果は学術誌・学会誌等の専門誌に投稿すること」が明示されております。つきましては、ファイザー財団で採択された研究プロジェクトの成果発表の場の一つとして「医療経済研究」誌を活用されるようお勧めし、積極的なご投稿をお待ちしております。

 ファイザー・ジャパンは岩崎新社長のもと「企業市民、そして善き市民としてのファイザー」という標語を掲げて、「真に実効性のある社会貢献プログラムとは何か」といった問題意識をもって活動を展開しておられます。その中でも、冒頭に申し上げましたようにヘルスリサーチ研究への助成が目玉の一つです。研究体制が立ち遅れているこの分野での研究振興に着目されたファイザーヘルスリサーチ振興財団の先見性に改めて敬意を表し、このフォーラムが21世紀に入ってますます充実した存在感のある研究交流の場として力強く発展されることを期待致しまして、私の挨拶と致します。

(2008年11月15日、千代田放送文化会館にて開催された第15回ファイザー・ヘルスリサーチフォーラムでの挨拶)

 

 

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