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産業革命(Industrial Revolutions)~英国切手の魅力シリーズ69~



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 2021年8月12日、産業革命のハイライトを称える6葉の記念切手(上掲)と電気革命のマイル・ストーンを示した4葉の記念切手シート(下掲)が発行された。

 これらの図案は、1700年から1870年に至る英国の産業革命の研究者である歴史家のBarrie Trinderの協力を得て作成されたものである。これらのデザインは「産業革命」の実現を可能にした最も注目すべき発明と科学技術の進歩の背後にある創意工夫と開拓者精神を強調している。

 6葉の切手には、左上隅に著名な技術開発の名称、左下にその簡単な説明と発明者の名前が記されている。

1、左上、額面;2nd(66ペンス) 大規模な鋼の生産を可能にしたベッセマー法

 この製鋼プロセスは、その発明者であるヘンリー・ベッセマー(1813-98)に因んで名付けられた。ベッセマーは、溶鉄に空気を吹き込むと激しい発熱反応が起こることを発見、結果として得られる軟鋼の大規模製造を可能にした。

2、左下、額面;2nd(66ペンス) ジェームズ・ワット(1736-1819)によって開発された回転蒸気エンジン

 ワットはイギリスのバーミンガムにあるソーホー製作所のマシュー・ボールトン(1728-1809)と提携し、最初の蒸気エンジンを1776年に完成した。

3、中央上、額面;1st(85ペンス) ペニダレン機関車と呼称された最初の蒸気鉄道機関車

 1804年にリチャード・トレビシック(1771-1833)によって製造された。1804年2月、ペニダレン機関車は、9マイルの間を10トンの鉄と約70人の兵士を牽引して運んだ。

4、中央下、額面;1st(85ペンス) "Spinning Jenny"(紡績ジェニー)と呼ばれた紡績機

 James Hargreaves(1720-78年頃)は、1764年頃に複数のスピンドルを採用した最初の紡績機を製造した。この紡績機は糸の生産性を飛躍的に向上させ、開発後100年間にわたって繊維産業の一部の分野で使用されていた。

5、右上、額面£1.70 ロンベの製糸工場

 ジョン・ロンベ(1693-1722)と彼の異母兄弟のトーマス・ロンベ(1685-1739)にちなんで名付けられた5階建ての製糸工場。水力を用いて成功した最初の多層繊維工場であった。

6、右下、額面£1.70 ポートランド・セメント工場

 ジョセフ・アスプディンが1824年にポルトランド・セメントを開発した。その名称はポルトランド石に似ているところから付けられた。ジョセフ・バザルジェット(1819-91)は、ポルトランド・セメントを使用してロンドンに下水道のネットワークを構築した。

 4枚の切手シートは、電気革命の重要な進展を祝うもので、シートの上部には"The Electric Revolution"、下部には"Wonders of the Age"と"Harnessing the Power of Electricity"と印刷されている。

 1、左上、額面;2nd 英国の実験家マイケル・ファラデーによる画期的な1831年の発電

 コイル・ワイヤーと磁石のみを使用しており、ファラデーが製作した装置の下部に「将来の発電の基礎を築いた」と要約されている。

2、右上、額面;1st 1858年に最初の大西洋横断ケーブルが米国と英国の間に敷設され、両岸の2人の人物が握手をしている図案

 下部に「数秒で2,000マイルのケーブルで通信」と印刷されている。

3、左下、額面;£1.70 英国初の大規模な交流発電所であるデプトフォード発電所

 バスチャン・デ・フェランティ(1864-1930)は、1888 - 89年にロンドンのデプトフォードに最初の発電所を建設した。

4、右下、額面;£2.55 ジョセフ・ウィルソン・スワン(1828-1914)が開発した最初の白熱電球

 下部の碑文には、彼が「スワン・エレクトリック・ライト・カンパニーの創設者」であると書かれている。スワンは1880年に電球の特許を取得し、電球を製造するためにニューカッスル・アポン・タインに工場を開設し、その電球がロンドンのサヴォイ劇場を照らした。


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