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再導入された絶滅危惧種(Reintroduced Species)~英国切手の魅力シリーズ(55)~


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 2018年4月18日に、近年英国で活発化してきた絶滅危惧種の動植物再導入活動を支援する目的で記念切手6枚(上掲)が発行された。

 上段左(1st ); オスプレイ(Osprey、学名:Pandion haliaetus、日本名:ミサゴ)

 オスプレイは英国の景勝地・湖水地方で観ることができる体長:166センチ、体重:19キロに達する巨大な渡り鳥。観察できるのはバセンスウエイト湖(Bassenthwaite Lake)を見下ろす国立自然保護区。一旦、湖水地方から姿を消したが、巣作りを手伝うなどして夏季に戻ってくるようになった。

 上段右(1st ):ラージ・ブルー蝶(学名:Maculinea arion)

 英国のグロスターシャーやサマセットの田園地帯で観られた大きな青色の蝶。翅の幅が4.4センチに達する。1979年にいったん絶滅したが、自然保護団体やオクスフォード大学などの科学者の努力で欧州から同種を再導入して育成した。この蝶は赤蟻の巣の中で幼虫期を過ごすことに着目して、赤蟻の繁殖から手掛けたプロジェクトが成功したものである。昨年には16,000匹以上がこの地域に生息、世界でもこれだけのラージ・ブルー蝶の高集積地域は珍しい。

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 中段左(£1.45): ユーラシア・ビーバー(Eurasian Beaver、学名:Castor fiber、日本名:海狸)

 ユーラシア・ビーバーは、齧歯科の哺乳類で体長:80~120センチ、狸に似ている。16世紀ごろまでは英国にも多数棲息していたが、乱獲により絶滅した。これを元へ戻す試みとして、同種を欧州から導入し、2011年にデボンのオッター川に放流された。その後、保護策が奏功して繁殖を続けている。

 中段右(£1.45):プール蛙(Pool Frog、 学名:Pelophylax lessonae、日本名:赤ガエルの一種)

 英国に広く生息していたプール蛙は1995年ごろまでに絶滅したが、現在Amphibian and Reptile Conservation (ARC)というという環境保護団体の努力により北欧から再導入され、ノーフォークで繁殖が進んでいる。

 下段左(£1.55): 苦い香りを放つタカのひげ(Stinking Hawk's beard、学名:Crepis foetida、日本名:フタマタタンポポ種)

 30年ほど前に姿を消した苦いアーモンドの香りで知られる花頭がほぐれた黄色の花をつける「タカのひげ」と呼ばれるタンポポに似た植物。この花を食べる兎の防護壁を設置することで、2000年にサセックスのライハーバー自然保護区で、再導入に成功した。枯死する前に保存された種子を植え付け、その後も増え続けている。

 下段右(£1.55):砂トカゲ(Sand Lizard、学名:Lacerta agilis、日本名:ニワカナヘビ)

 絶滅が危惧される体長20センチに及ぶ砂トカゲを海岸線の砂地汚染から護るために、ARCの主導でウエールズ、ケント、西サセックス、デボン、コーンウォールの海岸が保護区に指定され、再導入プログラムが実施されている。









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