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Brexitは優れた英国の成長戦略

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 2018年3月14日にコーポレイト・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)の自主研究会で「Brexitは英国の成長戦略」と題したプレゼンテーションを行なった。

 要旨は次のとおり、詳しくは使用したパワーポイントを参照願いたい。

Brexitは優れた成長戦略のパワーポイント

1、英国はGDP規模で米・中・日・独・仏に次ぐ世界第6位の大国であり、ロシアやインドより大きい。EUから分離独立しても決しておかしくない経済規模である。いずれ、ロシヤ、インドなどに抜かれるであろうが、独・仏を凌いで日本に迫る可能性が高い。

2、BrexitはEUにとってもプラスとなろう。EU統合は戦争か平和かという政治の観点が主目的で、経済は従である。マケドニアが加盟が年内にも認められる公算大。

3、「欧州解体」の著者、ロジャー・ブートル氏は2014年にBrexitを予言、その根拠を共通通貨ユーロの行き過ぎ、ことに財政や金融規制との整合性の不存在とEU官僚の硬直性が問題と指摘している。

4、EU、英国に共通の解決困難な問題は民族自決の紛糾、カタルニア・スコットランドの独立志向が最大の火種、ただし、現在の国家は民族国家ではなく、ドイツは連邦、ルクセンブルグは連邦に取り残された名残りである。Brexitも民族意識を知らなければ、理解できない。

5、Brexitは反グローバルではない。一方、EU統合は反グローバルの一面を持つ。

6、英国はBrexitにより広く全世界との交流を展望できる。英国のGDP比の対内直接投資は世界一。

7、EUにない英国の優位性として、①英米ルールの覇権、②NAFTA、TPPへの加盟も検討、③英連邦諸国との紐帯強化、④全世界をカバーするシティーのマーケット機能の存在などが指摘できる。

8、英国の対EU貿易収支は大幅な入超であるから、離脱交渉が長引いた結果、貿易の停滞で窮地に陥るのはEU、ことにドイツである。

9、反EU感情の根源はポーランドを初めとするEU新加盟の東欧からの移民大量流入にある。彼らは知的レベルが高いにもかかわらず、低賃金に耐えるので、英国の中堅労働者にとっての大きな脅威。

10、英国経済の将来展望としては、①来年以降、実質成長率回復、インフレ率は3%と高いので、名目GDPは高成長、②人口は2050年までにドイツを凌駕、欧州一位となる見込み。









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